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スーパーは逆から回る!「タイパとコスパ」を両立する、節約好きライターの家計術【連載・節約のくふう】

上がり続ける物価。下がり続ける実質賃金。「もう、節約に疲れた」と息切れをしてきた方も少なくないと思います。家計管理の達人や専門家から、がんばりすぎない家計管理を学ぶ連載【私でもできる!節約のくふう】。

第7回目のテーマは、節約の“タイパ”(時間対効果)と“コスパ”(費用対効果)のバランスのとり方についてです。

節約のために、少しでも安い食材を求めてスーパーを何軒もハシゴ、購入した商品を全て家計簿に記録……というような節約方法は、時間と体力の余裕があるときにはいいかもしれませんが、ずっと続けていると疲れてしまうことがあります。

手間をかければかけるほど節約効果が高まると思っていた時期もありました」と過去を振り返るのは、節約術や生活の工夫を発信しているライターの三木ちなさん。

高校生の頃、コツコツ貯めたアルバイト代で中古の軽自動車を一括購入するほど、早くから節約・貯金の感覚が身についていた三木さんが、現在実践している節約方法とは?

スーパーの買い物は「逆回り」して節約。主菜の食材から選ぶ!

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現在、3人のお子さん(小4、小2、年少)を育てている30代の三木さん。

結婚したばかりの頃は、少しでも安い食材を探して1日にスーパーを何軒も回る日々を送っていたと振り返ります。

「スーパーの買い物は、野菜・果物コーナーを最後に回ります」(三木さん)

いろんなやり方を試した結果、現在は、必要な食材を週に1~2回まとめ買いして、追加で必要なものがあれば買い足すという方法が定着。

1カ月の食費の目安は、お米・菓子・外食費・ふるさと納税を含めずに計算して、なんと2万円台後半(=3万円未満)というから驚きです。

食費を予算内におさめるために、まとめ買いに行く前に、購入する食材のイメージをある程度固めておくそう。スーパーでの買い物の際には、品物を選ぶ順番を意識することが節約につながっているといいます。

「多くのスーパーでは、青果売り場→鮮魚・精肉・乳製品売り場→惣菜・パン売り場というような順番で回るよう、商品が陳列されています。

私は、この順路を逆回りしています。まず、食パンや豆腐・納豆・牛乳といった“必ず使う食材”をカゴに入れ、次に主菜用の肉・魚を選び、最後に青果売り場を回ります」(以下「」内、三木さん)

多くのスーパーでは、入り口近くに野菜・果物のコーナーが配置されています。

主菜の予算が確定したら、残りの予算で野菜と果物の組み合わせを考えていくという三木さん。つまり、野菜がその日の食費を予算内におさめるための“調整役”を担っている、というわけです。

「サラダ用のレタスが高いから、ダイコンを1本買ってサラダや煮物にしよう。予算に余裕があるからイチゴを、ギリギリだからバナナかな……という感じで、その日の価格と鮮度を重視して青果の組み合わせを考えます」

以前のように1つ1つの食材の値段にこだわるよりも、まとめ買いの総額を予算内に収めるやり方で、心の負荷も軽くなっていったそうです。

誘惑に負けて、購入予定でないものを買ってしまった……という失敗を減らすことにも繋がるこの方法。普段行っているスーパーが逆回りできる構成の店舗なら、ぜひ一度試してみては?

ふるさと納税は「おかずになる食品」を。日用品は食費と別管理

ふるさと納税の返礼品には、特別なものではなく、普段使う食材をセレクト。

食費・生活費の間接的な節約につながっているのが、ふるさと納税。「返礼品は、家族のおかずになる食品を選んでいます」と三木さん。予備の冷凍庫には、返礼品がたくさん詰まっていました。

ちなみに、三木さんは、スーパーでは洗剤やシャンプーなどの日用品を購入していません。

日用品については、自宅から徒歩圏内にあるドラッグストアで、家族で月に1度、必要なものを必要な分だけまとめ買いしに行くのが恒例だそう。まとめ買いが日用品の支出管理の負担軽減にもつながっているようです。

タイパとコスパのせめぎ合い…「家計簿の歴史」から見える三木さんの工夫は?

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まとめ買いのコツを習得して買い物の頻度を減らした三木さん。それに合わせて、支出管理の方法も次第にシンプルになっていきました。

象徴的なのが、食費の家計簿のつけ方です。

「スーパーを“ハシゴ”していた頃は、1日に何枚もたまる食費のレシートを見ながら、買った商品と値段を家計簿に1つ1つ記載していました。

当時使っていたのは、市販の家計簿。用意された項目を“ちゃんと埋めなければ”という義務感に駆られて、コツコツ記録していました。その頃は、“節約ってそういうものだ”って思っていたんです」

20代前半で結婚した頃は、家庭に経済的な余裕があまりなかったこともあり、手間と時間をかけて節約に励んでいた三木さん。家族が増え、仕事を始め、以前のように家計管理に時間を取ることが難しくなっていきました。

