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今年こそ、家計を把握したい!シンプル「1行家計簿」のコツ。まずは「月イチ」からでもOK

物価高騰が家計を直撃しています。「家計を見直したいけど、家計簿が続かない」と悩む人も多いのではないでしょうか。そんなあなたと一緒に、専門家や家計管理の達人から「家計管理テクニック」を学ぶ連載【私でもできる!節約のくふう】。

第2回は、家計簿・家計管理アドバイザーのあきさんにインタビューを実施しました。

現在、様々なメディアで活躍されているあきさんは、家計簿の目的意識や書き方を変えただけで、2年間で350万円の貯蓄に成功したそう。

あきさんの家計管理方法は、「毎日1行」から「月イチ管理」まで、個々の性格やライフスタイルに合ったやり方を探すことができるのが特徴です。あきさんが考える家計簿の目的や、家計管理のコツについてうかがいました。

「家計全体の把握」が肝心!続く&貯まる【1行家計簿】術

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家計簿の目的は、「1カ月の赤字・黒字で一喜一憂する」ことじゃないんです

安いものを探して切り詰めた生活をしていたのに、お金が貯まらなかったあきさん。家計簿のつけ方を変えて350万円の貯蓄に成功したそう。

現在、高校生、中学生、小学生の3人のお子さんを育てているあきさん。現在運用している家計管理の原点は、過去の「家計簿の失敗」にありました。

「上の子どもが小さい頃、大きな支出が重なって、貯金がほとんどなくなってしまいました。

常にお金の不安を抱え、買ったものを細かく分類し、まじめに家計簿をつけていました。それなのに、思うようにお金がたまらなかったんです。

そこで、これまでの家計簿のつけ方を見直すことにしました」(以下「」内、あきさん)

まず、あきさんが着手したのは、手書きでそれぞれ書いてきた家計簿のデータを表にまとめて、年間の収入・支出の動きを「見渡す」ことでした。

「年間の支出を俯瞰したことで、“家計簿を書いたり、目の前の支出を減らすことで節約したつもりになっていた”、ということに気付きました。

それまでは月単位の赤字・黒字で一喜一憂していましたが、それで落ち込んで続かなくなったりしては、本末転倒です。

家計管理には、“今の資産はどれだけあるのか”、“年間でいくら貯まったか”、“今後どれくらいのお金が必要なのか”といった中長期的な視点が必要だと実感し、家計簿の運用方法をガラっと変えることにしました」

家計簿の目的を「支出をとことん削ること」から、「お金を正しく使うこと」にシフトしたあきさん。毎日1行ずつ、新しいやり方で家計簿をつけるようになってから、貯金が順調にできるようになったといいます。

変動しがちな「食費」と「日用品費」を固定費化したら、「ムダ遣い」が見えてきた!

「毎朝、仕事の前に1行分の家計簿をつけるのが習慣です」(あきさん)

あきさんの家計簿のつけ方のポイントの1つが、費目の立て方です。特筆すべきは、食費と日用品費の「固定費化」。これによって、日常生活の出費額に一喜一憂しなくなったんだそう。

「以前は食費は、月ごとに大きな変動がありました。例えば4万円代の月があって、6万円代の月があって、イベントごとが重なって10万円になる……というように。日用品費についても、消耗品とは別に調理器具や雑貨を買うと、簡単に予算を超えていました。

そこで、月ごとの変動を最小限にするため、“食費&日用品費”には毎日の食卓で使う物や、必要な消耗品だけを含めることにしました。一方、外食費やレジャー先で買った食材などは “娯楽費”に分類しています」

あきさんがおすすめする「費目の立て方」はこちら。

(1)食費&日用品費・・・毎日の食卓に並ぶものや、数カ月に1度買うような消耗品。以前は食費と日用品費で分けていたものの、一緒に購入することも多いため、今は1つの費目としてまとめているそう。
(2)教育費・・・塾や習い事などにかかる支出。
(3)娯楽費・・・外食、ちょっとしたレジャー、テイクアウト、100円均一ショップ、雑貨、ちょっとしたキッチン用品などは、すべて娯楽費に。
(4)特別費・・・税金、車検、旅行、家電、進学費用など、単発で発生する大きな出費はここに。

「このような分類方法に変えたことで、“食費&日用品費”の変動が少なくなりました。そして“娯楽費”にムダ遣いが集まるようになったんです。ムダ遣いが可視化されたことで、何を減らせばいいのかがクリアになっていきました」

あきさんの家計管理では、暮らしの基本となる食費や日用品費を削ることはありません。

一方、削っていくのは、娯楽費。「安いから」「お得だから」という理由で買っていた細々としたものが、家計の負担になっているケースが多いそうです。

「ムダ遣いを減らしていきますが、ゼロにする必要はありません。いくら娯楽費を使えるのか予算を立てて、“適度なムダ遣い”を楽しめるといいですよね」

あきさん流【1行家計簿】のポイントは?

