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お宅のカレー、「子ども用」と「大人用」は分けて作ってます?子育て世帯のカレー事情【#10】

旅エッセイストの国井律子です。今回の連載「無駄のない暮らし」は自宅で作る「カレー」について。

カレーって、たぶん一番はじめに作れるようになる「ちゃんとした料理」だと思うんです。具材を切る、炒める、煮る。宿泊移動教室などで作ったよって方も多いのではないでしょうか。年齢を重ねるごとにおのおのの味が確立、家庭ごとに全然違う料理になるという、めちゃくちゃ興味深いメニューだと思います。

しかしながら、辛さの好みはヒトによってまちまち。とくに小さいお子さんがいるご家庭では、スパイシーになりすぎないように気を使うと思います。先日、友人たちと集う機会がありまして、「カレー作り、子ども用と大人用と分ける?」をインタビューしてみたところ、いろんな意見がありおもしろかった。今回はそんなお話を。

7人に聞いた「家庭のカレー」

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スパイスの利いた本格カレー。
パクチーのせもおいしい。

私の友人なので年齢は40代くらいで、グルメ好き・お酒好きな方々ばかりの7人ですが以下を質問してみました。

(1)大人と子ども辛さは分ける?
(2)具材は?

「辛さは分けない」という友人の回答からご覧ください。

「(1)4歳まで子どもと分けていて、5歳からは大人の甘口で作ってます。夫が本格派カレーに凝っていてたまに作るけど、その場合は味見させてOKなら食べるという感じ。
(2)玉ねぎ、じゃがいも、にんじん、豚肉」(48歳/子・7歳)

「大人の甘口」があるって知らなかったです!

「(1)甘口で全部作る。大人は辛いスパイス(八幡屋礒五郎の七味ガラム・マサラ)を後から振りかける。
(2)シーフードカレーを作ることが多くて、玉ねぎ、シーフードミックス、ほうれん草を入れます。トマトはすりおろして隠し味。牛乳嫌いの次女のために牛乳も入れます。ミルキーな仕上がり(40歳/子・7歳と4歳」

私も八幡屋礒五郎シリーズの七味は大好きでほぼ全種類使っています。ガラム・マサラは振りかけた瞬間、一瞬でインド方面連れて行かれるんですよね。ほうれん草、トマト、牛乳のカレー、なんだか美味しそう。

「(1)小さい時は分けていた。8歳くらいまで? 途中から面倒になって甘口を大人が我慢して食べて、最近は中辛と甘口を混ぜてる!
(2)じゃがいも、にんじん、たまねぎ、豚肉、たまにシメジ(44歳/子・10歳)」

「面倒になって」、「我慢して」、「混ぜてる!」。文面で見たらエラいことですが、ひとりの人間が大人になるって尊いことだとふっと思いました(笑)。

「(1)分けていたが、小1のときにバーモントカレー甘口で大人と折り合いがつくようになり、小3のときに子どもがジャワカレー辛口に追いついた。
(2)トマト缶は必須。そこにニンジン・タマネギ・ジャガイモをベース野菜として、そのときの余り野菜を投入。ブロッコリーの芯は入れがち。肉は基本的に鶏肉(55歳/子・9歳)」

じつはこのコメント、料理上手な国井兄です。あとで私のカレーも紹介しますが、トマト缶と鶏肉を使うのは同じ。ちなみに私たちの母はビーフだった? いや、ポーク? あまり覚えていません(笑)。アニと私は何年間か一緒に暮らしていたこともあり、私の料理は母よりもアニからの方が継承されているなとカレーの回答を読んでいたら思いました。

前の晩のメニューがポトフだった際、翌朝はカレーになることが多いわが家です。
ひき肉を炒めた「キーマカレー」。一時期好きでよく作っていました。

お次、「辛さは分ける」と回答した友人のコメントです。

「(1)我が家は途中まで一緒、最後のスパイス投入時に大人用、子ども用に分けて2種類作るよ~。
(2)その日の皆の気分と冷蔵庫の野菜で決めるかなぁ。じゃがいも、人参、玉ねぎを軸に、ブロッコリーの芯やマッシュルーム、カボチャやほうれん草など。肉も皆のリクエストでビーフ(薄切りか角か)、ポーク、骨付きチキンか(53歳/子・12歳)」

