「クレープ」と「ガレット」の違いって…
nullどちらも薄く焼いた生地にフルーツなどがのっているイメージですが、改めてその違いって?と思い調べてみると……。
小麦粉を使った薄焼きの生地に、材料を包んだのが「クレープ」
生地に使われる原料は小麦粉。牛乳や卵を加えて薄く焼いた生地に、ジャムなどをくるんでいただきます。
小麦粉・牛乳・卵などを合わせて溶いたゆるい生地をごく薄く焼いたもの。ジャムなどをくるんだりして食べる。
【出典】デジタル大辞泉 小学館
そば粉やとうもろこし粉を生地に使ったのが「ガレット」
ガレット生地に使われるのはそば粉やとうもろこし粉。薄く焼かれた生地には、ハムやチーズ、卵などをトッピングすることが多いようです。
そば粉やとうもろこし粉で作ったクレープ。ハムやチーズ、卵などを添えて食べる。
【出典】デジタル大辞泉 小学館
で、つまり「クレープ」と「ガレット」の違いは…
このふたつの大きな違いは、生地に使用する粉でした!
クレープには小麦粉を用い、牛乳や卵も加えられます。一方のガレットは、そば粉やとうもろこし粉が使われます。日本では、少し茶色がかったそば粉の生地がメジャーではないでしょうか。
どちらも生地が薄いというのも特徴。
辞書には、クレープはジャム、ガレットはハムや卵などを添える……とありましたが、日本では軽食的なクレープやスイーツ的なガレットなどバリエーション豊かですよね。
本来はクレープもガレット!?
nullクレープとガレット、明確な違いは生地の材料だったんですね。
料理研究家の時吉さんによると、
「フランス・ブルターニュ地方が発祥のガレットは、“平たく丸いもの”というのが語源。パンケーキやクッキーなど、薄く丸く焼かれたものを総称して“ガレット”と呼んでいたそうです。
千切りにしたジャガイモを使って丸く焼いたものや、クッキーにもガレットと呼ばれるものがありますよね。ガレットといえば、薄焼きの生地に食材をのせたものを連想される方が多いかと思いますが、語源から考えてみると、これらも“ガレット”なんですよね。
薄くて丸いクレープも、ガレットから派生したもの、と言えるんですよ」(以下「」内、時吉さん)
ガレットの語源、初めて知りました!
調べてみると、土地が痩せていたブルターニュ地方では、そば粉の生産が盛んでガレットが作られるようになったとか。やがて高価な小麦粉が手に入るようになると、小麦粉を原料としたクレープが作られるように……。
なるほど! ガレットの方が歴史が古いんですね。
「本来、クレープの生地に使われる材料は小麦粉・バター・砂糖、ガレットはそば粉・塩・水のみです。クレープは両面を焼きで、ガレットは片面焼き……と作り方にも違いがあったようですが、今は原料の違いだけ、という認識になっていますね」
クレープ生地は黄色、ガレット生地は茶系と見た目でもその違いが分かりやすいですよね。
「私がかつて、料理学校でクレープを習った時には、クレープは“絹のようになめらかで薄く”と教わりました。生地の周りをパリパリッと焦がしていただくお店もありますが、レストランなどでデザートメニューにあるクレープシュゼットは、しっとりなめらかなものが多いんですよね」
クレープ生地を絹に見立てるなんて素敵! しっとりなめらかなものが本来のクレープの姿なのかもしれませんね。
【取材協力】
料理研究家 時吉真由美
(株)Clocca代表取締役 cooking Clocca代表
土井勝料理学校をはじめ各地の料理教室講師のほか、「ZIP!MOCO’Sキッチン」(放送終了)「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」などTV・出版物等のフードコーディネートや、料理、レシピ制作などで幅広く活躍中。
楽天レシピに多数のレシピを掲載する他、YouTubeチャンネル「Clocca Cooking Channel」にて、語り継ぎたい伝統的な行事食を中心に、作り方やプチ知識を公開中!