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スーパーで手に入る3つの食材さえあればOK!自家製味噌を作ってみよう

子どもが生まれて、より気にするようになったのが、日々食べるもの。中でも調味料や加工食品などのパッケージフードを買う際は、材料一覧と睨めっこすることも増えました。

信頼のおける商品を探すのも楽しいけれど、自分で作ったら、何が入っているか全部わかるのでは? そんな当たり前にふと気がついて、毎日に欠かせない“味噌”を自家製してみました。

自家製するために必要なもの

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今回、頼りにしたのが、国産素材中心の食材や生活用品を届けてくれる『生活クラブ』の材料とレシピです。『生活クラブ』とは、娘が生まれた時からのお付き合い。

ここからは、長年、自家製味噌を楽しむ職員の曽谷さんにアドバイスをいただきながら、実際に作った様子をレポートします。

材料は国産で揃えました

『生活クラブ』のレシピ通りに購入したのがこちら。大豆は十勝産です。

「市販品の味噌を見ると、海外産の遺伝子組み換え大豆を使っているものもあります。せっかく自家製するなら、国産の材料を選んでみるのもいいですね」(以下「」内、曽谷さん)

記者が揃えた材料。スーパーなど身近なところで、季節を問わず手に入るものばかり。

<材料>

  • 大豆 300g
  • 塩  20g
    • (A)
  • 米麹 300g
  • 塩 130g
  • 味噌 60g

ちなみに、今回のレシピで加えた味噌は、発酵を促すために入れる“種味噌”というものですが、入れなくても出来るそうです。

「使わなければ発酵はゆっくりになりますが、大豆、塩、米麹の3つさえあれば出来ますよ。

種味噌を入れる場合は、ちゃんと発酵しているものを選びます。スーパーなどに並ぶ味噌は、熱処理して発酵を止めているものが多いです。“生味噌”と書いてあっても加熱処理をしている場合もあるので、“加熱処理をしていません”という表記があるか確認するとよいでしょう」

保存容器は“ほどよく密閉できれば何でもよし”

味噌の保存容器といえば、瓶、プラスチック素材の容器、ホーローなど、いろいろなものが候補にあがり、何を使うか悩みました。結局、インターネットで調べた口コミを頼って、ダイソーの密閉できる大容量コンテナに。

『ダイソー』で購入した、5.5リットル入る『メガフードコンテナー(抗菌)』210円(税込)

<道具>

  • 保存容器
  • ボウル 2個
  • おたま
  • ビニール袋

曽谷さん、保存容器はどのようなものを選ぶのが正解ですか?

保存容器は、ほどよく密閉できれば何でもよいです。一つに仕込まなくても、最初から小さいものを複数用意して入れてもかまわないですし、食品用ビニール袋に平らにして入れてもかまいません。発酵を緩やかにするために、ある程度出来あがった後は冷蔵庫に入れるので、その場所を考えて用意したらよいと思いますよ。

味噌は仕込んでいる何カ月かは食べられません。また、食べ始めたら、食べる分だけ別の容器に移すので、2つ容器が必要になります。ですので最初からあまり高価なものを購入せず、楽しい、またやりたいと感じたら、瓶など本格的なものを購入してみては?」

「何でもよい」とはいえ、しっかり行いたいのがアルコール消毒です。手も保存容器も、食品にも使えるアルコールを使用して消毒。カビの原因となる余計な菌が入らないようにします。

レシピに沿って作ってみました

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今回、参考にしたレシピもご紹介します。この通りにやってみる中で、私が悩んだポイントも伺いました。

水に浸したばかりの大豆。

<作り方>

(1)大豆はボウルに入れ、1リットル以上の水に一晩つけてもどす。

(2)ザルにあげて水気をきり、鍋に入れる。かぶるくらいの水を加えて火にかけ、泡が出てきたらいったんザルにあげる。

落とし蓋はアルミホイルを使用。

(3)(2)を鍋に戻し、かぶるくらいの水を加えて火にかける。沸騰したら落としぶたをし、弱めの中火で5時間ほど、アクを除きながら煮る。途中、大豆が水面から出たら水を足す。指で簡単につぶせるほどやわらかくなったら火を止める。

(4)茹で汁を2カップ分取り分け、ザルにあげる。

ここから娘に手伝ってもらった。

(5)大豆は熱いうちに、マッシャーなどで形がなくなるまでつぶす。

塩と米麹を混ぜているところ。

(6)別のボウルに材料(A)を入れ、手でこすり合わせるようにして混ぜ、味噌を加えてさらに混ぜる。

(7)(6)に(5)を加え、手でこねる。かたくて混ざりにくい場合は、(4)のゆで汁を大さじ1ずつ加えながらこね、耳たぶくらいのやわらかさになったら野球ボールほどの大きさに分けて丸める。

大きさは大体同じくらいなら大丈夫(ならすので)。

(8)消毒した保存容器に(7)を並べ入れ、容器との間に空気が入らないように手のひらで押す。

ならした上に、残りの塩60gをふる。

(9)表面を平らにならす。残りの塩をふり、表面に密着させるようにラップで覆う。

重しは均一に負荷のかかるものがよいそう。

(10)食品用ポリ袋に塩などを入れたものを重しとしてのせ、ふたをして直射日光の当たらない涼しい所で常温保存する。

(1111.5カ月おきに重しとラップをはずし、重しのまわりに水分がたまっていたらスプーンなどですくい取る。容器の汚れたところは、食品用アルコールを染み込ませたふきんで拭き、新しいラップで表面に密着させるように覆い、重しをのせる。これを繰り返し、半年ほど熟成させたら味見をする。好みの味になったら冷蔵庫で保存する。

こういう場合は?味噌作りのギモンQ&A

大豆を戻す時間の“一晩”は、具体的に何時間?