彼女は一時期ダンナ様の仕事で南インドに住んでいました。料理上手な友人はあっという間にスパイスを使った本格カレーをマスター。お店のような味わいに驚いた覚えが。本場仕込みはルウは使わずやはりスパイス派なんですね。

「(1)分けてる! カレーに甘さはいらないよね(笑)。
(2)子どもは鶏か豚とにんじん、玉ねぎ。子ども用は多めに作って冷凍してる! 大人用は辛めで、牛肉、玉ねぎのみ。もしくは牛すじカレーか、ひき肉、茄子、トマトの無水カレー(49歳/5歳と3歳)」

私もカレーに甘さは要らないひとりです。彼女が作る大人用のカレー、とてもおいしそうですね。食べてみたい。

「(1)同じ鍋で途中まで作ってルーを直前で分けてます。
(2)具材のお肉は牛肉ブロック一択! 夫も私も実家のカレーが牛肉ブロックで、お互いずっとそれを食べて育ったので(36歳/子・5歳と2歳)」

西は牛、東は豚みたいな感じで地方によって入れる肉は違うのかなと思いましたが(わが家は鶏ですけどね)、こちらの友人夫婦はふたりともご実家が東京です。皆さんの地方のカレーのお肉はなんですか? 金沢出身のうちの夫にたずねてみたら「覚えてない……」だそうです(笑)。

国井の家のカレーは「分けます!」

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つい先日作ったカレーの具材です。
鶏肉にはキツ目に塩胡椒しています。
あめ色になるまで玉ねぎを加熱します。

わが家の場合は絶対に「分けます」。

ということで、子どもと同じ甘口カレーを食べる派は4人、辛さを分ける派は私を入れて4人。きれいに二分化したのでした。皆さんのおうちはどうですか?

私の場合ですが、辛い物大好きな「万年ダイエッター」なので、一食を大事にしたい! 好きなものだけ食べたい!! です。だから「面倒くさがり屋と言えば私」なくらい大変なモノグサですが、こと食べ物に関しては手間ひまはあまり惜しまないかもしれません。

とはいえカレーは炒め物のようなスピードメニューとは違い、じっくりゆっくり作る「煮込み料理」です。効率重視な私ですが2つに分ける作業が苦にならないのは、このあたりにあるのかなと思います。

先日、私主宰のイベントにいらっしゃった皆さんに振る舞ったチキンカレー。10人前くらい作りました。

【材料】

  • 鶏もも ×3
  • 玉ねぎ小 ×4
  • じゃがいも ×7
  • にんじん ×2
  • セロリ ×1(葉っぱも使う)
  • にんにく ×1~2
  • 生姜すり下ろし(まとめて冷凍保存してある)×2キューブ
  • トマト缶 ×1
  • 子どもカレールウ ×4キューブ
  • 大人カレールウ ×2種類計6キューブ
  • 塩胡椒、クミン少々、白ワイン 50cc~
  • ローリエ ×2枚
  • コンソメキューブ
  • 手作りヨーグルト ×お玉に1杯くらい

カレールウはいつも2種類混ぜています。メーカーの味にかたよらず、おいしい気がするので。ハンパに残ったルウは次回使うために冷凍保存して回しています。

大量のカレーを作るとき重宝する「SOTO」の10インチダッチオーブン。
クミンをキツめに、白ワインどぼどぼ。香りがよくなります。
具材に脂を回して型くずれ予防。具のゴロゴロ感を大事にしたいので。

わが家がカレーとか煮込みとかに使う鍋ですが、アウトドア用で有名な「SOTO」のステンレス製ダッチオーブンを愛用しています。たとえば玉ねぎをあめ色になるまで加熱する際、重たいフタをして弱火でほったらかし。鍋底などにまったくこびりつかなくて、初めて使用したときは感動したものです。

10インチと大きめなので大人数のおでんなどでも重宝していますよ。ちなみに1人用鍋が6インチ、2人は8インチが目安と言われています。

隠し味は何入れる?

