厚生労働省が定めている1日当たりの野菜摂取量は350gですが、これを達成している世代はなく、特に20代の女性は、全世代の女性の中でも1日の野菜の摂取量が最も少なく、野菜不足が懸念となっています。
大学生は食費を節約するためにお弁当を作り、栄養よりもコスパ・タイパ重視
null『サーモス』が昨年実施した、全国の女子大学生333名を対象にした「大学生のお弁当に関する調査」でも、物価上昇の影響から「食費を抑えたい」と答えた大学生が89%に上りました。大学生が手作り弁当を食べる理由として、最も多かった回答は「食費の節約のため」が76%と、他の理由を大きく引き離してトップに。
お弁当を手作りする上で重視するポイントは、「コスパ」が63%、「味」が47%、「タイパ」が41%と、コスパやタイパを意識する人が多く、「栄養・栄養バランス」は22%と低くなっています。
また、お弁当を食べるときにスープ(汁もの)を食べていない人のうち、59%は「スープを食べたい」と回答。スープを食べたいのに食べられていない理由として、「持ち運びでスープがこぼれないか不安」、「適したサイズの容器がない」、「温かいスープ(汁もの)を食べたいが、温める環境がない」などが挙げられました。

女子栄養大学の学生がスープジャーを活用したレシピを開発
null『サーモス』では調査の結果を受けて、女子栄養大学 上西一弘教授(栄養生理学研究室)のゼミ生の協力を得て「真空断熱スープジャー」を活用した、コスパが良く栄養を丸ごと摂れる「スープジャーレシピ」を開発しました。


特に若い女性は代謝が低く、低体温の人も多いことから、温かいスープの摂取がお勧めだと上西教授は言います。
「温かいスープは、お腹全体、特に胃腸を温めることで消化吸収を促進し、野菜の栄養分も無駄なく摂取できるメリットがあります。
野菜に含まれているビタミンやミネラルは水に溶けやすいので、ゆでるとゆで汁の方に出てしまうのですが、スープジャーの中に入れて保温調理をすれば、ビタミンやミネラルも無駄なく摂ることができます。
水分補給としても温かいスープは重要で、冬場は非常に乾燥しているため脱水が起こりやすいので、食事から水分を摂るという面のメリットも非常に大きいと思います」(上西教授)
今回の取り組みでは、外出先でも温かいスープが食べられる「真空断熱スープジャー」を活用した、お金をかけずにしっかりと栄養が摂れるレシピということで、旬あるいはその時々に安く手に入る野菜を使う、保温調理を活用することで栄養素を丸ごと摂取できる食材を使うという条件で、学生たちにレシピづくりを依頼。
学生たちから66のレシピが提案され、コスパよく手軽に栄養が摂取できる2レシピが採用されました。


「サンドイッチなどを合わせることで、お腹も満足できるスープ」と話す考案者の木村さん。
「タイパが実現!かぼちゃとブロッコリーのクリームパスタ」を考案したのは、女子栄養大学 栄養学部 栄養生理学研究室 4年生 木村彩乃さん。
「このレシピのおすすめポイントは、材料は電子レンジで温めるだけで、忙しい朝も簡単に調理ができるという点です。冷凍野菜を使用することで野菜を切る手間を省くことができ、保温調理を活用することで、パスタはゆでずにスープジャーを入れるだけなのでタイパも実現しました。
クリームパスタは寒い冬でも体が温まり、効率よく栄養を摂取することができます。牛乳を使用しているので不足しがちなカルシウムもしっかりと摂取することができます」(木村さん)
【タイパが実現!かぼちゃとブロッコリーのクリームパスタ】
材料を電子レンジで温めてスープジャーに入れるだけで、忙しい朝でも簡単に準備ができます。さらにペンネは保温調理することで、ゆでずに完成するのもポイント。栄養価はエネルギー344kcal、野菜使用量110g、たんぱく質12.3g。

