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加湿器のその使い方、合ってる?大きさ、置き場所…効果的に使いこなすコツを解説!

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寒くなってくると気になるのがお部屋の湿度。空気が乾燥していると風邪などを引きやすくなることも知られており、加湿器は今や冬の必須アイテムです。一方、何となく価格や見た目で決めてしまったけど、案外お手入れが面倒だったり思ったほどの効果が得られていない気がしてちょっと後悔してます……。という声を聞きがちな家電であるのも事実。

そこで今回は、家電プロレビュワーとして活躍する石井和美さんに加湿器の基礎知識を教えてもらいました。加湿器を置く正しい場所、知ってますか? 寝るときにつけっぱなしにするのは良くないって本当? など、気になる点をじっくり解説します!

加湿器にも「正しい使い方」がある!より効率よく使う方法

こんにちは、家電プロレビュアーの石井和美です。家電をテストする一戸建ての「家電ラボ」を開設し、白物家電を日々試してレビューしています。これまで、数々の家電を試してきました。その経験から、実体験で得た家電の知識をわかりやすく解説します。

この時期の必需品である家電といえば、加湿器ではないでしょうか。エアコンなどの暖房をつけると、空気が乾燥するので気になっている方も多いですよね。前回は、「タイプは4種類!買う前に知っておきたいそれぞれの特徴と選び方」で加湿器の種類について解説しましたが、今回は選んだ加湿器を効率的に使用するコツをお伝えします。

部屋の大きさに合った加湿器の選び方

加湿器の「適用床面積」って?

日本電機工業会規格(JEM1426)によると、加湿能力は方式を問わず「室温20℃、湿度30%時」に放出できる「1時間あたりの水分量」=「mL/h(定格加湿能力)」で決まります。この定格加湿能力の数字が大きいほど加湿能力が高くなり、広いお部屋に向いています。

加湿器には「適用床面積」が表記されているので、そちらを参考にするとよいでしょう。ただ、プレハブ洋室と木造和室では適用床面積は異なります。

プレハブ洋室とは、マンションなどの洋室のように気密性の高い部屋のこと。木造和室は畳や障子などで水分が吸収されるため、プレハブ洋室に比べて気密性が低くなる部屋を指します。

加湿器のスペック表示の例。適用床面積や定格加湿能力についてはこのように明記されているので、選ぶ際の参考にしてください。

和室、洋室にかかわらず木造であるなら「木造和室」、マンションであれば「プレハブ洋室」で選んでおきましょう。

例えば、定格加湿能力が300mL/hのタイプは、プレハブ洋室では8畳(14m²)、木造和室であれば5畳(8m²)となります。

加湿能力に少し余裕のあるものを

部屋の広さにぴったり合わせるよりも、加湿能力が高いものを選ぶのがおすすめです。早く湿度を上げたいときに、すばやく部屋の隅々に届きます。

また、家の換気の状態や温度によっても変わりますが、特に乾燥がひどい木造住宅などでは、部屋の広さに比べて能力が高いタイプを選ぶようにしましょう。湿度を設定できるタイプであれば、設定湿度に達すると自動で運転を弱めたり、停止したりするので加湿しすぎも心配いりません。

卓上の小さな小型超音波式加湿器はほぼ効果なし!

卓上加湿器には、アロマオイル対応の加湿器もありますね。お気に入りの香りでリラックスした空間を楽しめます。

ただ、ペットボトルやコップを使用するタイプや、小さな卓上小型超音波加湿器は加湿という点ではほぼ効果はありません。加湿器から50cmほど離れると湿度は上がらないと考えてよいでしょう。

きちんと加湿したいのであれば、場所はとりますが、スペースを作って少し大きめの気化式やハイブリッド、スチーム式の加湿器をデスクなどに置くことをおすすめします。

特に超音波式加湿器は霧吹きで水を霧状にして散布しているのと同じです。デスクで使う場合は、パソコンなどの家電製品や大切な書類などが濡れる場合があるので注意が必要です。

加湿器の置き場所、ベストな位置は?