それでは、あきさんが実践している「1行家計簿」のメソッドを見ていきましょう。「いきなりこれを始めるのは難しいかも……」という人向けに、「月イチ家計簿」の方法もご紹介いただいたのでご心配なく!

あきさんの「1行家計簿」では、食費・日用品費・その他の変動費を記入する「毎月の家計簿」と、固定費を記入する「年間の家計簿」の2種類を作って、全体のお金の流れを見渡せるようにします。最大の特徴は、「毎月の家計簿」の記入が1日1行(キャッシュレスでの支払いがある時はさらに+1行)で完了するというシンプルさ。

当初は「1カ月分の家計簿」=“ノート1P”、「年間の家計簿」=“みひらき2P”で、それぞれ手書きでまとめていたものを、今はExcelでの管理に変えたそう。

あきさん流「1行家計簿」の毎月の記入例。※kufura編集部が作成

まずは変動費を記入する「毎月の家計簿」から。ポイントは以下の3点です。

(1)その日に使った金額を、細かい明細は書かず“1行にまとめて”、費目ごとに記入する。
(2)ただし、“キャッシュレスの支払いについては別の行に分ける”。
(3)1カ月が終わったら、“現金払いの総額”と“キャッシュレスの総額”を「年間の家計簿」に書き込む。

「現金だけなら毎日1行、キャッシュレス支払いがあっても+1行で完了する、シンプルな家計簿です。たった数分でつけられるので、今まで家計簿が続かなかった方にもぜひ試していただきたいです」

年間の資産管理の表は、毎月のものとは別に用意します。※kufura編集部が作成

併用して使う「年間の家計簿」には、主に固定費や銀行の残高を、1カ月に1回まとめて記入します。一見すると複雑そうに見えますが、1カ月に書くのはタテの1行だけ! 固定費は毎月同じ金額のものも多いので、手軽に続けられます。

(1)収入/固定費の内訳/現金支出の総額/キャッシュレス支出の総額/預貯金 を、それぞれ記入
(2)小遣いのように月1回だけの支出も、固定費の一部として、こちらの「年間の家計簿」で管理
(3)最後に1カ月あたりの収支を計算。マイナスになっていても、他の月で挽回すればOK
(4)多少、計算が合わない箇所があっても気にしない!

「どんなやり方でも、家計簿さえつけていればお金が貯まる、というわけではありません。

家計管理で一番重要なことは、“わが家のお金の流れを正しく理解できているかどうか”。この家計簿は、あくまでそのための手段の1つなんです」

家計管理に使用するツールは、ノートに手書き、Excel、アプリなどその人にとってやりやすい方法でOK。できるだけ運用ルールをシンプルにして、“記録が続かないときには、銀行残高だけ確認すればいい”と割り切ったほうが、上手くいきやすいそう。

あきさんが考える家計簿の目的は、日々の気づきを通じて正しくお金を使えるようになること。「家計簿をつけること」自体が目的ではありません。

家計簿が続かない!そんな時は【月イチ家計簿】から

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「生活費の口座と、貯蓄用の口座を分けておくと、管理しやすいと思います」(あきさん)

支出を分類したり、家計簿に記録したりするのが苦手……という人におすすめなのが、「月イチ家計簿」です。

方法は、月に1度、残高と前月からの増減額をチェックして記録するだけ。

「コツコツ家計簿をつけるのが面倒な人は、月に1度、毎月同じくらいの日に、全ての通帳の残高を加算した金額を記録する方法を試してみてほしいと思います。

前の月からの増減額を確認し、マイナスになったときにはその要因を振り返っておきます。月に1度だけの家計簿でも、毎月の推移をみると、お金の使い方や今後の改善点の“気づき”を得られ、中長期的な視点が育まれると思います

最近は、インターネットで預金残高を調べることができますから、家計簿が苦手な人でも試しやすい方法ではないでしょうか。

より詳しい家計簿のつけ方については、あきさんの著書『スマホでもできる あきの新ズボラ家計簿』や、ブログ「2年で350万円貯めた!ズボラ主婦の節約家計簿管理ブログ」などでも紹介されています。

家計管理をしているのに貯まらない!という人の特徴は?

