子育て世代の「暮らしのくふう」を支えるWEBメディア

お気に入りのお皿やカップがキレイに長持ち!「食器」の素材別お手入れ方法【家事大学 学長 高橋ゆき的お掃除の基本】vol.16

皆さんのお宅では、普段どんな食器を使っていますか? お茶碗やお皿は陶磁器、お椀やお箸は漆や木製、コップはガラス製、子どもの食器はプラスチック製など、家にはいろいろな素材の食器がありますよね。食器は素材ごとに特性が違うため、キズやヒビなどの劣化を防いで長く使い続けるためにも、それぞれに合わせてお手入れをする必要があります。

そこで『kufura』では、今回も家事研究家で株式会社ベアーズ副社長・高橋ゆきさんが学長を務める「家事大学」のテキストなどを参考に、楽しく家がきれいになる“高橋ゆき流お掃除メソッド”をご紹介していきます。連載第16回目のテーマは「食器の素材別お手入れ方法」。お気に入りの食器を長く使い続けるための、正しいお手入れ方法を見ていくことにしましょう。

料理の美味しさは食器のお手入れの仕方で決まる!

null

健康は体の内面から作られますが、その内面を作るのが食事です。食事の美味しさは、口に入れたときの味はもちろん、“目”から入ってくる“美味しそう”という情報にも大きく左右されます。

目が美味しそうだと感じるのは、料理の見た目プラス食器の美しさです。この美しさというのは、食器のデザイン性などではなく、きちんとお手入れされているかどうかということ。どんなに美味しそうな料理でも、たくさんキズがついている食器や欠けている食器、また汚れで曇ったような食器に盛り付けられていては、美味しさが半減してしまいます。

このように、料理を美味しく食べるためには、きちんとお手入れされた食器を使うことが大切です。上手にお手入れされた美しい食器に囲まれていると、キッチンでの家事もより一層楽しくなります。お気に入りの食器をより良い状態で長く使い続けるためにも、それぞれの素材の特性とお手入れ方法をしっかりと理解しておきましょう。

伝統のお掃除テクを使って楽ラクきれいに!

null

食器の中でも、特に使用頻度の高い食器の素材といえば、お茶碗やお皿、湯呑やカップなどの陶磁器。落とすと割れてしまうという心配はあるものの、キズや汚れがつきにくく、毎日使う食器としては扱いやすい素材です。

ただ、気になるのが急須や湯呑、コーヒーカップやティーカップなどに付着した茶渋などのガンコ汚れ。食器洗い用洗剤をつけたスポンジでゴシゴシ洗ってみても、なかなか落ちないこともありますよね。

そんなときは、おばあちゃんの知恵袋的な伝統のお掃除テクニックの一つ、“卵のカラ”を使ったお掃除方法を試してみましょう。卵のカラには研磨作用があるため、陶磁器についた茶渋をキレイに落としてくれます。

やり方は至って簡単。細かく砕いた卵のカラを茶渋のついた陶磁器に入れます。水を少し加えたら手などでフタをし、数回シェイクするだけでOK。それだけではキレイにならない場合は、砕いた卵のカラをストッキングに入れたものをスポンジ代わりにして汚れた部分を磨けば、しっかり落ちますよ。

実践!食器を長持ちさせるための素材別お手入れ方法

null

では実際に、食器の素材に合わせたお手入れ方法をそれぞれ見ていくことにしましょう。

(1)陶磁器

陶磁器は汚れが落ちやすく、比較的お手入れも簡単です。気になる茶渋などの汚れを落とすには、先ほどご紹介した卵のカラを使ったお掃除方法のほか、重曹と水を6:4の割合で混ぜた“重曹ペースト”を使って磨くのも効果的。研磨力があるので、ガンコな汚れもしっかり落ちますよ。

(2)プラスチック製の食器

プラスチック素材の食器は割れにくいため強い素材だと思われがちですが、実はキズがつきやすいのでお手入れも注意する必要があります。洗うときはキズがつかないように、ゴシゴシとこすることなく、力を入れずに優しく汚れを落とすようにしましょう。

(3)ガラス製の食器

手垢や水垢が気になるガラス素材の食器。まずは、いろいろな角度から眺めてみて、手垢や指紋汚れがないかをチェックします。汚れがある場合は、その部分を柔らかいスポンジで優しくこすり洗いしてください。水垢や拭きムラが気になる場合は、一度熱いお湯にサッと通してからふきんで拭き、毛羽立たない古Tシャツなどの布で優しく磨きましょう。

(4)金属製・銀製の食器

ステンレスや銀製の食器についた固形汚れは、重曹ペーストでこするときれいになります。普段使いしている人はあまりいないと思いますが、銀製の食器は空気に触れると変色する性質があります。きちんと保管していてもどんどん変色してしまうので、定期的に専用のポリッシュで磨くようにするといいでしょう。

(5)漆器

お椀やお箸、重箱などの漆器は、とてもデリケート。漆は水や湿気に弱いので、洗ったあとはきちんと水けを拭き取り、しっかり乾いた状態で保管するようにします。なお、食洗機や電子レンジでの使用は厳禁です。

(6)木製の食器

木製の食器も漆器と同様、水に弱いため、濡れた状態で片付けるのはNGです。しっかり乾かしてから、食器棚などに戻すようにしましょう。木製の食器はキズがつきやすいので、洗うときはこすりすぎに注意するとともに、食洗機の使用は避けるようにしてください。

ため込まない!毎日できる小掃除テク

null

使った食器をすぐに洗わずに放っておくと、汚れが固まって落ちにくくなり、洗うときについゴシゴシと力を入れて洗ってしまいがちです。どんな素材の食器も、ゴシゴシ洗いはキズのもと。使用後すぐに食器を洗うようにすれば、こすらなくてもツルんと汚れが落ちるので、食器を必要以上にキズつけることがありません。

なお、使ったあとの食器類を水を張った洗い桶などに浸けておく人もいますが、先ほどお話ししたとおり木製の食器や漆器などは水に弱いため、劣化を早める原因になります。お椀やお箸などについては、使用後は水に浸けずにすぐに洗って水けを拭き取るようにしましょう。

「食器の素材ごとにお手入れするのは大変」という場合は、盛り付けをワンプレートにするなどして、1回の食事に使う食器の数を減らすのもおすすめ。ほかには、食器を購入する際に「食洗機OK」となっているような丈夫な素材のものを選ぶようにすると、比較的キズがつきにくいので、日々のお手入れがグンとラクになります。

いかがでしたか? 食器は食事を楽しむための重要なアイテム。お手入れが行き届いた美しい食器やお気に入りの食器で食事をすると、それだけでテンションも上がりますよね。大切な食器を長持ちさせるためにも、この機会に素材別のお手入れ方法をしっかりと押さえておきましょう。

構成・文/土田奈々子

【参考】

高橋ゆき(2014)『楽ラク掃除の基本』(学研パブリッシング)

(2014)『可愛くなる家事』(サンマーク出版)

家事大学1級・2級 家事研究員資格講座テキスト』-日本講師支援機構

【取材協力】

ベアーズ

pin はてなブックマーク facebook Twitter LINE
大特集・連載
大特集・連載