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生活費は「週ごと管理」なら息切れしない!電子マネーでの予算管理術も【連載・節約のくふう】

「家計を見直したいけど、何から手をつけたら……」と悩むあなたと一緒に、今日から始められる「家計管理テクニック」を学ぶ連載【私でもできる!節約のくふう】。さまざまな専門家や家計管理の達人に話を聞いてきたこの連載も、今回で第5回。

これまでの連載を振り返ると、1カ月に何度も出費が発生する生活費の管理には、さまざまなやり方があることがわかってきました。<買い物は週に一度/週に数回>、<家計簿をつける/つけない>、<現金払い/電子マネー払い>などなど……。

正解は1つではなく、自分の性格や家計の状況に合う方法を探すことも大切。なかでも「家計管理が続かない!」という人にこそオススメしたいのが、今回ご紹介する「生活費(食費・日用品費)の“週ごと管理”」です。

フリマアプリ・ネットオークションの専門家で、関連書籍を多数執筆している川崎さちえさんに、川崎さんが実践している“週ごと管理”のメリットと、フリマアプリ活用の心得について教えて頂きました。

生活費の「週ごと管理」のメリットは“管理疲れしない”こと!

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フリマアプリやキャッシュレス決済など、各種サービスをフル活用した節約法を発信している川崎さちえさん。大学在学中の2人の子どもは進学とともに自宅を離れ、現在は夫婦2人暮らし中です。

川崎さんがネットオークションを始めたきっかけは、およそ20年前に夫が突然仕事を辞めたことでした。退職理由は「子どもが小さいときに、夫婦で育児に専念してみたい」というもの。当時、男性の育休取得率は1%にも達しておらず、仕事を持つ男性が育児に専念するのは難しい時代でした。

川崎さん一家の家計は、収入が途絶えたのを機に、一気に“緊縮モード”に突入。貯蓄を切り崩し、家にある不要なものをネットオークションで売ってなんとか生活費をねん出しました。夫が再び職に就くまでのおよそ1年半の間、節約生活を続けながら“共同育児期”を乗り越えたそう。

川崎さちえさん

「今思えば、向こう見ずに仕事をやめるなんて、バカみたいな話ですけど、夫婦でいろんな体験を共有できて楽しい日々でした」(以下「」内、川崎さん)

川崎さん夫婦には育児の濃密な思い出が残ると同時に、節約習慣がすっかり定着。のちの川崎さんの仕事にもつながっていきました。

そんな川崎さんが、子どもとの4人暮らしだったころから実践しているという生活費の管理方法が、生活費を一週間ごとにリセットする“週ごと管理”です。

やり方は、ごくシンプルで

・食費&日用品費の1週間の予算を決め、月曜日~日曜日の一週間を予算内でやりくりする

・余りが出ても、予算をオーバーしても、次の月曜日になったらリセットして新しい予算でスタートする

というもの。月によって月曜日が4回だったり5回だったりとまちまちですが、どちらの場合も、週ごとの予算は変えないのがポイント。5週分を基準に金額を決めて、4週だけの月は余った1週分を貯金にまわすのもいいですね。

「生活費管理の1カ月って意外と長いので、予算を決めても、想定外の出費の機会が重なると、月末のやりくりが厳しくなってしまいます。予算が切羽詰まってくると、それがストレスになることもありますよね。

対して、1週間ごとに生活費をリセットする“週ごと管理”では、管理のスパンが短くなり、“管理疲れ”しにくいと感じています」

我慢や負担感が大きい家計管理は、長続きしにくく、無理に続けてもだんだん辛くなってしまう、と川崎さん。“週ごと管理”の特徴は、ゴールが見えやすく、週が変わると気持ちもリセットされることだといいます。

厳しい1カ月間を気合と根性で予算内で乗り切り、新たな1カ月が始まったとき、反動でついついムダ遣いを解禁してしまう……なんていう悪循環を防ぐことにもつながるそう。

「週単位」で生活費を毎週リセット!支払いは電子マネーで

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川崎さんの生活費用のお財布。カードの数は少なめ。(川崎さん撮影)

川崎さんは、生活費を使って食品や日用品を購入する際に、現金ではなく電子マネーを利用しています。こうすることで、残高以上の金額を買わずに済むというメリットが。

残額が設定金額未満になると自動的にチャージされる“オートチャージ”はあえて使わず、手動のチャージ方法を選択しています。

おもに利用しているのは、行きつけのスーパーで使う『nanacoカード』と、日用品購入時に使う『PayPay(ペイペイ)』の2つ。1週間の始まりである月曜日に、決まった金額をそれぞれの決済手段に振り分けてチャージします。

