「ムース」と「ババロア」の違いって…
null見た目が似ているこのふたつ、改めてその違いは?と言われると……。そこで調べてみました!
ふんわり食感に仕上がっているのが「ムース」
チョコレートやフルーツピューレに、泡立たせた卵白や生クリームを加えて冷やし固めたもの。ふんわりと食感が軽いのが特徴です。
泡だたせた生クリームや卵白を用いてふんわりと仕上げた、口あたりのよい菓子や料理。
【出典】日本国語大辞典 小学館
「ババロア」はぷるぷると口当たりなめらか
牛乳や砂糖、卵黄をとろりとするまで加熱したソースに、ゼラチンと生クリームなどを加えて冷やし固めたスイーツ。ゼラチンが入っていることで、プルプルとなめらかな食感に仕上がります。
牛乳・砂糖・卵黄を混ぜて加熱し、ゼラチンを入れ、生クリームなどを加えて冷やし固めた菓子。
【出典】デジタル大辞泉 小学館
で、つまり「ムース」と「ババロア」の違いは…
ずばり、食感です!
どちらも冷やし固めて作られる冷菓ですが、メレンゲや泡立てた生クリーム入りのムースはふわっと軽めなのに対し、ゼラチン入りのババロアはつるんとなめらかな口当たりです。
今や両者の線引きは難しい!?
nullどちらもぱっと見でなかなか区別つきませんが、ポイントは“食感”なんですね。
料理研究家・時吉さんによると、
「ムースはフランス語で『泡』という意味があって、お菓子に限らず、料理や整髪料など泡状のものを指します。お菓子のムースは、卵白や生クリームを泡立たせているので、ふんわりとした食感が特徴です。
ババロアもフランス発祥のスイーツ。牛乳、砂糖、卵黄を加熱したアングレーズソース(いわゆるカスタードソース)をゼラチンで固めたもので、こちらは柔らかな口当たりです。
ババロアと言われて、カスタード色でエンゼル型(中央に穴の空いたリング状の型)に入っているものをイメージする方は多いのではないでしょうか? それが基本的スタイルなんですが、最近はチョコレートや抹茶を加えたものなど、さまざまにアレンジされていますね」(以下「」内、時吉さん)
調べてみると、誕生当時(18世紀から19世紀頃)のババロアは、「フロマージュ・ババロア」と呼ばれチーズ入りだったそうですが、次第にチーズは入れられなくなり、呼び名もシンプルに「ババロア」だけになったそう。
アングレーズソースにチーズをプラスしたら、より濃厚な味わいでとてもおいしそう!……でも、食後のスイーツとしてはちょっと重すぎたのかも?
今ではいろんなテイストが楽しめますし、ババロアってどんどん進化しているスイーツだったんですね。
「ただ、見た目が似ていてどっちがどっち?と分からない場合もありますよね(笑)。ババロアはゼラチンで固めるのが特徴ですが、現在は、ゼラチンで固めたムースや、泡状のものを加えたババロアなんかも見受けられるので、ゼラチンの有無で両者を線引きするのは難しいと言えます。
原料もほぼ一緒な両者ですが、フワフワッとしているか、つるりとしているか食感には違いがありますので、その点を覚えておくと、おうちで作る時なんかは仕上がりがイメージしやすいかもしれません」
これからの時季恋しくなってくるひんやりスイーツ。ムースやババロアをいただく時は、食感の違いに注目してみたいと思います!
【取材協力】
料理研究家 時吉真由美
(株)Clocca代表取締役 cooking Clocca代表
土井勝料理学校をはじめ各地の料理教室講師のほか、「ZIP!MOCO’Sキッチン」(放送終了)「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」などTV・出版物等のフードコーディネートや、料理、レシピ制作などで幅広く活躍中。
楽天レシピに多数のレシピを掲載する他、YouTubeチャンネル「Clocca Cooking Channel」にて、語り継ぎたい伝統的な行事食を中心に、作り方やプチ知識を公開中!