子どもに将来、「うちはパパが働いていないから…」って我慢させたくない
nullさくのんさんは、2人のお子さん(小2・年長)と、旦那さんとの4人暮らし。にもかかわらず、なんと月の食費は2万円台後半だと言います。きっと、そうとう無理して節約しているのでは……?
「それが、そういうわけではないんです! もともと月2万円台を目指していたわけではなく、家の立地や近くの格安スーパー、家庭菜園にふるさと納税など、いろんな条件が重なったおかげで、結果的に今は3万円を超えずに暮らせている、という感じで。
子どもが成長するにつれてまた金額も変わるだろうし、それでいいんです。
もちろん、節約のための工夫はしていますが、頑張りすぎて辛くなってしまっては元も子もありません。それに食事は生きていくために欠かせないものなので、趣味のお金などと違って、減らすにも限界がありますよね。
暮らす場所や、家族の食の好みなどによっても“抑えられるライン”は変わってくると思うので、金額にはこだわらず、無理ない範囲で少しずつ“トクするやり方”を見つけていくのがいいんじゃないかな」(以下「」内、さくのんさん)
結果的に今のラインになった、というのが意外です。確かに、住むところや生活スタイルによって前提条件も違うなか、「絶対に〇〇円に抑えなきゃ!」と考えると辛くなってしまいそうですよね。
ただ、そうはいっても3万円を切るほどの節約の裏には、いろいろな「我慢」があるんじゃないかと思ってしまいます。
「どちらかというと“我慢しての節約”というより、“我慢しないための節約”、という気持ちかもしれません。
わが家は夫と私の年齢が15コ離れていて、私が今36歳、夫が51歳なんですね。将来、子どもが学生の間に夫が定年を迎えるかもしれないし、その時に“うちはパパが働いていないから、〇〇するのは我慢して”って言いたくなくて。
学費も老後の費用も、ある程度は今から予測できる“出費”なので、それに向かってちょっとずつ“余裕のある家計”を目指していこう……っていうのが、節約のモチベーションになっています」
節約の目的を明確にするのが大事、というのはこの連載の過去の回でも何度か登場しているポイントですね。「我慢」せずに節約するには、どうしたらいいのでしょうか。
「例えば外食は食費に計上しているのですが、なるべく無駄遣いしないように基本は家で済ませているので、外で食べるのは月に1回あるかどうかくらい。その代わりに、外食を選びがちなハンバーガーや焼き肉も家で再現して、家族で盛り上がりながら作っています。
それとは別に、レジャー費にも月2万円を振り分けているので、家族でのキャンプやスキー旅行などにもよく行っています。子どもの部活などが始まると、週末に家族みんなで思いっきり楽しむのも難しくなるので、今のうちに!と。
どこか一箇所にしわ寄せが行かないように、みんなが楽しめる範囲で節約するのが続けていくコツだと思います。夫や妻が、それぞれ自由にできるお金を作っておくのも大事ですよね」
「節約に役立っているモノ」はこれ!住んでいる環境もフル活用
nullここからは、ジャンルをまたいで、さくのんさん流の節約のキーワードを幅広くご紹介! もしかしたらあなたの周りにも、気づいていないだけで「節約に役立つモノ」があるかもしれません。
【まとめ買い&冷凍保存】
「基本中の基本ですが、まとめ買いや冷凍は多用しています。大容量でg単価が安い食材を選んで、小分けにして保存しておく。特にきのこ類は凍らせることでうまみが増すうえ、凍らせる前にばらばらにしておけば、必要な分だけ無駄なく使えます。
業務スーパーやふるさと納税の食材も冷凍保存しています」
【近所のお店】
「わが家の節約は、近所のお店にも大きく助けられています。幹線道路が近いからか、業務スーパーも西松屋も、ドラッグストアも100均もすぐ近くに集まっていて。コストコも、車で気軽に行ける距離にあります。
なかでも一番近いスーパーは、現金オンリーで営業時間も短い代わりにめちゃめちゃ安くて! 運営の手間を極力減らすためなのか、店内BGMすらなく無音なんですよ(笑)。
