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【第8回 土鍋】ご飯も煮物もおいしくなる、万能な土鍋の選び方。 料理研究家・松田美智子の「育てる台所道具」

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「料理は毎日のことだから、自分のために、家族のために、“義務”ではなく楽しみながら仕度したいもの。そこで大事になるのは『道具』ではないかと思います」(松田さん)

調理道具の開発にも数多く携わってきた料理研究家の松田美智子さんが、料理に欠かせないツールと、それを選ぶポイントを解説。機能的で美しく、使い込むほどに手になじむ「育てる道具」の提案をシリーズでお届けします。第8回は、ひとつあると冬の食卓がグンとおいしくラクになる「土鍋」です。

「高価なわりに使いにくい」市販の土鍋に失望。自分でプロデュースすることに!

「たかが道具、されど道具」です。質のよい調理道具はけっして安くありませんが、大切に扱えば何年、いえ何十年も使えます。道具は「育てる」ものだと私は思っています。

そろそろ鍋ものが恋しい季節になりましたね。どちらのご家庭にもひとつは土鍋があるかと思いますが、「大きくてコンロでは使いにくいし、鍋ものしか役に立たない……」なんて思ったことはありませんか?

そうなんです! 高価なわりに実用性はいまいち、かといって安価な土鍋はすぐにヒビが入りますし、大仰なデザインで収納場所にも困るような土鍋も多いのです。私もさんざん土鍋選びに苦心した末に、陶芸作家さんに依頼して土鍋をプロデュースすることにしたのでした。

土から生まれた野菜は、土の鍋で煮炊きするとおいしくなるのです

土鍋は昔から、日本の台所で活躍してきた万能調理鍋です。ゆでる、煮る、蒸す、焼く。そして、ご飯を炊く。どれほど電気炊飯器が進化しても、土鍋で炊いたご飯のおいしさにはかないません。

私も最初は「吹きこぼれず、こびりつかず、早くおいしいご飯が炊ける土鍋がほしい」と土鍋を作ったのですが、使ってみればとにかく便利。土鍋の遠赤外線効果で、素材の味や栄養を損なわずに煮ものも早く仕上がります。とくに根菜がおいしくなるこの時期、土もの同士の相性のよさでしょうか、煮崩れなしで美しい煮ものが仕上がるのも、土鍋効果です。

浅すぎず深すぎず。飽きのこないシンプルなデザインのものを

ポイント1:キッチンに置いておきたくなるデザインを選ぶ

土鍋を選ばれるときは、ご自宅のキッチンとコンロを思い浮かべてください。その土鍋をコンロの上に置きっぱなしにしても格好いいかどうか、そして邪魔にならないか。「よし、これなら素敵!」と思うデザインのものを選ばれるとお料理が楽しくなります。

また、炊飯に使われるのなら、保温性の高い土鍋はお櫃代わりにもなりますから、なおさらその存在そのものがキッチンのインテリアになるものを選ぶことをおすすめします。

ポイント2: 蓋は高さがあって空気穴があり、鍋底は凸型のものを

土鍋の遠赤外線効果を最大限に生かすには、蓋がタジン鍋のように高さがあり、均一に熱が回るように充分な空間があるモノが理想的です

蓋中央に空気穴が開いていることも重要。熱の対流が鍋中で垂直に起こるために熱効率が高まります。もっと欲張るなら、鍋底が凸型のものを選ばれると完璧です。鍋の外側はフラットで火にあたる部分が広く、内側はちょっと盛り上がっていると、蒸気を真上に伸ばす手助けをしてくれるので、さらに熱の回りがよくなります。

次回は、「木べらとスパチュラ」をご紹介します。

【使ったのは…】

「香味鍋」(自在道具)

「鍋蓋中央の空気穴で熱の対流が垂直に起こるため、熱効率がアップ。お米を炊いても吹きこぼれません。オーブンでも使用できますから、ローストポークなどもふっくらと焼き上がります」(松田さん)

サイズ:幅32cm x 高さ約16cm

重量:約3.9

素材:耐熱陶土

価格:38,000円(税抜)

http://www.m-cooking.com/cookingitem/

写真/鍋島徳恭

まつだみちこ◎1955年東京生まれ。女子美術大学卒業後、料理研究家のホルトハウス房子さんに師事、各国の家庭料理や日本料理を学ぶ。1993年から「松田美智子料理教室」を主宰。テーブルコーディネーター、女子美術大学講師、日本雑穀協会理事も務める。使いやすさにこだわったオリジナル調理ブランド「松田美智子の自在道具」も好評。http://www.m-cooking.com/

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