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【第5回 ガラスのボウル】下ごしらえを「見える化」!料理研究家・松田美智子の「育てる台所道具」

調理道具の開発にも数多く携わってきた料理研究家の松田美智子さんから、機能的で美しく、使い込むほどに手になじむ「育てる道具」の提案をシリーズでお届けします。料理に欠かせないツールと、それを選ぶポイントとは? 第5回は、下ごしらえが効率的かつラクにはかどる「ガラスのボウル」です。

調味料の味が変わらない、においが残らない、レンジ調理ができる

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「たかが道具、されど道具」です。質のよい調理道具はけっして安くありませんが、大切に扱えば何年、いえ何十年も使えます。道具は「育てる」ものだと私は思っています。機能的で美しい道具を自分の手に合った使い勝手のよい“手先”に育てる。すると効率が上がって、お料理もおいしく仕上がります。

今回は、「ボウル」について。

ガラスのボウルは、汚れやにおいがつきにくく、たとえ大量のニンニクを入れた餃子のあんをこねても、サッと洗えばにおいも脂も一掃。

また、酸と塩に強く、食材に下味をつけるときやドレッシングなどを作るときに、時間が経っても風味が損なわないという利点があります。これは料理をおいしく仕上げるためにとても大切なこと。

そんなに高価なものではありませんし、入れ子にして収納できますから、大中小でちょっと多めにもっておかれると重宝します。

ポイント1:下ごしらえの塩梅が“見える”から、調理の効率がアップします

ガラスのボウルは、酸や塩分、さらに薬品に対しても強い耐久性をもっています。以前は、ステンレス製のボウルを使っていたこともありますが、ドレッシングを作るときに、お酢と塩、その他の調味料を計量して入れ「よし!」と思ってしばらく放置してから味をみると「あれ?なんだかピンとこない」と思うことがよくありました。

おそらく金属との化学反応だと思いますが、ガラスは食材や調味料と化学反応を起こすことがありません。汚れやにおい、脂分もさっと洗えばリセットできるのもうれしいポイントです。

ポイント2:食材の様子がわかりやすく、そのまま食卓に出してもOK

ステンレス製のボウルだと、光が反射して食材の実際の色味や状態が分かりにくいときがあります。ガラスのボウルですと、すっきりと清潔感がありますから、サラダなどはそのまま食卓へ出しても違和感がありません。

ポイント3:電子レンジ調理ができる

たとえばちょっと野菜をしんなりさせたいナムルなどは、ボウルで材料を合わせて電子レンジでチンすればあっという間にできますし、じゃがいもやかぼちゃの下ごしらえも煮崩れすることなくスピーディーにできます。また、耐熱ガラスボウルであれば、調味料を加えて調理も可能です。

 

次回は、転がらない菜箸、をご紹介します。

【今回使用した商品】

「ルミナルク スタッキングボウル」

「シンプルなフランス製のガラスボウルです。縁の出っぱりがなくフラットなので扱いやすいところが気に入っています。

耐熱ではありませんが、強化ガラス製で電子レンジや食洗機はOK。サイズは直径6cm〜20cmの9種類あり、価格も200円前後〜1,000円程度と、とっても手頃です。スッキリしたデザインなので、そのまま食卓に出せるのもいいですね」

写真/鍋島徳恭

松田美智子(まつだ・みちこ)

1955年東京生まれ。女子美術大学卒業後、料理研究家のホルトハウス房子さんに師事、各国の家庭料理や日本料理を学ぶ。1993年から「松田美智子料理教室」を主宰。テーブルコーディネーター、女子美術大学講師、日本雑穀協会理事も務める。使いやすさにこだわったオリジナル調理ブランド「松田美智子の自在道具」も好評。http://www.m-cooking.com/

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