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理想の学校って? 大人の思いが見える「子どものための建築と空間展」【子どもと楽しむ美術展】#2

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美術館ライターの浦島茂世がお子さんと一緒に楽しめるオススメの展覧会をご紹介する【子どもと楽しむ美術展】。今回は、その名も「子どものための建築と空間展」。オフィスビルの立ち並ぶ汐留のパナソニック東京汐留ビルの中にある『パナソニック 汐留ミュージアム』にて、2019年3月24日(日)まで開催されています。

時代でこんなに違う! 「子どものための建築物」の変遷

「子どものための建築と空間展」は、明治時代から現在に至るまでの“子どものための建築と空間の変遷”を紹介する展覧会。

ひとくちに「子どものため」の建築物といっても、保育園や小学校、公園や遊具、図書館など実に多種多様。そして、学びの場・遊びの場など用途によって、そして対象とする年齢層によって、その設計は大きく異なっています。また、時代の変化に合わせて、子どものための建築は大きく変化しているのです。

「子どものための建築と空間展」展覧会場の様子

展覧会では、幼児教育および初等教育の場となる建築42作品と児童施設25作品が写真や模型などで紹介されていますが、たとえば小学校だけでも、見比べてみるとその変化に驚きます。

長野県松本市にある『旧開智学校』は、明治時代初期に造られた小学校。和風と洋風の入り混じった“擬洋風建築”と呼ばれるもの。非常にものものしい雰囲気です。

『旧開智学校』(重要文化財) 1876年 立石清重 /写真提供:旧開智学校

大正時代に入り、大正デモクラシーを背景により自由な教育体験を目指して造られたのは、アメリカの建築家で近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライトと弟子の遠藤新(あらた)による『自由学園明日館』。

『自由学園明日館 食堂』 1921年 フランク・ロイド・ライト+遠藤新 /写真提供:自由学園明日館

そしてその約100年後、2017年に造られた『東松島市宮野森小学校』。大きな窓からは陽の光がさんさんと降り注いでいます。

『東松島市立宮野森小学校』2017年 盛総合設計+シーラカンスK&H /撮影:浅川敏

このように、同じ“小学校”というくくりであっても、その建物の姿は時代と環境によって大きく変わっているのです。

建築物から感じる「子どもや未来への思い」

建築物は、造られた時代や工法、建てる場所の地形や法令などにも影響を受けます。

そしてその変化に一番大きく影響を与えているのが「こんな子どもに育ってほしい。こんな大人に成長してほしい。こんな社会になってほしい」という、当時の大人たちの子どもへのまなざしとあたたかさ、そして“未来像”。
展示されている建物や空間には、当時の子どもたちの姿だけでなく、建物を造った大人たちの“未来への願い”も見てとることができるのです。それがとてもおもしろい!

建物だけでなく、彫刻家イサム・ノグチによる札幌の『モエレ沼公園』や、全国各地にある「タコのすべりだい」などの屋外施設の展示もあり、観ているとウキウキしてきます。子どもたちのことを、たくさんの大人たちが真剣に考えていることがわかるだけでも、なんだか嬉しくなってくるのです。

フリードリヒ・フレーベル考案『第一恩物 六球法』大正~昭和初期 お茶の水女子大学蔵

建物のほかには、当時の教育玩具をはじめ、子ども服や雑誌の付録、絵本の原画など、当時の子どもたちが学びや遊びに使ったものもあわせて展示。“子ども”を取り巻く社会の変化を、様々な面から観ることができます。

最新玩具のプレイコーナーも! お子さんとの楽しみ方

「どちらかといえば大人向きなのでは?」と思われるかもしれませんが、自分たちにとって親しみのある学校や遊具などの違いに、お子さんも楽しくなるはず。
当時の子どもたちがどんな遊びをしていたのか、どんなことを考えて暮らしていたのかを想像してみたり、お子さんと“理想の小学校”について話してみてはいかがでしょうか。

そして、何と言っても子どもたちにオススメなのが、展覧会の最後にある『ペタボーの空』というプレイコーナー。

『ペタボー』とは、隈太一 発案、クラレファスニング開発の新しいユニバーサル玩具。天井から吊るしてある面ファスナー製の『ペタボー』のかたまりに向かって『ペタポ―』を投げ、くっつけていきます。

この『ペタボー』を投げて『ペタボーの空』にくっけます

下記の写真は展覧会が始まったころの『ペタボーの空』。毎日のように姿が変わっているようなので、現在はもっと大きな塊になっているはず。どんな形になっているのか、ぜひ会場でチェックしてみてくださいね!

『ペタボーの空』

 

ちなみに、『パナソニック 汐留ミュージアム』があるパナソニック東京汐留ビルの中には、最新のシステムキッチンやシャワートイレなどが展示された『パナソニック リビング ショウルーム 東京』もあります。こちらには最新のシステムキッチンやバスルームなどが展示されていて、インテリア好きにはかなりテンションが上がる場所。展覧会の帰りにちょっと立ち寄ってみるのもオススメですよ!

【展覧会情報】

子どものための建築と空間展

会期:2019年1月12日(土)〜2019年3月24日(日)

会場:『パナソニック汐留 ミュージアム

東京都港区東新橋1−5−1 パナソニック東京汐留ビル4階

開館時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)

休館日:水曜

最寄り駅:

JR「新橋駅」より徒歩約8分、東京メトロ銀座線、都営浅草線、ゆりかもめ「新橋駅」より徒歩約6分、都営大江戸線「汐留駅」より徒歩約5分

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【消費税増税に伴う価格表記について】
2019年9月末までの記事内の「税込み価格」につきましては、増税前の税率(8%)での価格となっておりますので、ご了承ください。

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