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妻が手抜き料理ばかり…3歳の息子の食生活が心配です【平野レミの痛快!人生相談#4】

悩み多き人生に楽観と笑顔を! 料理愛好家で人生のエキスパート・平野レミさんが、あなたの「困った」「辛い」「どうしたらいいの?」に痛快&実用的アドバイスでお答えします。みなさんのお悩みも募集中です(詳細は文末参照)。

「妻が料理を手抜きしてばかり。3歳の息子の偏食が心配です。注意したら、ふてくされてとんでもない展開に……」(東京都在住Nさん/40歳・洋食店経営)

こぢんまりとした洋食の店を経営しています。妻(39歳・専業主婦)と3歳の息子と3人暮らしで、妻は料理はするんですが、どう見ても手抜き。総菜で済ませることも多いです。「子どもの成長によくないのでは?」と注意したらふてくされ、「じゃああなたの店で食べさせて」と、夕食時に店に連れてくるようになり、それが1週間ほど続いています。どうしても肉料理中心になるし、味が濃いものも多く、このままでは息子は偏食になってしまうんじゃないかと心配です。私はどう動くべきでしょうか。レミさん、助けてください!

「奥さんを説得するよりも、“おやじの味”を極めることを考えてみない?」

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極論になっちゃうけれども、息子ちゃんが元気で、楽しそうに暮らしているなら、それでOK!というのが大前提。ただ、「3歳までの食生活は、その一生の味覚を左右する」と言われていて、息子ちゃんの健康管理の視点からも、味覚もちゃんと育てておきたいよね。

とはいえ、文面から察するに、その指導役を奥さんだけに期待するのは難しい気がします。もしNさんが、本気で息子ちゃんの食習慣を変えたいと願うなら、奥さんを変えるんじゃなくて、プロの料理人であるNさんが指揮を執って軌道修正すべきじゃないかしら。

「子育ては共同作業。家事も、できる人ができることをやればいいと思うの」

家族の最小単位は「夫婦」であって、ふたりの共同作業で生まれた子どもの成長も、当然ですけど共同責任。とくに、命と味覚形成にかかわる食生活は、いちばん大事にしなきゃいけない親のお仕事なんです。

家族で囲む食卓の料理が“家庭の味”となって息子ちゃんへと受け継がれ、彼は味の分かる男に育っていくわけよね。これは「おふくろの味」と言われているけれど、今の時代、それが「おやじの味」であっても全然かまわないし、すごくカッコいい!と思います。

私も「おやじの味」で育ちました。平野家伝来の料理に「秘伝・牛トマ」(※)っていうのがあるんだけど、これはアメリカ人の祖父のレシピで、父に受け継がれて私へ、そしてお嫁ちゃんたちへ……と、家族の絆を紡いできた100年レシピ。家庭の味に歴史あり、なのよね。だから、プロの料理人であるNさんにもぜひ、その愛情たっぷりのおやじの料理を息子ちゃんに伝授してあげてほしいなと私は思うのです。

「まずは、奥さんと一緒に台所に立つところから始めてみては?」

お店を切り盛りしながらで大変だとは思うけど、たとえば、朝ご飯はお父さんが担当する、ってところから始めてみるのはどうかしら。息子ちゃんだけでなく、奥さんの味覚のためにもなると思う。

奥さんと一緒に台所に立って、炊きたてのご飯とおだしを引いたみそ汁を用意する。お米はね、体のエネルギー源になる77%の炭水化物と7%のたんぱく質、それとビタミン類、ミネラル、食物繊維が含まれた栄養の宝庫なの。ただ、たんぱく質がちょっと足りないから、納豆とか卵で補充してあげる。

これに豆腐とわかめ、あるいは残り野菜のシンプルなみそ汁を添えたら完璧。つやつやしたご飯の甘み、おだしをちゃんと引いたおみそ汁の香りと味わい……ここからジワジワと、自然な味を楽しめるように舌を再教育していったらどお?

できれば夕食も、お店で仕込みをするときに、肉と魚を日替わり+野菜多めで取り分けておき、素材の味を生かす薄味のピラフやミートボールのような手のかからない料理を作って、それを奥さんがテイクアウトするとかね。それで、ご飯やパスタなどの主食とスープ、サラダなどの副菜は奥さんが用意することを前提に役割を分担するの。ただし、奥さんへのダメ出しは厳禁! 共感とほめ言葉に徹しましょう。

さすがに、料理のプロが家族のためにここまでやってくれたら、奥さんも考えて台所に立つようになって、料理を楽しめるようになるかも……と、期待を込めてエールを送ります。

頑張って、お父さん!

*「秘伝・牛トマ」の作り方は、レミさんのHPに掲載されています。ほかにもレシピ満載。https://remy.jp/recipe/でチェックしてみてください。

 

構成・文/神史子 イラスト/やまなかゆうこ

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平野レミ
平野レミ

料理愛好家・シャンソン歌手。1972年にイラストレーターの和田誠さんと結婚後、主婦として家庭料理を作り続けた経験を生かし、「料理愛好家」として活躍。数々のアイディア料理を発信中。また、「レミパン」やエプロン、調味料などの開発も手がける。エッセイ『おいしい子育て』(ポプラ社)は、第9回 料理レシピ本大賞のエッセイ賞を受賞。近著『エプロン手帖』(ポプラ社)『平野レミのオールスターレシピ』(主婦の友社)も好評発売中。https://remy.jp/

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