家計の視覚化プロジェクト!
null家計を4つの順序で見ていくとわかりやすいという和田さん。その流れとは、
- お金の流れを把握する
- 大きなムダをなくす
- 使途不明金を洗い出す
- 貯まる仕組みを作る
とのこと。その中で、まず最初にやってもらいたいのは「お金の流れの把握」です。ここがわからないと、家計の全体像をつかむことはできません。
具体的にみてほしい支出は、
- 居住、車費(購入ローン、駐車場代含む)
- 保険料
- 貯蓄(短期、長期)
- 水道光熱費(水道、電気、ガス)
- 通信費(携帯電話、固定電話、ネット接続料など)
- 教育費その他(学校給食費、塾費、保育料など)
- 食費
- お小遣いなど
- 雑費
- その他
の10項目です。この10項目について、現在支出している金額を具体的に書き出してみましょう。
さらに、これからの予算を考える際に気をつけてほしいのは以下の点です。
- 支出を把握したら、どこにいくらくらい使えるかの「予算先取り」をすること
- 「予算先取り」をする際は、無理な設定にしない(支出に基づいたバランスが大事なので、貯蓄を増やしたいからといって、手取りの半分を貯蓄にするといった無謀な予算設計は禁物)
- 「理想」と「現実」のちょうど折り合うところが適正予算
理想の「収支バランス」とは?
null支出を把握したら、「ここにいくら回したい」「ここにいくら使いたい」と具体的な金額のイメージを考えていくのですが、和田さんが考える“理想の収支バランス”とは、
- 居住・車費 25%
- 保険料 5%
- 貯蓄 15%
- 水道光熱費 5%
- 通信費 5%
- 教育費その他 10%
- 食費 15%
- お小遣いなど 10%
- 雑費 10%
となるそうです。ここから大きくはみ出すような状況であれば、使い過ぎと認識した方がよさそうです。予算作りの参考にするとご自身の支出の配分を作りやすいので、やってみましょう。
「お金の優先順位」とは?
null具体的な予算を決める前に、それぞれの家庭ごとに、例えば「ここだけは削減できない」あるいは逆に「削減できそう」という項目があると思います。
自分の今の生活の中で、何を優先したいのか、どれが削減できるのかを書き出してみると、お金の優先順位をつけられますよね。家族とも話し合って、一度書き出してみるといいと思います。
「悩みタイプ別」予算設定のポイントとは?
null予算を設定する際に、それぞれの家庭の悩みが出てくると思います。その悩み別にどうしたらいいかを見ていきましょう。
タイプA「節約はしたいが、どこから手をつけていいかわからない」
理想の収支バランスと比較して、支出が突出して多いなら使い過ぎと判断できます。使い過ぎの項目から重点的に削減を検討しましょう。
タイプB「節約しているつもりなのに、いつもお金が足りない」
細かな節約をしているのに、居住、車費、通信費、保険等、大きな項目にムダがあるのかも。収入に見合ったプランかどうかを見直してみましょう。
タイプC「今は何とかなっているが、将来が不安……」
本気で貯蓄を考えるのなら、貯蓄の目標額を最初に設定することで、長期的、かつ具体的に貯めることが可能です。
タイプD「気がつくといつも月末にお金が足りなくなる」
食費や雑費にかかる予算を、これまでの支出額よりも少し少なめに設置。さらに工夫と手間で節約しながら、徐々に予算削減をしましょう。
タイプE「ケチケチした節約はしたくない」
やりくりにはメリハリが大切。絶対に削れないところから決めましょう。例えば、旅行好きな方なら、海外旅行を目標にするなど、自分の優先順員から予算を確保するなどしましょう。
「家計の見える化」について見てきましたが、いかがでしたか?
具体的な数字がわかって、それをもとに予算の割り振りをできると、バランスの取れた予算になりそうですね。
まとめ
- 家計は4つの大まかな流れで見ていく
- 具体的に10項目に分けて収支バランスを見る
- お金の優先順位を考える
- 悩みタイプ別設定ポイントで、自分のタイプはどうか考える
【取材協力・監修】
和田由貴(わだゆうき)
節約アドバイザー、消費生活アドバイザー、家電製品アドバイザー、食生活アドバイザーなど、暮らしや家事の専門家として多方面で活動。2007年環境大臣より「3R推進マイスター」委嘱。著書に『和田由貴のシンプル節約術』(あさ出版)ほか。2子の母で現役の節約主婦。