「予算内におさまる週が多いのですが、もし1週間の予算をオーバーしてしまったら、気持ちをリセットして、次の週に気を付けるようにします。

もちろん、週の予算が余ることもあります。例えば、残額1万円で1週間をスタートして、7日目に3,000円余ったと仮定します。その場合、次の週の初めに7,000円分チャージして1万円に設定します。前の週で余った3,000円は貯蓄や臨時出費などにまわすようにします。

私は電子マネーを使っていますが、もちろん現金でもOK。自分に合う方法で実践してみてくださいね」

月ごと管理が“中距離走”だとすると、週ごと管理は目の前のゴールを目指しながら、小さな目標達成を重ねる“トラックレース”のようなもの。このリズムが軌道にのると、生活費の管理で“息切れ”しなくなりそうですね。

管理疲れせずに1年間を駆け抜けられれば、余った生活費が預金となって増えているかも!

フリマアプリの収入は「生活費」ではなく「余剰資金」として投資に

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ここまで、川崎さんに生活費管理の話についてうかがってきましたが、最後に“フリマアプリ”のお話も聞いてみました!

川崎さんは、フリマアプリに関するガイド本を多数執筆しており、ご自身もフリマアプリを利用しています。アプリで得た収入は生活費と切り離した“余剰資金”とみなし、投資資金などにあてることが多いそう。

「不要な日用品はメルカリへ。蓋をなくしたタッパーも、出してみたらちゃんと売れました。まとめ売りで送料も節約!」(川崎さん)
「参考書は、多少書き込みがあっても大丈夫。ただし、トラブルを防ぐためにも、状態は出品時にしっかり記載しましょう」(川崎さん)

川崎さんは、フリマアプリのメリットについて、以下のように語ります。

「家計の防衛策の基本は、“支出を減らす”ことと“収入を増やす”ことです。

“支出を減らす”ことに関しては、皆さん、既にできることをいろいろ試していると思うんです。“収入を増やす”方法はいくつかありますが、そのうちの1つが、売れるものを売ってお金にすることです。

フリマアプリのメリットは、すき間時間を使って気軽に物の売り買いができること。売り方次第で、不要だと思っていた身近なものをお金に換えることができます」

一方、フリマアプリのちょっとした“落とし穴”もあるようです。

「日常の基盤は、あくまでも“今、ここにある生活”です。フリマアプリの売買は便利ですが、のめり込みすぎないように留意して、生活のすき間“に“ほどよく組み込む”ことが大切だと思います」

川崎さん自身も、始めた当初はのめり込みすぎて疲れてしまった経験があるそう。

「節約もフリマアプリの活用も、“〇〇円貯めて〇〇をしよう!”など、実現できそうな楽しい目的を設定して、ゴールを見えやすくしておくのがオススメです」

今回、川崎さんから学んだ心得はこちらの5つ。

川崎さちえさんの【生活費管理のくふう】をおさらい!

1:生活費の「週予算」を決める

2:週の初めに、決めた金額を電子マネーに入金

31週間の予算が余ったら、貯蓄にまわす

4:予算オーバーしても引きずらず、気持ちをリセットして次の週に

5:フリマアプリで不用品をお金に換えて生活の「余剰資金」を作る

家計管理もフリマアプリの活用にしても「がんばりすぎは、続かない」「のめり込むと、疲れてしまう」という言葉には、川崎さんの実感がこもっています。時間効率や負担感を見極めて、自分にとって無理のない管理方法を確立していけるといいですね。

 

構成・文/北川和子


【教えてくれた人】

川崎さちえさん

フリマアプリ・ネットオークションガイドとして、NHK「あさイチ」、フジテレビ「ノンストップ」などの情報番組に多数出演。『節約の達人 川崎さちえの ポイ活+クーポン+メルカリ スマホでおトク術』(インプレス)などの著書や、記事の執筆も手がける。

2003年、夫が子育てをするために、突然会社を辞める。翌月からの給料が0円になり、家にいながら、しかも空いた時間でできるオークションを開始する。ネットオークション歴20年以上、フリマアプリ歴10年以上の経験で培った独自の効率的な利用方法を発信し、オークションやフリマアプリの魅力を伝えている。

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