何らかの形で「家計簿をつける」という回答者は5割
nullまず回答者(既婚男女236人)に、家庭のお金の動きを把握するための定番の方法である「家計簿」の利用状況について質問しました。
結果は以下の通りでした。
【あなたの家庭では、家計簿をつけていますか?】(回答者:既婚男女236人)
つけている・・・53.4%(126人)
つけていない・・・46.6%(110人)
53.4%の回答者が「家計簿をつけている」と回答しています。一方「家計簿をつけていない」人は46.6%。その割合は拮抗しています。
続く質問では、家計簿をつけている人はどんなふうにつけているのか、家計簿をつけていない場合どのように家計管理をしているのか、聞いてみました。
「家計簿をつける」派は夫・妻どちらが担当?どんな悩みがある?
null「家計簿をつけている」と回答した126人の家計管理事情から掘り下げていきます。
家計簿をつけているグループに対して、まず「夫と妻、どちらがつけているのか?」について質問しました。
【家計簿をつけているのは誰ですか?】(家計簿をつけている男女126人)
主に妻がつけている・・・61.1%(77人)
主に夫がつけている・・・19.8%(25人)
2人とも(or 2人で)つけている・・・19.1%(24人)
家計簿の夫婦間の分担は「妻が家計簿をつけている」の割合が6割と最も多くなっていました。夫がつけているケース、夫婦でつけているケースもありました。
続いて「どのように家計簿をつけているか」を聞いたところ、方法は手書き、スマートフォンアプリ、パソコンの3つに分かれており、以下のような割合でした。
【家計簿をつける際に使うツールは?】(家計簿をつけている男女126人)
手書き(ノートや購入した家計簿など)・・・40.4%(51人)
スマホアプリ・・・30.2%(38人)
パソコン(家計簿専用ソフトやエクセル、スプレッドシートなど)・・・29.4%(37人)
男女別の割合を見ると、男性の場合はパソコン活用が51.5%と多数派。女性は手書き(42.4%)とスマホアプリ(39.0%)が優勢でした。
さらに、皆さんの自由回答から、それぞれの家計簿ツールのメリットと悩みをまとめました。
【「パソコンで家計簿作成」のメリット&悩み】
◆「パソコンで家計簿作成」のメリット
- ExcelやGoogleのスプレッドシートで使いやすく作り込める
- 計算が簡単
- セキュリティ面でアプリよりも安心感がある
◆「パソコンで家計簿作成」の悩み
- キャッシュレス決済やカード決済の支出を記入し忘れる
- 自動引き落としの金額を忘れやすい
- 入力を忘れることがある
【「家計簿アプリ」のメリット&悩み】
◆「家計簿アプリ」のメリット
- 保有口座とアプリをひもづけると、管理がラク
- レシートの写真を投稿するアプリを使うと、記録がラクでポイントが貯まる
- スマホで気軽にチェックできる
- 夫婦で共有しやすい
◆「家計簿アプリ」の悩み
- レシート投稿タイプのアプリの場合、レシートを貯めてしまう
- 入力を忘れることがある
【「手書き家計簿」のメリットと悩み】
◆「手書き家計簿」のメリット
- 支出をきちんと把握できる
- 支出を一覧で見られる
- 自分のやり方で書き込める
◆「手書き家計簿」の悩み
- キャッシュレス決済、カード決済、口座引き落としの管理を忘れがち
- 「つけるだけ」で終わってしまうことがある
- 計算を間違えることがある
それぞれの方法とメリットと悩みがあることがうかがえます。
昨今では、支払い方法が多岐にわたり、家計管理が複雑化しています。総支出をしっかり把握することで、ムダ遣いの削減につながっているという声もありました。
「家計簿をつけない」理由は?どうやって家計管理をしている?