置き場所は部屋の中央あたりに

なんとなく部屋の隅に置きがちな加湿器。実は効率よく加湿するのであれば、部屋の中央あたりに置くのがベストです。部屋全体をムラなく加湿できます。

また、加湿器は床に置かず、棚やデスクの上に置くようにしましょう。特に超音波加湿器は霧状になった水で粒が大きいので、すぐ下に落ちて床などを濡らす場合があります。そのため、高いところ(床から30cm以上)に置くのが基本です。

ただし、大きなファンを搭載している大容量モデルの大きなタイプは、床に置いても問題ない場合があります。

真ん中に置くのが難しい場合

窓際は外の冷気の影響を受けやすいので不向きです。加湿センサーが間違った判断をしがちで、正しく部屋中を加湿できなくなる可能性があります。特にスチーム式加湿器は結露が起こりやすくなるので、窓際に置かないようにしてください。結露により、カーテンなどにカビが発生してしまい、不衛生な環境になることもあります。

エアコンなどの暖房から風が出てくる場所に置くのは避けます。エアコンの風の通り道を避けた壁際に置くと良いでしょう。

寝室で加湿器を使うときの注意点

就寝時の加湿器のつけっぱなしに注意!

就寝時も乾燥が気になりますよね。「寝るときも加湿器を使いたい」という声もよく聞きますが、使い方には注意が必要です。

気温が20℃から10℃に下がると飽和水蒸気量は17.2→9.39g/m³となりほぼ半減します。この差が結露の原因に。

空気に溶け込める水蒸気の最大量である「飽和水蒸気量」は、気温に合わせて増減します。特に明け方からは空気が冷えるので、飽和水蒸気量が少なくなり、それまで空気に溶けていた水蒸気がはじき出されて結露になります。

結露を放っておくとカビや細菌が繁殖しやすくなるので、明け方は加湿器を切るようにしてください。寝室で使うのであれば、加湿器はタイマー付きを選ぶようにしましょう。

また、「おやすみモード」「静音モード」といった機能が搭載されていると便利です。音がとても静かで眠りを妨げることなく、快適に眠りにつくことができます。

寝具から少し離した場所に置く

寝室で使用する場合も、できるだけ部屋の中央近くの高い位置に置きます。

地震などが起きたときに、加湿器が倒れるかもしれません。特にスチーム式は熱湯を使うので、必ず寝ているところから少し離した場所に置くようにしましょう。

それ以外の加湿器でも、顔の近くに置くのはおすすめしません。顔から加湿器が近いと音が気になり、また加湿器から出される水分は下に落ちる傾向があるので、寒く感じる場合もあります。

加湿器を上手に使って部屋を快適に

石油ストーブやガス暖房では加湿器はいらない!?

実は、暖房器具として石油ストーブやガス暖房を使用している場合は加湿器を使用する必要性はほぼありません。石油や天然ガスは有機物ですが、炭素と水素を含んでおり、これが燃えることによって水素は酸素と結合し、水が発生するからです。

灯油が1L燃えると、空気中の酸素と化合し、ほぼ1Lの水分を放出します。ダイニチ工業によると、例えば3.2kWタイプの石油ファンヒーターを使用した場合、最大火力時の燃料消費量は1時間に0.311L(311mL/h)で小型の加湿器とほぼ同じ加湿効果が期待できるとのこと。石油ストーブやガス暖房を使うと加湿はされているということになりますので、湿度を計測してから検討してください。

 

加湿器はせっかく購入しても、選び方や使い方を誤ると想像通りの効果が期待できない場合もあります。置き場所などを最初に決め、ライフスタイルに合ったものを選ぶようにしてください。


石井 和美

家電プロレビュアー。

白物家電や日用品などを中心に製品のレビューを続け、レビュー歴は15年以上。茨城県守谷市に家電をレビューするための一戸建てタイプ「家電ラボ」を開設、冷蔵庫や洗濯機などの大型家電のテストも行う。ライター、家電コメンテーター、家電コンサルタントとして活動中。

家電ラボ:https://kaden-blog.net/
Twitter:https://twitter.com/kazumi123

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