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続いて、これまで1,000人以上の家計相談を受けてきたというあきさんに、家計管理をがんばっているのに、なかなか貯金が増えていかない家庭に見られる2つの傾向についてうかがいました。

(1)家計管理の手段が目的化している

1つめが、家計管理や節約の手段が目的になっているケースです。

健全な家計を守るための家計簿だったはずが「つけること」が目的になってしまう、何かのために貯金するのではなく「とにかく節約」が目的になってしまうなど。

目的があいまいになると、効果に見合わないことを続けてしまったり、必要な支出で罪悪感を覚えてしまったりするので、現在やっていることの目的を明確にしておくことが大切だそうです。

(2)「これは絶対に削ることができない」という思いこみがある

2つめは「絶対に“これ”にお金をかけなければならない」という思いこみがあるケースです。例えば、この便利家電がなくてはいけない、セール期間にお得な物を買わなければいけない……などなど。いずれも相談者がムダ遣いとは思っていないのが特徴です。

また、子育て中の家庭では「子どものために」という名目で、家計に見合わない教育費の支出をしているケースが少なくないようです。

あきさんによれば、教育費は青天井になりやすい領域。子育てを20年スパンで考えた場合、早期の段階で多額の支出をすると、その後の費用が不足して逆に子どもの選択肢を狭めてしまう可能性もあるため、周囲に流されずに何が必要かを見極めることが大切とのことでした。

最後に、1年の始まりにこそやっておきたい「貯まる年間計画の立て方」についてうかがいました。

STEP1:家計の切り替えの時期に合わせて、まずは年間予定表を作成する
STEP2:向こう1年の大きな支出(特別費)の予定や予算をリストアップ
STEP3:収入や家族構成、物価を考慮して、食費と日用品費の毎月の目安額を決める

この3ステップで、1年間をどう過ごすのかおおよその見通しが立ってきます。子どもの学費や昇給などを考えると、1月スタートではなく、4月からの年度単位で管理するのも効率的なんだそう。

お金の使いどころについて考えることで「今年は、いい形でお金を使っていこう」と気持ちが引き締まりそうですよね。

あきさんの【節約のくふう】をおさらい!

1:1年単位の長期的な視点で「1日1行」、もしくは「月イチ」からでも家計を管理

2:「食費&日用品費」には日常的に使うものだけを計上し、月々の振れ幅を減らす

3:非日常の不定期支出は「娯楽費」に計上するとムダが見えやすい

4:大きな支出は「特別費」として、家計の切り替え期に予算を立てておく

5:「どう削るか」から「どう使うか」に意識をシフトすることが大切

お子さんが小さい頃は、お金の不安が絶えなかったというあきさん。

「人はいろんな悩みや心配を抱えていると思いますが、お金の心配がなくなるだけで、その分、心が軽くなると思います」と語る言葉には重みがありました。

「今このとき」も大切ですが、「これから先」を楽しく暮らすために、避けて通れないお金の問題。忙しい日々を過ごしている人も多いと思いますが、使ったお金を振り返りながら、少し先を見据える機会を定期的に持つと、お金にまつわる不安が軽減しそうですね。

連載【私でもできる!節約のくふう】、次回の記事(2月初旬公開予定)では、夫婦での「家計の共有」についてご紹介します。

 

構成・文/北川和子
撮影/田中麻衣


 

『1日1行書くだけでお金が貯まる! 「ズボラ家計簿」練習帖』(税込み550円・講談社)

【教えてくれた人】

あき さん

家計簿・家計管理アドバイザー。マネーライフプランナー、住宅ローンアドバイザー(住宅金融普及協会)、AFP認定者の資格を持つ。子供3人の5人家族で、東京都在住。

家計簿を10年以上つけていたのにお金が貯められなかった主婦が一転、家計簿のつけ方を変えたことで2年で350万円貯めることに成功(※2年で350万円には現金だけでなく株や生命保険などの貯蓄も含みます)。

自身が貯められなかった主婦である経験を活かし、現在は家計簿・家計管理アドバイザーとして活動中。お金に関するコラムも雑誌、書籍、ウェブサイトなどで多数執筆。

『スマホでもできる あきの新ズボラ家計簿』著:あき(税込み1,485円・秀和システム)

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