私の場合、結婚を機に引っ越してきた夫の実家の環境が最高だった……という幸運な理由で、この場所を意図的に選んだわけではないんです。でも、もし今から住む場所を決める人がいたら、“近くにどんなお店があるか”は今後の節約を左右する、とっても重要なポイントだと思います」
【暮らす家】
「この辺りは、都会から電車で1時間ほどの立地で、用事があれば気軽に行ける“ほどよい田舎”という感じ。夫の両親から引き継いだ家を建て替えた際も、地価が都心ほど高くなく、相続税などが安く済んだ分、上物にこだわることができました。
木の素材感を活かした家で、とても暮らしやすくて気に入っています。庭では葱やバジル、いちご、きゅうりやトマトを栽培しています。室内に飾る花も、庭からとってくることが多いですね。
近くに川や子ども向けの図書館など無料のスポットが充実しているので、週末遊ぶ場所には困りません。子どもの友達の家も、3世代同居の家が多かったりして、日中でも誰かしら大人の目がある安心感もあります」
【情報にアンテナを張る】
「ファイナンシャルプランナーの資格をとった際に実感したのですが、私たちって普段、気づかずに損しているものがたくさんあるんですよね。“見直す余地のある携帯代”、“入りっぱなしのサブスク”、“ネットバンキングにすれば無料になる銀行の振込手数料”など、無意識に損し続けていることがとても多いんです。
“ポイントがもらえるキャンペーン”も、“家を建てるときに申し込める補助金や助成金”も、気づかずやらなければ0円。
一例ですが、8月31日までにLINE MUSICにお試し登録して、30日間毎日1回以上アプリで楽しく音楽を聞くだけで、PayPayポイントが2,000円分もらえるキャンペーン※とか……(PR案件ではありません笑)。
すぐ側に転がっているお得な情報にアンテナを張って、ぜひ見逃さないようにしてほしいです」
(※キャンペーン詳細: https://music.line.me/top/news/240701/001/ )
【お金に住所をつける】
「最後にご紹介したい考え方が、“お金に住所をつける”というもの。
わが家では、ボーナスなどの余剰分のお金が出るたびに、全部に“これは娘の習い事代”、“これはクリスマスプレゼントの予算”、“これは車を買い替えるための積み立て”、“これは投資”……と目的を決めて、分けておくようにしています。
なんにでも使える“余ったお金”のままだと無駄遣いしてしまう可能性がありますが、こうやってそれぞれに目的を設けておけば、余計な出費を防げるんです。ぜひやってみてくださいね」
さくのんさんの【節約のくふう】をおさらい!
1:絶対に〇〇円に抑える!という「無理な目標」はつくらない
2:節約しつつも「家族が思いっきり楽しめる方法」を見つける
3:自分の「暮らす環境」も、節約の武器になるかも
4:「お得な情報」にアンテナを張って見逃さない
5:余剰のお金には目的を決め「何に使ってもいい状態にしない」
小さな工夫を積み重ねて、堅実に節約の道を進んでいるさくのんさん。ですが「私の母は私と真逆で、私が子どものころ、家族のためならとにかく気前よくお金を使う人だった」といいます。
「それゆえに大変だったこともあったけど……でも、人生をかけて、愛情を込めて子育てしてくれたなぁと実感しています。私も、やり方は違うけど、いつか子どもに“お母さん、家族のために頑張ってたよね”と思われるような子育てができたらいいな」
人それぞれ、家計へのアプローチは違っても、「誰かのため」という気持ちは同じなのかもしれませんね。
気軽にリモートワークができるようになった今だからこそ、節約のために「暮らす環境」から見直してみるのもアリかも?……そんな気持ちになりました。連載【私でもできる!節約のくふう】、次回もどうぞお楽しみに!
構成・文/kufura編集部
撮影/黒石あみ(小学館)
【教えてくれた人】
さくのん さん
業務スーパーマニア/WEBライター。ファイナンシャルプランナーの資格を持ち、食費を抑える方法や、年間120万円を貯める節約テクニックを発信している。小2の娘、年長の息子、夫との4人暮らし。
Instagram→@sakunon_s_life