null続いて、家計簿をつけていない回答者(110人)の声をご紹介します。
家計簿をつけない理由について聞いたところ、4つの理由がありました。
(1)家計簿以外の方法で管理している
「毎回細かい数字が合わずにストレスになっていたので、5年ほど前に思い切ってやめた。銀行の残高の変化だけちゃんとチェックしていれば、家計の全体像はなんとなくわかるので、やめても意外と困らなかった」(37歳男性/その他)
「家計簿をつけることがストレスになったので、先取り貯金を多くするようにしてバランスをとるようにしている」(47歳女性/主婦)
「電子マネーの残高が見られる」(47歳男性/営業・販売)
(2)家計簿が続かない
「家計簿をつけたほうが良いとは思うが、変に細目にこだわって続かない」(51歳男性/出版・マスコミ関係)
「つけたいけど続かない」(46歳女性/総務・人事・事務)
「面倒くさいし、性格上意味がない」(56歳女性/主婦)
(3)現実を直視したくない
「支出が多く、家計簿をつける度に気持ちが沈む。夫婦げんかの原因にもなりかねないので」(46歳男性/技術職)
「ここ数年の物価高騰や電気ガス水道の高騰を受けて、整理してもストレスになるのでやめてみた。食べ盛りの子どもがいると、ここ数年は仕方がないと思っているから」(48歳女性/主婦)
(4)夫婦別財布
「夫が財布を渡さず、別財布なのでつけられない」(44歳女性/総務・人事・事務)
「夫婦完全独立採算制で、家内の収入が明かされていないから」(59歳男性/その他)
家計簿を利用せずに別の方々で“家のお金”の動きを把握している人がいる一方で、「ストレスになるからつけたくない」「面倒で続かない」といった理由も見受けられました。
「家計簿をつけない」人の家計管理の悩みは?
null家計簿をつけていない人が抱えている家計の悩みを自由回答で記入してもらったところ、以下のような回答が寄せられました。
「クレジットカードの支払いが、いつの間にか大変な額になっていて毎度びっくりする」(42歳女性/主婦)
「安いときに、必要ないものや必要以上のものを購入しがち」(51歳男性/出版・マスコミ関係)
「ざる勘定になってしまう」(40歳女性/主婦)
「いつも赤字だから現実逃避したい」(43歳男性/その他)
「支出に関しては、好きなときに好きなものを買うスタイルなので、お金に無頓着になりがちなところ」(31歳男性/総務・人事・事務)
「旦那と別のサイフのため、旦那側で赤字になっても隠されてわからず、督促が来たことがある」(41歳女性/その他)
「貯金しても、夫が黙って高額の新車を買ったりして、結果、支払えずに貯金を崩してしまう。浪費家の夫に何を言っても無駄」(59歳女性/主婦)
「悩みは特にありません」(39歳女性/技術職)
支出の把握が難しい、配偶者の支出額がわからない、無駄遣いが増えてしまうなど、さまざまな悩みがありました。
家計管理に「解のない時代」が到来?家計管理こそ、多様性に満ちているのかも…
null今回は、家計管理の方法や悩みについてのアンケートをお届けしました。
近年は、現金、キャッシュレス決済、カード決済、自動引き落とし、ポイント払いなど、支払い方法が多岐にわたり、管理が複雑になっています。同時に、個人のライフスタイルも多様化しています。
そのような状況下で、細かく把握しなくても家計が回っているケース、銀行残高や電子マネーの利用履歴を通じて収支をざっくりとチェックしているケース、支出の増加を見て見ぬふりしながらやり過ごしているケース、細かく把握することで支出のムダを抑えられているケース……などなど、さまざまなケースがありました。
“解のない時代”と言われますが、まさに家計管理についても正解の見えにくい時代だと言えるのではないでしょうか。たとえ、自分にとっての正解を見つけても、パートナーとそれを分かち合えないこともあるのが、家計管理の難しいところです。
夫婦や個人の家計状況や性格に合った方法を探りながら、折に触れて管理のしかたをアップデートしていくことが求められるのかもしれませんね。
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