東京半蔵門にある「村上開新堂」五代目当主の「山本道子の店」
nullちょっとおいしいものを知っていらっしゃる方なら『村上開新堂』の名前はご存じだと思います。(京都にも同じ名前のお店がありますが、今回は東京・半蔵門にある『村上開新堂』のお話です)。
歴史も古く、明治初年である1868年創業。国家政策の一環として洋菓子の製造技術を命じられた村上光保(みつやす)氏から『村上開新堂』の歴史は幕を開け、長年“日本人の舌に合う洋菓子”を生み出してきました。
ただレストランはもちろん、かの有名なクッキーも紹介制で、予約しても数カ月待ち……。
しかしせっかちな私は、食べたいときすぐに食べたいですし、人にプレゼントするときもすぐにお渡ししたいのです(笑)! “待つ楽しみ”など耐えられません。
そこでいつも利用しているのが、『村上開新堂』五代目当主・山本道子さんがやっていらっしゃるお店、その名も「山本道子の店」。こちらは一見さんでも入れますし、その場で購入できるので私のようなせっかちさんには向いているんです。
昔ながらの正統派マドレーヌ
nullお店ではさまざまなケーキや焼き菓子を取り扱っていますが、私のおすすめは断トツでマドレーヌです。見た目もかわいらしいでしょう?
マドレーヌは諸説ありますが、19世紀、巡礼者たちがお皿代わりに使っていた帆立の貝殻を模したもの。
だから昔からマドレーヌというのは貝殻の形をしているのですが、今は細長いマドレーヌが多い中、こちらのものは丸っこい、まさに“帆立そのもの”の形をしているところがいいんです。
私はいつも箱で買っていますが、ひとつ230円(税込)から購入できますよ。
はちみつと焦がしバターの深い味わい
null以前もお話したと思うのですが、焼き菓子というのは材料命なんですね。素材のおいしさがそのままもろに出てしまうので、そこが作り手にとっては怖いところ。でもこの「山本道子の店」のマドレーヌは材料の良さがまさに表れているお菓子。
「卵、砂糖、バター、小麦粉、はちみつ、アーモンド、ブランデー、ベーキングパウダー、バニラオイル」を使って作られているのですが、食べてみると上質なものを使っているな、とすぐにわかります。
人によっては「1個230円なんか高い!」と思うかもしれません。でもそういう人こそ食べてみてください。その味と満足感にきっと230円でもご納得いただけると思いますよ!
お友達にちょっと贅沢なおいしいものが好きな人っていますよね(笑)。そういう方にプレゼントすると100%喜ばれるお菓子です。年末に向け、人にちょっとした手土産をお渡しする機会も増えてくると思います。ぜひこのマドレーヌを使ってくださいな。
※商品は祐成陽子さんが購入したものです。
【取材協力】
祐成陽子
祐成陽子クッキングアートセミナー校長。
食べること、作ることへの“好き”が高じて、1965年、主婦の経験を生かし、料理教室をスタート。1987年には、日本初のフードコーディネーター養成学校を設立。輩出した生徒数は4000人超え。卒業生には、タレントで国際薬膳師でもある麻木久仁子さん、人気フードコーディネーターSHIORIさん、料理家のほりえさちこさんなどがいる。