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IKEAマニアが選ぶ「節約になる8アイテム」は?コスパ&タイパ、空間や電力も効率アップ!【連載・節約のくふう】

物価高の今、暮らしを彩る日用品や雑貨は、予算内で機能的なものを選んで、快適な生活空間を維持したいものですよね。さまざまな識者から、がんばりすぎない節約のくふうを学ぶ連載【私でもできる!節約のくふう】。第10回目のテーマは「節約に役立つIKEA(イケア)のアイテム選び」です。

「コスパ」の良い商品を生活に取り入れることは節約のポイントの1つ。今回は「がんばらない節約」に役立つIKEAアイテムをご紹介します。

森井さんの著作『IKEAマニアック』。「IKEAのことなら森井ユカに訊け!」と言われるほどの、自他ともに認めるIKEAオタクの森井さん

今回お話をうかがったのは、立体造形作家の森井ユカさん。スウェーデンの家具大手IKEAへの「愛」が高じて、ファンブック『IKEAマニアック』を執筆するほどのIKEAマニアです。

世界にたった1つの作品を生み出してきた森井さんのライフスタイルにフィットしたという、IKEAの商品。

森井さんのライフスタイルの変遷や、日々の節約をサポートしてくれるIKEAグッズの活用法についてうかがいました。

立体造形作家の森井さんがIKEAマニアになったきっかけは?

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森井さんは立体造形作家として、ねんどを使ったキャラクターデザイン、ねんど遊びセットの企画・デザイン、デザイン学校の講師など、多方面で活躍しています。

国内外で人気のトレーディングカード「ポケモンカード」用の立体造形を始めとしたアニメキャラクターの立体化も担当しています。きっと皆さんもどこかで森井さんの作品を目にしているはず。

ねんどを使い、指先でさまざまなキャラクターを作り上げていく森井さん
ポケモンカードの中には、森井さんがキャラクターのねんど造形を担当したカードも
CGは使わず、実際に作ったキャラクターに自然の背景などを組み合わせてカードにするんだそう

さらに、森井さんの活動は立体造形にとどまらず、世界の雑貨を集める「雑貨コレクター」としての顔も持ち、多数の著書を執筆しています。

この連載では毎回、「夫婦の家計管理分担」についてうかがっていますが、結婚して30年以上の森井さん夫婦の場合は、完全独立型。それぞれの収入は別々に管理し、夫婦共同で使っている口座に毎月、生活費を一定額振り込んで、そのお金で生活をするスタイルです。

森井さんいわく、夫婦ともにクリエイティブ職でオタク気質。「あ・うんの呼吸」でお互いの仕事やプライベートなスペースを尊重し合っています。家とは別に仕事用のオフィスを構えたり、海外との2拠点生活をしていた時期もあるそう。

そんな森井さんのIKEA愛好歴は、およそ30年。IKEAが日本に本格する以前の90年代、香港で部屋を借りる際に、家具と日用品をIKEAでそろえたのがきっかけでした。

家具、食器、日用品などすべてそろえて、総額は当時の日本円に換算して12万円ほどでした。

「商品の選択肢が豊富で、機能的なのに価格も安くてびっくりしました。2年間限定の香港生活で、高いものを選べなかったのですが、IKEAでリーズナブルにあらゆる家財道具をそろえられたので、助かりました。デザインもよかったので、部屋を引き払うときに、貰い手がすぐに決まりました」(以下「」内、森井さん)

森井さんが、IKEAに惹かれる理由の1つが、デザインと機能性です。

IKEAのヒット商品の多くは、世界のユーザーの生活パターンを研究したうえでデザインされています。製造コスト、輸送コスト、環境問題なども配慮しながら、ユーザー目線にたったデザインがIKEA商品の持ち味だといいます。

「IKEAのスウェーデンは、冬の期間が長く、屋内で過ごす時間が長いために、家具や日用品のデザインが発達したのではないか、とも言われています」

森井さんが「IKEAの象徴的な商品の1つ」と語るのが、ロングセラー商品のじょうろ。

曲線的なフォルムのじょうろは、199円(税込、以降同様)。なんともリーズナブルです。

◆「PS 2002 じょうろ」199円

「IKEAのデザインの理念を象徴する逸品です。直線を使わずに、植物が持つ自然な曲線を取り入れて作られています。しかも、1枚のプラスチックから作られており、“継ぎ目”が1つもない。製造工程でのエネルギーを最低限に抑えているんです。

また、積み上げることができるので、輸送コストの削減も叶うデザインでもあります。一説では、このじょうろの“類似品”を安く作ろうとしても、“本家”のIKEAより安く売ることは不可能、などと言われています」

これまでにさまざまなカラーが発売されており、用途もいろいろ。積み重ねて床に置いても、インテリア的にも活用できそうですね。

(※現在販売しているのは、ホワイト/ライトグレーブルーの2種です)

画像提供:森井さん
画像提供:森井さん

「スペース」「時間」の節約に役立つIKEAグッズは?

