塾のお弁当タイムは15分
null中学受験生の塾では、学年が上がるにつれて授業時間も長くなり、6年生ともなると小学校が終わった後の17時頃から始まり、遅い日は21時まで塾で過ごすこともあります。
普通の感覚なら、19時ごろに30分ほどの食事時間がほしいところですが、中学受験の世界はそう甘くありません。特に難関校を目指す塾では「勉強が最優先」が一般的で、5分程度の短い休憩で菓子パンやおにぎりをサッと食べるだけだったり、さらに厳しいところでは食事時間がまったくない、という話も聞きます。
その点、私たちが(たまたま)選んだ塾は、スパルタ式の難関校塾に比べて少しのんびりしており、ありがたいことに19時30分から15分間だけですが、食事の時間が確保されています。現在小6でまもなく受験本番となる長女も、難関校志望ではなく、のびのびとした学生生活を楽しめる環境の良い私立中学を目指しているので、今の塾のちょうど良い緩さが肌に合うようです。
とはいえ、15分の食事時間はあっという間です。手早く食べられるようお弁当には工夫を凝らし、トイレに行く余裕や友達とのちょっとしたおしゃべりも楽しめるようにして、短い休憩でしっかりリフレッシュできればと願っています。
弁当作りに許される時間は20分
null実は、この弁当作りに使える時間もギリギリです。仕事を切り上げてから塾に届けに出かけるまでの20分ほど。限られた時間で、娘が喜んで食べられるものをサッと準備するのは毎回「スピード勝負」です。
とはいえ、スピード重視で冷凍食品に頼るわけにもいきません。残念なことに、娘は少し偏食気味で冷凍食品や加工食品が苦手なため、しっかり食べてもらうためには手作りが欠かせないのです。
とはいえ、どうしても仕事が押してしまう日はあり、そんなときはパン屋さんで惣菜パンや、おにぎり屋さんのおにぎりを調達することも。短い時間の中で、娘が楽しく食べられる工夫を試行錯誤している毎日です。
食べやすい工夫、作りやすい工夫
null子ども向けのお弁当といえば、キャラ弁や、カラフルなおかずが定番ですが、塾弁は少し毛色が違います。短時間で必要な栄養をとり、食後も集中して授業に臨めるよう、見た目よりも「栄養」と「食べやすさ」を重視するのがポイントです。
私がたどり着いたのは、おにぎりとスープの組み合わせ。
おにぎりは塩にぎりから、具入りや混ぜご飯とバリエーション豊かに工夫し、糖質でエネルギー補給をします。
スープはスープジャーに具だくさんのものを入れて温かさを保ち、野菜やお肉からしっかりビタミンやミネラルが摂れるようにしています。
定番は「唐揚げのおにぎり」と「豚汁」の組み合わせ。これで文句を言われたことはありません!
今回はこの定番をどう準備しているか、ご紹介します。
豚汁は具材たっぷり。ジャーで食べやすい具材の大きさに
null【具材の種類】
豚汁の場合は、冷蔵庫にある定番野菜とこんにゃく、椎茸あたりをいれていきます。何をいれても美味しいと思いますが、味や香りの主張が強い物を避けた方が良いと思います。
【具材の大きさ】
野菜の大きさは、ジャーで食べる場合はスプーンで食べる事が多いので、スプーンですくいやすくするために、大きさを揃えるようにします。
実はITの仕事をする前は、大きなレストランで調理の仕事をしていたのですが、そのときに学んだことの一つに「具の大きさは、形で揃えるか、味で揃える」というものがありました。
・「形で揃える」というのは「ラタトゥイユ」のように、具材の大きさを揃えることで“素材それぞれの食感の違い”を楽しめるようにすること
・「味で揃える」というのは、「ポトフ」みたいに、“具材それぞれに同じように味がしみ込む”ために、素材の大きさを調整すること
を言います。ジャー弁当の場合は食べやすさを考慮して、なるべく大きさを揃えるようにしています。豚肉も、大きく長く残すとまわりにピョンピョンと汁をとばしてしまうので、これもスプーンサイズに切っていきます。
作り方は普通の作り方で問題ありませんが、手早く作るため、手早く食べやすくするための工夫がいくつかあります。
鍋ではなく最後まで「フライパン」で!