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隠し味その1「トマト缶」。
隠し味その2「手作りヨーグルト」。

基本のカレーからどんどんアレンジして、その人の味が完成されます。入れる具材や隠し味も、家庭によりいろいろでおもしろいですね。ちなみに私はバター、ケチャップ、ソースなどは入れないかなー。また、カレーのために具材を購入することもほぼなくて、冷蔵庫の残り野菜で、大掃除も兼ねて作っていますね。

大人用と子ども用を分けるタイミング

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このまま食べると「チキンポトフ」です。
ルウを辛口と甘口に分けてヨーグルト投入。

だいぶ煮込みが進んだタイミングで子ども用を分けます。小鍋にちょいと移し入れるだけなので特段「手間」とは思わないかな。それよりも辛いカレーが食べたい気持ちが勝つ(笑)。で、おのおのの辛さのルウを入れます。その際、お玉がごっちゃにならないよう気をつけています。辛みが苦手で敏感な次男に文句を言われたくないので。

こだわりトッピング

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わが家のお米は「16穀米」です。
カレーに「ゆで卵」はマスト。
食べ進めながらこのあたりの調味料で「味変」しています。

16穀米は、単に白米を食べるよりも栄養価が高いかな、という万年ダイエッターの願いを込めてです。でも仕上がりは紫色でキレイですよ。トッピン具には、ゆで卵必須! らっきょの輪切りも好きですね。そうそう、福神漬けよりらっきょ派です。あとレモンをキュッと絞ると辛みが増してサッパリ。個人的に好みです。

食べ進めるにつれてちょっと「味変」したいときオススメなのは、関西方面では有名な「オリバー」の「どろソース」。辛い物好きには「辛さ5倍」が最高です。辛みが前面にブワッと現れます。関東方面でもいくつかのスーパーで取り扱っているようですが、確実に手に入れたいならネット通販で。送料が本体と同じくらいかかりますが、わざわざ買いに行くより安く済むと気持ちを着地させています。カレー以外にもお好み焼きや焼きそば、牡蠣フライなどフライ系にかけて食べると美味しいですよ。

あと「粉チーズ」はまろやかな味わいに。子どもたちのお気に入り。先ほどちょろっと話に出てきた「八幡屋礒五郎」の「ガラム・マサラ七味」を振りかければインドの風が吹き、カレーうどんには「一味」がやっぱりテッパンです。

私主宰のイベントにはこちらをクーラーボックスに詰め、ママチャリで会場へと慎重に運びました(笑)。
カレーが残った翌日は水でのばして麺つゆを少々、「カレーうどん」にリメイク。
レンジ環境があれば弁当にもカレー、入れちゃいます。

毎週出しても喜ばれるカレー。家族みんなが大好きなメニューです。どんな具材でも美味しくいただけて、米以外にもうどんや蕎麦にかけたり、パンに挟んだり!? いかようにも変身可能。暖かな風が吹き寒さがゆるんできたこのごろ、スーパーには春の食材が続々並びはじめましたね。来週はどんなカレーを作りましょうか。菜の花と豚肉のカレーも大好きです。

国井律子
国井律子

1975年東京生まれ。大学卒業後ラジオレポーターなどを経て二輪雑誌でエッセイスト・デビュー。現在は、オートバイのほか、旅、クルマ(キャンピングカー所有)、自転車、サーフィン(ショートもロングも)、スノーボード、ファミリートレッキングなど多趣味をいかしたエッセイを執筆中。旅が好きなのと同時に、おうちも大好き。家での一番の趣味は収納(整理収納アドバイザー1級資格取得)。いかにラクするか考えること、「時短」という言葉も大好き。嫌いな言葉は「二度手間」。インテリア、ネットショッピング、お取り寄せグルメ・酒、手抜きおつまみ作りに熱心。「痩せたい」というのが口癖。直近は苦手な掃除をがんばっている。飼い犬はボストンテリア。ふたりの男児の母でもある。

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https://www.instagram.com/ritsuko_kunii/

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