「ブイヨン」と「コンソメ」の違いって…
nullスーパーなどで顆粒や固形が売られていてすっかりお馴染みですが、そういえばこのふたつ、どんな違いがあるのでしょう? 気になったので調べてみました!
「ブイヨン」は、野菜や肉、香辛料を煮だした“洋風のお出汁”
西洋料理における基本材料のひとつ。肉や香味野菜、香辛料などを長時間煮てから漉したもので、スープやソースの素となります。まさしく、“洋風のお出汁”ですね。
西洋料理の基本材料の一。肉・骨・魚類などと香辛料・香味野菜などをいっしょにして長時間煮込んで作る煮出し汁。スープ・ソースのもとにする。
【出典】デジタル大辞泉 小学館
ブイヨンをベースに味を調えたスープが「コンソメ」
コンソメは、ブイヨンをベースにして、脂肪分の少ない肉や香味野菜、調味料を加えて静かに煮立ててから漉したもの。味が調えられているので、そのままスープとしていただけます。
ブイヨン bouillon を土台にして、もう一度脂肪のない赤身の肉類、タマネギ、パセリ、セロリなどの香味野菜のみじん切りをよく混ぜ、さらに卵白を加えてよく混ぜ合わせ、静かに煮立て、透明な液にしたものをコンソメという。
【出典】日本大百科全書(ニッポニカ) 小学館
で、つまり「ブイヨン」と「コンソメ」の違いは…
ズバリ、ブイヨンはスープやソースの素になるお出汁、コンソメはブイヨンを素に味を調えたスープなのでした!
ただでさえ、肉や野菜、香辛料をアク取りしながら煮て……とブイヨンを作るだけでも時間がかかりますが、コンソメはさらにそこからひと手間を加えた贅沢な飲み物だったんですね。
顆粒や固形タイプは便利だけれど…塩分に注意!?
nullどちらも旨みを出すための出汁……ではなく、コンソメはスープという料理だったんですね。
料理研究家・時吉さんによると、
「ブイヨンは、お肉とともにネギやセロリといった香味野菜や香辛料、を加えて煮だして作られます。お肉の種類によって、鶏ガラで作るブイヨン・ド・ヴォライユや、魚を使ったヒュメ・ド・ポワソン、牛からとるブイヨン・ド・ブフなどいくつか種類があるんですよ。
コンソメは、ブイヨンに卵白やお肉を加えて煮込み、漉したもの。フランス語で“完成された”という意味があって、そのままスープとして提供できます」(以下「」内、時吉さん)
顆粒や固形タイプがすぐ手に入るからか、コンソメってもっと気軽なものだと思っていましたが、とっても贅沢な一品なんですね。
「私はカレーやシチューなど煮込むお料理を作る時にブイヨンを、ミネストローネなどスープを作る時にはコンソメを、と使い分けています。コンソメをカレーやシチューに使う方も多いようですね」
コンソメはなにかと重宝しますが、時吉さんのように使い分けるのが本来の使い道に近いのかもしれませんね……。知らなかった!
「市販のコンソメのキューブタイプのものは、メーカーにもよりますが1粒おおよそ5gほど。そのうちの半分近くがお塩というものもあります。それを頭に入れた上で塩分を調節しながらお料理を作らないと、塩辛くなってしまうんです。日本のだしパックも同様。塩が多く含まれているものもあるので、味噌汁を作る時などはお味噌の量を調整した方がいい場合があるんですよ」
ええ~っ! そんなに塩がたくさん入っているんですか!?
ガサガサ……。本当だ、自宅にあったコンソメ(固形タイプ)の原材料名を見てみると、最初に“食塩”と書かれていました。
「商品のパッケージにある原材料名は、使用量が多い順に記載する決まりなので、お持ちのコンソメは食塩が多いものということですね。塩分の摂りすぎが気になる方は、ぜひ気を付けてみてください。
話は逸れますが……。
ブイヨンは作ろうとすると工程が多く時間もかかりますが、日本のお出汁って、沸騰と同時にほぼ完成なんですよね。一番出汁はもちろん、二番出汁も煮出す時間がちょっと長くなるだけ。つくづく便利だな~と思います(笑)」
たしかに和食の出汁はシンプルな素材で作れますし、短時間でもしっかり旨味が出て、とても重宝。
それだけに、本来は手間がかかるブイヨンやコンソメが、今ではすぐ手に入ることにもありがたさを感じました。
【取材協力】
料理研究家 時吉真由美
(株)Clocca代表取締役 cooking Clocca代表
土井勝料理学校をはじめ各地の料理教室講師のほか、「ZIP!MOCO’Sキッチン」(放送終了)「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」などTV・出版物等のフードコーディネートや、料理、レシピ制作などで幅広く活躍中。
楽天レシピに多数のレシピを掲載する他、YouTubeチャンネル「Clocca Cooking Channel」にて、語り継ぎたい伝統的な行事食を中心に、作り方やプチ知識を公開中!