水に浸してすぐの大豆。皮にシワが入った。

「季節によって室温が違うので、あくまで目安ですが、8時間前後でしょうか。また、夜につける必要はなく、茹で始める時間の前に逆算して浸け始めればよいですよ。

大豆が古いとなかなか水が入らず、また大豆の種類でも戻り具合が違います。割ってみて、まだ戻りそうかどうかチェックしてみてください。

もし、味噌作りをしようと思ったものの急用が出来てしまった時などは、ボウルに大豆を浸したまま、冷蔵庫に入れておけば大丈夫。冷蔵庫に入れておけば時間は止まります」

大豆を戻す時間を短縮する方法はありますか?

左がふやかした大豆、右が戻す前の大豆。

「大豆は、お湯を入れて戻すことも可能です。また、鍋に入れた大豆にお湯を入れ、そのまま煮ていってもよいです。ただ、浸す時間は短くなりますが、その間の光熱費がかかります。光熱費削減もあり、水に浸すだけです」

大豆を茹でる鍋は、大豆に対してどれぐらいの大きさが最適ですか?何度も吹きこぼれてしまいました。

大豆を茹でる際、つきっきりで大変だった。

「ふやかした状態の大豆が鍋の高さ半分までを目安に。吹きこぼれるのは火加減が強すぎなのでは?

茹でている間、コンロの前にいなくてもほっとけばいい程度の火力(吹きこぼれない)にしておけば楽です。また、入れる水もひたひたではなく、多めに入れても全く問題はありません」

茹で上がった大豆をつぶすのに、力の弱い子どもにもおすすめの方法を教えてください。

茹で上がると、指で簡単に潰れる。

「たくさんいっぺんに作る時は、食品用のビニール袋に入れて上から踏んづける方法をおすすめします(うどん作りみたいに)。そこそこの量の時は、同じくビニール袋に入れて麺棒やペットボトルなどを転がしてつぶすこともできます」

仕込んだ状態はほんのり温かいですが、そのまま置いておいてよいのでしょうか?

かなり粗く潰したわが家の味噌予備軍。

「その温かさで麹が生き返るのです。半年くらいが熟成の目安ですが、ご家庭の室温により出来あがりのタイミングは変わるので、ときどき様子を見て、ちょっと味見をして、お好みの味わいになったら冷蔵庫へ移してください」

臨機応変に、イベント的に楽しむのもアリ!

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一度、挑戦してみてわかりましたが、味噌作りはとってもシンプル。ただ、水に浸して豆を戻したり、柔らかくなるまで煮たりする時間はある程度かかるので、スケジュールを立てて取り組む必要があると感じました。

「1回やると、時間が掴めると思います。あまりキチキチに考えず、臨機応変にいきましょう。大豆を戻すために浸す時間が短くても長くても、茹でる時間で調節して、最終的に潰れるぐらいの柔らかさになればいいので。

味噌を仕込む時期というと、寒い季節というイメージがあるかもしれませんが、材料の大豆、米麹、塩は常温品ですから、季節を問わず、いつでも作っていいんですよ。5月の連休や夏休みでも楽しいと思います。とくに夏は発酵が早いので、半年も待たずに秋には食べられるはず。

家族や友人と一緒に、イベントとして楽しむのもおすすめです。同じ種で仕込んでも、それぞれの家に持ち帰り育てると、同じ材料なのに風味が違う味噌に仕上がるんですよ。家庭ごとにいる菌が違うからでしょうね」

1年を通して温度変化があまりない、直射日光のあたらない場所へ保管する。

また、毎年作っても、違う味に仕上がるから不思議でおもしろいといいます。

「去年のと今年のをブレンドして豚汁にしたり、大豆と米麹の割合を変えてみたりしても。大豆と米麹の割合の基本は半々ですが、米麹を3:2くらいに増やすと甘く仕上がりますよ」

基本を抑えたら、時間や材料などを、経験や好みでアレンジしていけるのも自家製の魅力。成功も失敗も積み重なって“わが家の味”が作っていけると思ったら、ワクワクします。

 

ということで、自家製味噌仕込みはここまで! うまく熟成したら、この味噌を使ったおいしい食べ方もレポートしたいと思います。皆さんも、どうぞチャレンジしてみてくださいね。

 

【取材協力】生活クラブ

ニイミユカ
ニイミユカ

朝ランが日課の編集者・ライター、女児の母。目標は「走れるおばあちゃん」。料理・暮らし・アウトドアなどの企画を編集・執筆しています。インスタグラム→@yuknote

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