かぼちゃとブロッコリーのクリームパスタ
【材料】(0.4Lサイズ使用)
- ペンネ・・・・・・・・・・30g
- ハーフベーコン・・・・・・2枚
- 冷凍かぼちゃ・・・・・・・3個(80g)
- 冷凍ブロッコリー・・・・・2個(30g)
- コンソメ・・・・・・・・・小さじ1/4
- 塩・・・・・・・・・・・・ひとつまみ
- オリーブオイル・・・・・・小さじ1
- 水・・・・・・・・・・・・50cc
- 牛乳・・・・・・・・・・・150cc
<下準備>
スープジャーに熱湯を入れ、フタをせずに5分以上保温する。
【作り方】
- ベーコンを1cm幅に切る。
- ペンネ以外の材料を耐熱容器に入れて電子レンジ(500W)で5分加熱する
- スープジャーにペンネを入れ、(2)で加熱したスープを入れる。
- 保温調理で、3~4時間経過すると完成。
※パスタはショートサイズがおすすめ。長いパスタの場合はジャーに入る大きさに折って入れる。早ゆでパスタは柔らかくなりすぎるので避けた方がよい。
【野菜の摂取を全力応援!旨辛麻辣湯風スープ】
今話題の麻辣湯(マーラータン)風のスープジャーレシピ。保温調理を活用することで、春雨はゆでずに入れるだけで完成。好みの食材や、冷蔵庫に余っている食材でアレンジも可能です。野菜をたっぷり使用しているため、1食で豊富な栄養を摂ることができます。おにぎりを合わせることでお腹も満足。栄養価はエネルギー242kcal、野菜使用量165g、たんぱく質10.5g。

旨辛麻辣湯風スープ
【材料】(0.4Lサイズ使用)
- 春雨・・・・・・・・・・15g
- 小松菜・・・・・・・・・40g
- 白菜・・・・・・・・・・80g
- 冷凍エビ・・・・・・・・1尾(15g)
- 豚バラ・・・・・・・・・20g
- もやし・・・・・・・・・30g
- にんじん・・・・・・・・15g
- 水・・・・・・・・・・・80ml
- 牛乳・・・・・・・・・・100ml
- 豆板醤・・・・・・・・・2g
- 顆粒和風だし・・・・・・3g(小さじ1)
- おろしにんにく・・・・・5g
- ラー油・・・・・・・・・お好みで
<下準備>
スープジャーに熱湯を入れ、フタをせずに5分以上保温する。
【作り方】
- 白菜、豚バラを5cm幅のざく切りに、にんじんを厚さ2mm程度の輪切りに切る。
- (1)で切った食材を耐熱ボウルに入れ、電子レンジ(500W)で1分加熱する。
- 鍋に水、牛乳、豆板醤、顆粒和風だしを入れて中火で火にかける。
- 電子レンジで加熱した白菜、豚バラ、もやし、にんじんを鍋に入れる。
- 鍋の具材が軟らかくなったら小松菜、冷凍エビ、おろしにんにくを入れて1分程煮込む。
- スープジャーに春雨を入れ、(5)のスープを入れる。
- 保温調理で、3~4時間経過すると完成。
※辛い方が好みの場合、豆板醤やラー油の量でアレンジすることも可能。
温かいまま持ち歩ける「真空断熱スープジャー」を使った保温調理
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サーモスのスープジャーはサイズや食洗機対応など様々なタイプがあります。
『サーモス』の「真空断熱スープジャー」は、ステンレス製魔法びん構造による高い保温・保冷力が特長。電子レンジが無くてもスープを温かいまま持ち運ぶことができ、スープジャーによる保温調理を活用することで手軽においしく食べられます。
保温調理とは、具材をさっと煮てスープジャーに入れるだけで保温しながら具材に熱を通す調理方法。お肉は柔らかくジューシーになり、かたい野菜も柔らかく調理できます。また、煮る時間を短縮することができるのでガス代や電気代の節約にも。
保温調理のポイントは調理前の予熱。保温効果が高まるので必ず行うようにしましょう。また、野菜など具材が大きすぎると熱が通りにくくなるため、小さめ、もしくは薄く切るのがコツです。
生もの(生卵、生肉、生魚介類)は腐敗しやすいので、具材に使うのはNG。ドライアイスや炭酸飲料も不可です。スープジャーの中の飲食物は6時間以内をめどに一度に食べ切りましょう。
コスパ、タイパを実現するスープジャーの保温調理は、忙しい朝のお弁当作りにも役立ちます。今回は学生の食生活をサポートするレシピでしたが、サーモスが昨年2月に実施した働く女性を対象にした調査でも約6割が「ランチでスープを飲みたい」と回答しており、社会人のお弁当としても活用できそうですね。
サーモス「スープジャーレシピ」 https://www.thermos.jp/recipe/foodcontainer/
取材・文/阿部純子