現在使っているレシート用の収納ケース。

「市販の家計簿、大学ノートの手作り家計簿など、やり方を変えながら記録を続けていましたが、だんだん家計簿に時間をかけられなくなっていきました。

貯まっていく一方のレシートが気持ちの負荷になっていることに気づいて、いったん家計簿をやめました。家計簿に疲れちゃったんです」

家計簿をやめてからも、家計状況が大きく変化することはなかったものの、支出がじわりと増えていくのを実感したといいます。

無理のない形で、もう一度、家計簿をつけてみようかと思い立ったのが3人目の子どもが生まれた後でした。

「食費をしっかり把握するために、簡単でもいいからつけてみようかなと思い立ち、手元の手帳に記録をはじめました」

現在の家計簿。スケジュール手帳に「日付」「使った金額」「残りの予算」を記入しています。
「手間をかけすぎると続かないし、“なんとなく”だと支出が把握できないので、今できる範囲で記録するようにしています」(三木さん)

現在使っているのは、家族の予定が書き込まれた手持ちのスケジュール帳のメモページ。買い物をしたら1行分、“買い物の日付”“使ったお金”“今月の残り予算”を書き込むだけ。1カ月につき10行ほどのボリュームです。

最初のやり方とはずいぶん変わっていますが「今月いくら使って、あといくら使えるのか把握する」という目的を満たしており、無駄遣いを防ぐことにつながっているそうです。

「ここは使う」「ここは引き締める」のバランスのとり方、どうしてる?

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お財布の中は、スッキリ。「日常的に使う財布は、長く使える“ちょっといいもの”」をセレクト。

生活環境や社会の変化(電子マネーの拡大など)に合わせ、がんばりすぎずに続けられる節約方法・家計管理方法をその都度、考案してきた三木さん。

この連載では、夫婦の家計管理の分担についても折りに触れて質問していますが、三木さんの家庭では、おもに三木さんが家計管理を担当しています。

夫の収入を生活費にあて、自身の収入を一家の特別支出や貯金・投資にまわし、貯蓄情報を夫と共有しているそう。

そんな三木さんが心がけているのは、節約一辺倒にならずに、その時々の生活状況を見極めながら“ここは抑える”“ここは使う”のバランスを取ること

子ども関係の集金は現金中心なので、無印良品の「パスポートケース」を使ってあらかじめ寄せておきます。福袋などで手に入れた割引券もここに収納。

その時々の家庭の状況に合わせて、お金の使い道の優先度を変えています。

これまで抑えてきたのは、旅行費・外食費・レジャー費です。夫婦それぞれの実家が遠方にあり、帰省費がかかるため、帰省の際に楽しい予定を盛り込んで旅行代わりに。日常のレジャー費については、子どもの遊び場が多いエリアに暮らしているため、近場のスポットで楽しく過ごせているそう。

一方、惜しまず使うのは、子どもが望んだ習いごとや活動に関わるお金です。

お子さんが大切にしているハムスター。

仕事、育児、家事、家計管理……と、慌ただしい日々を送る三木さんは、自分自身に心の“うるおい”をもたらす支出も大切にしています。

「節約一辺倒では、心が疲弊してしまいます」

と語る三木さんの“うるおい”の1つが福袋です。“推しショップ”の福袋を買うと、気持ちがあがるそう。ショップも、餃子やスイーツなど、家族で楽しめるものがお気に入りとのことでした。

節約はできる範囲で、できるときに、できることを。そしてがんばる自分のための“楽しみ”も大切に。そんな三木さんのバランス感覚に学ぶ点は多いように感じました。

三木さんの【家計管理のくふう】をおさらい!

1:スーパーは「肉・鮮魚→野菜・果物」の順番にすると予算調整しやすい

2:日用品は「食費と別管理」。スーパーで買わずにドラッグストアでまとめ買い

3:家計簿は「いくら使ったか」「あといくら使えるか」を把握できればいい

4:生活の変化に合わせて 「使う」「抑える」のバランスを取る

5:自分自身の「心のうるおい」も大切に

“節約上手”と呼ばれる方に話を伺うと、“とことん切り詰める”よりも“上手に使う”に重きを置いている印象を受けます。「暮らしていくうえで何を大切にしたいか」をクリアにすることが、お金の使い道の“道しるべ”になるかもしれませんね。

 

構成・文/北川和子
撮影/田中麻以(小学館)※スーパー店内の写真を除く


【教えてくれた人】

三木ちな さん

WEBライターとして、主にくらしや節約などの記事を手掛ける。趣味は節約と貯蓄で、業務スーパー歴20年のマニア。

仙台市出身、埼玉県在住で、小4・小2・年少の3人のお子さんを育てている。クリンネスト1級、節約生活スペシャリスト、整理収納アドバイザー準1級、腸活アドバイザーの資格をもつ。

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