食欲を刺激する酸味や薬味を上手に活用
nullこんにちは。栄養士の道添明子です。料理家「あーぴん」として、時短簡単・美味しい・お洒落な“みんなが笑顔になれる幸せごはん”の料理教室を主宰、簡単レシピを毎日SNSで発信しています。
さて今回は「梅雨を元気乗り切るご飯」がテーマ。爽やかな5月が過ぎると各地で梅雨入りが発表されますね。しとしと降る雨は稲などの農作物には恵みの雨ですが、ジメジメした気候から食欲がなくなったりしますし、食中毒にも気をつけないといけません。
というわけで今回は、梅雨のジメジメを吹き飛ばそう!ということで、お酢、大葉、梅などと活用したさっぱりしているけれど栄養のある3品献立をご紹介します。夏の定番「枝豆」の簡単調理方法も必見ですよ。
夏野菜とアジの南蛮漬け
null旬のアジとたっぷりの野菜の、酸味のきいた南蛮漬けを揚げ焼きで簡単に。クエン酸には食欲増進効果もあるので、さっぱりとおいしくいただけます。作り置きにもむくおかずです。アジのほか、イワシ、サバや鮭などで作っても。
【材料】(4人分)
・アジ(3枚におろしたもの) 3尾分6枚(300g)
・片栗粉 大さじ3
・玉ねぎ 1個
・ピーマン 2個(80g)
・赤・黄色パプリカ 各1/2個
・サラダ油 適量(フライパンに0.5cmの深さ)
<アジ下味>
・酒・しょうゆ 各大さじ1
・おろし生姜 小さじ2
<漬け汁>
・酢・水または出汁 各大さじ3
・しょうゆ・みりん 各大さじ2
・砂糖 大さじ1
・赤唐辛子 1本(タネを取る)
【下準備】
・アジは一口大に切り、<アジ下味>の調味料で下味をつける。
・玉ねぎは薄切り、ピーマン、パプリカはせん切りにする。
【作り方】
(1)耐熱容器に<漬け汁>の調味料を入れて、ラップをせずに電子レンジ(600W)で50秒加熱する。漬け汁に玉ねぎ、ピーマン、パプリカを入れる。
(2)アジの汁気をペーパーで拭いて、片栗粉をまぶす(ポリ袋に入れてまぶしてもOK)。フライパンにサラダ油を中温(170℃)に熱し、アジを皮の面から入れてこんがり揚げ焼きする。
(3)(1)の野菜の上に、(2)を熱いうちに漬ける。
大葉たっぷり梅としらすの混ぜご飯
null混ぜるだけで、5分で作れるさっぱりご飯です。梅干し、大葉には殺菌効果があり、傷みにくいのでお弁当にもぴったりです。
今回は全てあとから混ぜていますが、梅干しを入れて炊き、しらすと大葉を混ぜると、梅の味がご飯にしみこんで違ったおいしさに。しらす干しの代わりにちりめんじゃこを使っても作れます。
【材料】(4 人分)
・ご飯 500g(約2合分)
・梅干し 2個(種を取る)
・しらす干し 50g
・大葉 5枚(せん切り)
・白いりごま 大さじ1
【作り方】
ボウルにご飯、梅干し、しらす干し、大葉(飾り用を残して)、白いりごまを入れてさっくりと混ぜる。器に盛り、大葉を飾る。
保存版!うま味が濃い「茹でない枝豆」
null父の日のおつまみにもぴったり。これから夏に大活躍する「茹でない枝豆」です。枝豆を茹でるときはたっぷりのお湯を沸かすのが定番ですが、このレシピはフライパンで大さじ2のお水で蒸すだけ。油を少し入れると枝豆の旨みを閉じ込め、鮮やかな緑をキープできます。
新鮮な枝豆は産毛がたくさん付いていますが、塩で揉むことで産毛を除くことができ、色良く仕上がります(「塩磨き」と呼ばれます)。
【材料】(4人分)
・枝豆 1袋(250g)
・塩 小さじ1
・水 大さじ2
・サラダ油 数滴
・塩 ひとつまみ
【作り方】
(1)枝豆はサヤの両端をハサミで切る。
(2)枝豆に塩をまぶしてよく揉んで、産毛を取り除き、洗い流す。
(3)フライパンに枝豆、水、サラダ油、塩を入れて蓋をし、1〜2分蒸し焼きにする。
(4)器に盛り、足りなければ塩をお好みでかける。
【献立のヒント】6月の季節の食材
null春野菜からきゅうり、なす、トマト、オクラ、ズッキーニなど夏野菜に移行します。梅やラッキョウなどもこの時期しか出回らない食材。梅干し、梅シロップ、ラッキョウ漬けなど季節の手仕事に挑戦してみるのもいいですね。
魚介類では、鮎が解禁になり、夏までが旬。塩焼きや天ぷらでいただきます。アジ、カンパチ、スルメイカなどもシーズンです。今回は南蛮漬けにアジを使用しましたが、青魚はたんぱく質はもちろん、DHA、EPAなどの身体に良い脂肪酸も豊富な健康食材です。
【梅雨時のお弁当はここに気を付けて!】
これからの時期は湿度も気温も高いため細菌が発生しやすくなります。食中毒を防ぐために、特にお弁当を作る際には以下の点に注意しましょう。
- ご飯は必ず冷ましてから! 温かいまま詰めると蓋に水蒸気がつき、この水分が傷みの原因となります。おかずも同様です。
- 食材を詰める前に、お弁当箱の内側は食品用アルコールや酢をキッチンペーパーにしみこませたもので拭いておきましょう。
- おかずは他のものと混ざらないようにカップなどで仕切り、汁気の出るものは避けましょう。
食中毒や熱中症が増える時期。冷蔵庫に入れておけば大丈夫と過信したり、身体が暑さに慣れなかったりで、体調を崩しやすくなります。おいしい食事で梅雨を乗り切って、元気に夏を迎えたいですね。
栄養士、料理家。
日本女子大学食物学科卒業。大手食品会社にて新製品の企画開発などに携わる。その後企業向けの料理レシピ開発、シルバー大学や料理教室講師、企業の健康栄養セミナーなどで幅広く活躍。
「健康な体は毎日の食生活から」をモットーに、初心者でも作りやすいよう調理法を工夫し、素材を生かしたメニューを得意とする。各種SNSで日々レシピ情報を更新中。
https://lit.link/apinakikomichizoe
新刊『旬と野菜を愉しむあーぴんの絶品おかず』(宝島社)2023年9月13日発売!