null1:根菜は生から炒め始めると時間がかかってしまうので、事前に火を入れておきます。
本当は生からしっかり炒めたほうが美味しいと思うのですが、そこはわりきります。火入れの方法は、本当に時間が無いときは電子レンジで、少し余裕があるときは別鍋で数分ほど茹でて、表面に透明感が出る位の状態にしておきます。
2:フライパンでごま油(炒め物の場合は香りのたたない太白ごま油を使っています)を熱して、まず豚肉を炒めちゃいます。
これも普通のレシピと順番が違うのですが、豚肉の脂も炒め調理に使いたいので、先に炒めてしまいます。薄切り肉が重なったままだと、できあがり時の味も食感も良くないので、この段階でしっかりほぐします。菜箸を使い、ぬいぐるみをあてがわれた犬の様にブルブルとほぐします。
3:豚肉にある程度火が通ったら、肉をフライパンの奥に寄せ、手前に暖めた根菜を入れます。油がなじんだら、直ぐに残りの具も加え、1分ほど強火で炒めます。
4:全ての具に油がまわり、玉ねぎなどに少し透明感が出てきたら、別鍋で沸かして置いた「お湯」を加えます。少しの醤油を入れ蓋をして、弱火よりの中火で煮込みます。
このタイミングではまだ味噌を入れません。水では無くお湯を加えるのも時短の為です。湯を加えてすぐに沸騰してくれるので、手早く火を通すことが出来ます。
5:豚汁を煮込む間に、おにぎりを用意。
おにぎりは極力手で握らないようにします。衛生面の理由もありますが、これも時短のため。手を洗い拭う時間がもったいないので、なるべく手を汚さないようにします。
お椀にラップを敷いて、その上にご飯、具、ご飯とのせていき、ラップごと握って形を作ったら、ラップを広げ塩を振り、ノリを巻いて完成です。
出来上がったおにぎりは、おにぎりラップで包んで準備完了。
6:おにぎりの準備が終わったら、電気ポットで沸かしたお湯をジャーに入れ、蓋をします。
スープジャーの中が冷えたままスープを入れると、スープの温度が10度近く下がったりするので、それを防ぐ為に、あらかじめお湯で温めておきます(消毒にもなって一石二鳥)。
7:豚汁に味噌をとき入れ、ジャーに入れたら完成。
豚汁を火から下ろし、味噌をとき入れ、そのまま温めておいたジャーに入れてしまいます。
ここまでの煮込み時間が短いので、具が固いかもと心配になりますが、豚汁はスープジャーの中で追加で煮込まれるので、少しくらい煮込みが足りなくても大丈夫です。
これでお弁当は完成!
お弁当用のバッグに保冷剤と一緒につめこんでお届けに向かいます。
「美味しい」の一言で頑張れる
null塾のお弁当作りは毎日が時間との戦いですが、迎えに行ったときに「美味しかったよ!」と一言でも言われると、また頑張ろうという気持ちになります。逆に「しょっぱくてツライ」と、お弁当タイムだろう時間にメッセージが届くと申し訳ない気持ちになったり(笑)。
このお弁当作りは、子どもに寄り添う時間でもあり、未来の自分達に届ける思い出の一つだと信じています。来年からは3年生の次女も本格的に勉強が始まりますし。
これからも、楽しみながら続けていこうと思います。
よし、がんばろう!
IT関連の企業に勤めたり、個人事業を営んだりしているアラフィフです。妻と娘二人の四人で、東京のちょっと郊外にある府中市に在住。読書とお酒が大好きで、自室の大半は本とワインに占領されており、仕事はその隙間でしています。娘が二人とも中学受験をする事になり、妻と一緒に右往左往しています。
読書ブログをのんびり更新しています: https://note.com/semimaru/