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「本みりん」と「みりん風」「みりんタイプ」の違いは?使い方のコツも解説【日の出みりんに聞きました】

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和食はもちろん、日々の料理に欠かせない調味料である「みりん」。実はみりんは大きく3つのタイプに分かれているのをご存じですか?

みりんや料理酒の醸造を専門に行う120年の歴史を持つ老舗メーカー「キング醸造」さんに、みりんの使い分けについて教えてもらいました!

戦国時代から始まった「みりんの歴史」

兵庫県にある『キング醸造』は、みりんや料理酒の醸造を専門に行い、料理酒市場では売上No.1を誇る明治33年の創業老舗メーカー。キング醸造のみりんは「日の出みりん」の名で親しまれ、毎日の料理に欠かせない調味料です。

「みりん」とは、そもそもどんな調味料?

そもそも、みりんとは、昔は「甘いお酒」でした。本みりんの起源は諸説あり、戦国時代に中国から伝わった甘い酒「蜜淋(ミイリン)」が伝わった中国伝来説、また、日本に存在した「練酒」や「白酒」に腐敗防止のために焼酎が加えられて本みりんになった日本誕生説があります。戦国時代には、その甘さゆえ、女性やお酒が苦手な人も愛飲していたそうです。

江戸時代になると鰻の蒲焼きや蕎麦が庶民に人気となり、このたれやつゆを作る際の調味料として、みりんが愛用されるようになります。明治〜戦前にかけては、みりんは贅沢品で一般家庭で使用されるというよりは、日本料理店などで使用されていたようです。

本みりんが一般家庭に普及したのは、実は昭和になってから。昭和30年代に酒税法の改正により、本みりんの酒税が大幅に減税されました。さらに平成8年には、酒類の販売免許の要請が緩和され、今までは酒店でしか買えなかったみりんが、酒類を扱っていないスーパーや食料品店でも販売できるようになり、ますます購入しやすくなりました。

みりんの原料はもち米。もち米を蒸して、米麹(うるち米が原料)とアルコールと一緒に仕込み、もろみを作ります。糖化・熟成させて搾ると、みりんが完成!

みりんの種類は3つ。飲み比べて味の違いに驚き!

「みりん」といっても、実は種類が3つに分かれているのをご存じですか?

私もスーパーで買うときに、「本みりん」「みりん風調味料」「みりんタイプ」と書かれていて、一体どれを買えばいいの?と、悩んだことがあります。また、「本みりん」が欲しいなと思っていたのに、調味料の棚には「みりん風調味料」しか置いていなかったことも……。

実はこの3つの違いには、先ほどみりんの歴史で説明した「酒税法」が大きく関わっているんです。それぞれの特徴と使い方のコツを教えてもらったので、ぜひ購入する際の参考にしてください!

※アルコール度数などは「キング醸造」の代表商品の数値です。

(1)本みりん

原料:もち米、米こうじ、焼酎(醸造アルコール)、糖類など。

アルコール度数:13.5%以上、14.5%未満

エキス分:45%以上

塩分:なし

酒税:対象品

特徴:上品な甘さ、旨味、芳醇な香り、味の浸透が良い

調味効果:照り、ツヤをつける。煮崩れ防止、生臭みを消す。

(2)みりん風調味料

原料:水あめ、米・米こうじの醸造調味料、醸造酢、酸味料など。

アルコール度数:1%未満

エキス分:60%以上

塩分:なし

酒税:対象外

特徴:優れた甘さ。アルコールを飛ばす必要がなく、そのまま利用できて便利。

調味効果:照り、ツヤ効果が優れている。

(3)みりんタイプ

原料:水あめ、米・米こうじの醸造調味料、たんぱく加水分解物、食塩、酒精など。

アルコール度数:9.5%以上、14.5%未満

エキス分:40%以上

塩分:2.0%前後

酒税:対象外

特徴:上品な甘さ、旨味。塩分が添加されている。

調味効果:照り、ツヤをつける。煮崩れ防止、生臭みを消す。

簡単に言うと、酒税がかかっているのは「本みりん」のみ。

酒類の販売免許がないスーパーでも身近に買えるようにと誕生したのが、アルコール度数が1%未満の「みりん風調味料」と、塩を加えることでしょっぱくし、酒として飲めなくした「みりんタイプ」なんです。

スーパーで調味料売り場に本みりんが置いていない場合は、酒売り場に行くと置いてあるかもしれません。

本みりん2種、みりん風調味料、みりんタイプ、糖質ゼロのみりん(『甘みとコクの糖質ゼロ』)を飲み比べ。

「キング醸造」の発表会で実際にそれぞれを味わってみたところ、飲み比べてみるとその違いは歴然!

「本みりん」は上品な甘味と旨味があり、「みりん風調味料」は醸造酢が入っているので爽やかな酸味が、「みりんタイプ」は甘味の中にしょっぱい塩気を感じました。

それぞれみりんだけを替えて煮た高野豆腐を食べてみると、「本みりん」は上品な甘さで、味の浸透もよいためジュワッとした食感に。「みりん風調味料」はエキス分が本みりんよりも多いので甘味が濃厚。「みりんタイプ」は甘すぎず、ほどよい塩気がありました。

みりんを替えるだけで、こんなに味の違いがあるなんて、正直びっくり! どれを使うかで、料理の仕上がりがかなり変わりそうです。

本みりんは「さしすせそ」の前に入れるのが正解!

それぞれのみりんの特徴は分かりましたが、みりんも砂糖も甘味を加える調味料。どう使い分けるといいのでしょうか? 使い方のコツをキング醸造のマーケティング開発部・竹山慎一郎さんに聞きました。

「砂糖は食べた瞬間、始めに立ち上がってくる甘味、みりんはまろやかで後からくる甘味と、甘さにも違いがあります。

さらに本みりんやみりんタイプには、アルコールが含まれているので、照りやツヤを出す効果、煮崩れを防ぎ、生臭みを消す効果もあります。そのため、魚や肉を煮るときや、照り焼きなどツヤを出したい時は、砂糖だけでなく本みりんやみりんタイプも使うといいですね。

みなさんご存知の料理の“さしすせそ”がありますが、みりんはどこにも入っていません。アルコールが含まれている本みりんとみりんタイプは、アルコールを飛ばすため、さしすせそ(砂糖、塩、酢、しょうゆ、みそ)の前に使ってください。アルコールが0.1%未満のみりん風調味料は、さしすせその後でもOKですよ」

さらに、みりん風調味料はアルコールが0.1%未満なので、加熱してアルコールを飛ばす必要がないのも便利とのこと。

「アルコールを煮切る必要がないので、ドレッシングを作る際など、そのまま使えます。お子さんが食べる料理にも気軽に使えますよ。

保存する際は、みりん風調味料は冷蔵で保存してください。本みりんは冷やすと白い結晶ができてしまうので、常温(冷暗所)で保存してくださいね」

みりんを上手に使い分けることができると、普段の料理がグッとひと味おいしくなりそうですね! ぜひこの機会にいろいろなみりんを試してみてください。

 

取材・文/岸綾香

 

【取材協力】

キング醸造株式会社

 

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