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確定申告の期間スタート!領収書は不要!? 2018年「医療費控除」知っておきたい変更点

早いもので今年も2月も中旬。2月16日から3月15日の期間は、1年に1度の確定申告のシーズンです。

私はあまり関係ない……と思う方も、医療費を昨年1年間に10万円以上支払った場合には、確定申告をすることで控除になるというメリットがあります。

実はその医療費控除に今年大きな変更点がありました。ファイナンシャルプランナーの筆者が、2018年の確定申告に向けた「医療費控除」についてお伝えします。

医療費控除の対象になる人・対象になる医療費は?

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医療費控除とは、1年間に一定額以上の医療費を支払った場合に所得税や住民税を減額させるメリットがあるものです。

医療費控除は、実際に支払った医療費の合計額-保険金などで補填される金額-10万円となります。

家族も含めて医療費控除の対象となる

ただし、自分1人分ではなく、「自己と生計を一にする配偶者やその他の親族」も含まれます。つまり、一緒に暮らしている家族分も含めて対象になるということです。

1人で10万円は支払っていないという方も、家族合わせると超えるという方はしっかり申告をしましょう。

市販の風邪薬にビタミン剤は?医療費に含まれる?

しかし、医療費に含まれるもの・含まれないものの区別がわかりにくいところですよね。

控除対象になるものとしては、いずれも医師や歯科医師による診察診療、治療を受けた際に支払った医療費のほかに

  • 妊娠と診断されてからの定期検診や検査などの費用
  • 出産費
  • 不妊治療費
  • レーシック手術
  • インプラント
  • 通院のための交通費
  • 怪我のための薬代
  • 市販の医薬品(風邪薬など)

などがあります。逆に、控除の対象外となるものは、

  • インフルエンザの予防接種
  • 美容のための歯科矯正やインプラント
  • 疲労回復のドリンクやビタミン剤
  • 通常のメガネやコンタクトレンズ
  • 自己都合による入院の差額ベッド代

など、健康増進や美容目的、何かを予防するためのものなどは対象外となります。詳しくは国税庁のサイトを確認しながら、医療費控除の対象となるかどうか、家族がどんなものにいくらくらい使っているかを確認してみましょう。

申告の際にかさばる領収書の提示が「不要」になりました!

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医療費控除の申請をかつてしたことのある方は、かさばる領収書に溜息が出そうになったという方も多いことでしょう。

その医療費の領収書が平成29年分の確定申告から不要になったことが、大きな改正点の1つです。

その領収書の代わりに新たに必要になったのは、「医療費控除の明細書」です。

領収書の原本を提出しない代わりに、自分で「明細書」を作成記入し、それを提出することになったのです。

明細書はどこで手に入れるかというと、国税庁のサイトから、テンプレートがダウンロードできます。また、e-TAXを利用して申告をされる方は、同じページからインターネット経由で申告をすることができます。

【医療費控除の明細書の様式と記載例】(pdf)

【確定申告書の記載例】(pdf)

明細書が不要なケースも

さらに「領収書」「明細書」ともに不要なケースもあるのです。それは、健康保険の加入者本人とその家族が、健康保険証を使って医療機関で診察を受けた際に、

(1)被保険者等の氏名

(2)療養を受けた年月

(3)療養を受けた者

(4)療養を受けた病院、診療所、薬局等の名称

(5)被保険者等が支払った医療費の額

(6)保険者等の名称

が記されたものが「医療費のお知らせ」などとして健康保険組合から送られてくるものがある場合。

これらを捨てずに持っていて、手元に保管してあるという方は、今回の確定申告から「医療費控除を受ける際の添付書類」として提出することができます。

うっかり破棄してしまった、という方は来年度分からはしっかり保管し、医療費控除に使えるようにしましょう。

ただし、医療費の領収書の提出が不要になったからといって領収書を捨ててはいけません。提出は省かれましたが、5年間は保管をしておく必要がありますので、しっかりと保管をしておきましょう。

セルフメディケーション税制とは?

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そして、もう一つの今年の医療費控除の大きな改正点は、「セルフメディケーション税制」がスタートしていることです。

ドラッグストアで風邪薬などを購入すると、裏側にマークが入っていることに気がついていましたか?

実は、セルフメディケーション税制特例の対象医薬品のパッケージには、ロゴマークが入ってます。これらの対象薬を対象者が、1年間に支払った費用が世帯合計で1万2000円を超えるとき、その超える分の金額が課税所得から差し引かれ、減税となる仕組みです。

では、対象になる人はというと、

「健康の保持増進及び疾病の予防として一定の取組を行っている方」とされています。

一定の取り組みとはどんなことかというと、

  • 保険者(健康保険組合、市区町村国保等)が実施する健康診査【人間ドック、各種健(検)診等】
  • 市区町村が健康増進事業として行う健康診査【生活保護受給者等を対象とする健康診査】
  • 予防接種【定期接種、インフルエンザワクチンの予防接種】
  • 勤務先で実施する定期健康診断【事業主検診】
  • 特定健康診査(いわゆるメタボ検診)、特定保健指導
  • 市町村が健康増進事業として実施するがん検診

これらをいずれか受けている必要があり、また証明書として通知表や領収書等が必要ですので、なくさないように保管をしておきましょう。

また、セルフメディケーション税制と医療費控除は併用することはできませんので、いずれか一方を選択する必要があります。

どちらが自分にあてはまるかは、国税庁のサイトでは試算することができますので、確認してみましょう。

3月15日を過ぎても大丈夫な場合も!

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平成29年分の確定申告の受付期間は、2月16日〜3月15日とされています。

しかし、確定申告をする義務がない、会社が行う年末調整を受けている会社員の方が、医療費控除などで還付を受けるための「還付申告」といわれるものに関しては、期間が変わってきます。

還付申告は翌年の1月1日から5年間受け付けてもらえるので、平成29年分の還付申告は、年明けの平成30年1月1日からすでにはじまっています。

受付期間も5年間ありますから、平成29年分は、平成34年12月31日まで申告をすることができます。

還付申告をしたいけれど、この時期は忙しくて……という会社員の方は、3月15日を過ぎてしまっても大丈夫。ゆっくりと準備しましょう。

また、過去の医療費控除も5年分はさかのぼって申告できますので、思い当たるものがあれば調べてみるのもいいかもしれません。

 

確定申告シーズン突入になりますが、自分がどこに該当するか確認し、スッキリして新しい季節を迎えたいですね!

 

【参考】

平成29年分 確定申告特集「医療費控除が変わります」 – 国税庁

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