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そんなIKEA好きの森井さんに、数あるアイテムのなかから、省スペースや、家事ステップの時短に役立つおすすめグッズを4つ教えていただきました。

◆「IKEA365+シリーズ 保存容器 ふた付き」(正方形 ガラス/竹 600ml)税込599円

「IKEAのスタッフが世界の家庭のキッチンを巡って“黄金サイズ”を導き出したロングセラー商品です。本体の素材がガラスとステンレスの2種類、ふたが竹、シリコン、プラスチックの3種類から選ぶことができて、それぞれ金額も異なります。

特に写真のガラス・竹の組み合わせは、積み重ねて保存できて、保存した料理を皿に移し替えしなくてもそのまま食卓に出すことができる、見栄えの良いデザインで気に入っています」

森井さんによれば、最近、IKEAは商品に竹を積極的に使っているそう。成長速度の高い竹は、適切な方法で生産し使用する場合、環境面での利点があると考えられています。環境面に配慮したデザインもIKEA商品の魅力とのこと。

◆「ロードクノート 紙ナプキン」(38x38cm/30枚)99円

画像提供:森井さん

「IKEAは紙ナプキンも豊富に展開しています。忙しいときに、ちょっとした軽食やおやつを乗せたりして、そのままササッとふいてゴミ箱に捨てると、時短にもなりますね。

私は頻繁にIKEAに通っているのですが、デザインのサイクルが早く、行くたびに新しいデザインに巡り合っています」

(※写真の「ロードクノート」は生産終了品につき、在庫限りの販売です)

◆「ディムパ 収納バッグ」(透明/65x22x65cm)399円

画像提供:森井さん

「半透明で中身がわかるバッグです。日本にある“布団袋”よりも小さく、縦型で収納することができるので、省スペースに役立ちます。押入れやクローゼットから出し入れしやすいので、年に何度かの億劫な衣替えもラクになります」

◆「オムトリント ハンガーコネクター」(10ピース)129円

画像提供:森井さん

「これ、なんだかわかりますか? 実は、ハンガーの上部にこれをセットすることで、そこにさらにもう1つハンガーをかけられるという“省スペース商品”なんです。1個あたり約13円という手軽さで、クローゼットのスペースが少なくても、たくさんの服をかけておくことができます。

私は現在、夫とクローゼットを半分ずつ共有しているのですが、私の方が服は多いのに、このハンガーコネクターのおかげで夫よりもすっきり収まっています。ぜひ一度、使ってみていただきたいアイテムです!」

「電力の節約」に役立つアイテムは?

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続いて、ちょっとした電気代の節約にも役立つようなIKEAグッズについて。センサー式のアイテムや、電力を消費しないアイテムなど、森井さんのおすすめ3つをご紹介します。

◆「オーレビー ワードローブ照明 センサー付き」(2ピース)999円

画像提供:森井さん

「面倒な工事なしですぐ使える、電池式の人感センサーつきライト。クローゼットの電気をつけずに、羽織り物をサッと取り出すときなんかに便利で、必要な時にだけつくのでつけっぱなしにしてしまうこともありません。IKEAで販売している充電式の電池を使うとさらにお得になります」

※別売りの単4電池3本を使用します。

◆「ユーサ 手回し充電式LED懐中電灯」699円

「電池不要のLED電灯。デザインがいいので、部屋の見えるところに置いておくのもいいですね。手の届くところに置くことで、いざという時に探さずに済むのではないでしょうか。手動充電式なので、電池交換は不要。ハンドルを20~30回まわすと、約1分30秒点灯します」

ハンドル式であれば、いざという時に「電池がない!」と焦らずにすみますね。定期的にコンセントに差して充電しておくタイプの非常用ライトと違い、待機電力が発生することもありません。

(※現在販売しているのは、ホワイトのみです)

◆「レックスベゴニア ひんやり冷感パッド」(60x80cm)1,499円

画像提供:森井さん

「枕やマットレスの上に敷くとひんやりして気持ちいい冷感パッド。冷蔵庫でも冷やせるし洗濯もしやすい大きさです。厳しい残暑が続きそうなので、まだ重宝しそうです」

冷房の温度設定を少し控えめにしても、この冷感パッドがあれば暑い夜を充分涼しく乗り越えられそうです。

ヒット商品ほど安くなる!? IKEAの低価格へのこだわり

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今回は、立体造形作家でIKEAマニアの森井ユカさんに、IKEA商品を紹介して頂きました。

価格が安いだけでなく、収納スペースや、光熱費、家事時間の節約につながる商品も豊富なIKEA。オンラインショップで「節約」と検索すると、ユニークな商品が数多く提案されます。

「長年IKEAを見てきましたが、売れるものほど値下げする傾向があると感じています」と森井さん。

日本では、今も物価上昇と円安傾向が続いていますが、IKEAは世界的なインフレーションの鎮静化とポジティブな経済トレンドを背景に、世界的な値下げを進めています。消費者の生活に寄り添った価格設定もIKEAの魅力ですね。

今回ご紹介したアイテムの他にも、IKEAの店舗には、展示品や在庫処分品を安く買えるコーナー「サーキュラーマーケット」があるそう。運が良ければ、掘り出し物との出合いがあるかもしれません。

残暑の厳しい今秋、生活空間を彩るアイテムを探しに、家族や友人と足を運んでみてもいいかもしれませんね。

森井さんの【IKEA活用のポイント】をおさらい

1:円安によって輸入品の値上げ傾向が続いているが、IKEAは良心的な価格の商品が多い

2:機能的な日用品を選ぶことで空間・時間の節約に役立つ

3:生活空間を彩るデザインが気分よく暮らすことにつながる

4:IKEAは、商品サイクルが早く、人気商品が安くなる傾向が見られる

5:サーキュラーマーケットで一期一会の出会いも

※価格はすべて8月26日時点の税込価格。定期的に価格変動があります。

構成・文/kufura編集部
撮影/黒石あみ(小学館)

(C)2021Pokémon/Nintendo/Creatures/GAME FREAK.


【教えてくれた人】

森井ユカさん

立体造形家、雑貨コレクター、IKEAマニア、スーパーマーケットマニア。料理にも使える無限ネコ製造器『コネコカップ』のデザインも手がける。近著は『旅と雑貨とデザインと』(学研プラス)。YUKA DESIGN主宰。

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