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墨田区で見つけたとっておきの空間! 下町の「ちいさな硝子の本の博物館」【子どもと楽しむ美術館】vol.8

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『東京国立博物館』や『国立新美術館』など、大きな美術館や博物館を1日かけて観るのも楽しいですが、短い時間でさっと鑑賞できる小さな施設を訪れるのもいいものです。

今回ご紹介するのは、東京都墨田区にあるこぢんまりとした『ちいさな硝子の本の博物館』。5人も入ればいっぱいになってしまう博物館ですが、コンパクトにまとまった魅力的な空間はずっといたくなるような場所。あわせて筆者オススメのちいさな博物館もご案内します。集中力の途切れがちなお子さんでも短い時間で目一杯鑑賞することができますよ。

ガラスに関する本だけをじっくり読める博物館

東京の東部は、江戸時代から職人が暮らす地域として栄えてきました。かつて浮世絵師・葛飾北斎が暮らしていたことでも知られている東京都墨田区もそんな町のひとつ。現在も多くの町工場や工房が並び、通人が数多く暮らしています。

墨田区でとくに栄えている産業のひとつがガラス。有名ガラスメーカーや伝統工芸「江戸切子」の工房が数多くあり、年に2回ほど「すみだガラス市」というガラス器専門の市が開催されているほどです。

この墨田区にあるガラスメーカーで、『うすはり』シリーズで知られている松徳硝子が運営するのが『ちいさな硝子の本の博物館』。「本所吾妻橋駅」が最寄駅の、かわいらしい佇まいの博物館です。

館内の本棚には硝子の本がずらり

ガラスの魅力をしっかりと伝えるために世界中から集めた約850冊のガラスの専門書が並び、自由に閲覧することができます。

だから“硝子の博物館”ではなく“硝子の本の博物館”なのですね。

松徳硝子の工場の写真は圧巻!

本棚にあるルネ・ラリックやガレ、ティファニーなどのガラスを使った作品をたくさん生み出した芸術家の作品集や、ヴェネツィアガラスや北欧ガラスなど世界中の作品集を読み比べていると、ガラス芸術の多様さに驚かされるはず。

ガラス職人・大野さんの書き記したノート。大人気で他所へ出張中のことも。

そしてここの一番の目玉は、松徳硝子に50年以上勤めていた職人・大野さんが、退職されるときに自分が覚えていることを丁寧に書き残した手書きの解説ノート。

丁寧なイラスト入りで書かれたノートには、ガラスだけでなく当時の街の様子や、文化、風俗も記してあり、思わず読みふけってしまいます。

また、館内には松徳硝子の廃盤ガラス製品や、ガラスのアクセサリーなども並んでいて、お買い物も楽しい!

職人手作りのガラス作品に絵や文字を描く体験も!

そして、『ちいさな硝子の本の博物館』で人気なのが、ペンの形をした“リューター”という機械を使い、ガラスの表面に絵や文字などを彫る「リューター体験」(要予約)です。

彫り込むガラスは松徳硝子で職人が作った味わいのある手作り品。シンプルなグラスや、手吹きのガラス皿、飾りとしても楽しめるペーパーウエイトなどさまざまなデザインから選べるのもうれしいポイント。

リューター体験は5歳以上から参加可能なので(保護者の同伴が必要)、小さなお子さんでも楽しめるのがいいですね。

リューター体験で人気のガラスのりんご。メッセージを書き込んでギフトにする人が多いそう。

『ちいさな硝子の本の博物館』は、ただ館内を観るだけだと5分もかからず見終わってしまう博物館。ですが、リューター体験に挑戦したり、ガラスについての本を読んだり(リューター体験のデザインのヒントもたくさん詰まっています!)していると、あっというまに1〜2時間経ってしまうことも。

好奇心のおもむくままに、お子さんと一緒に小さな博物館をたっぷりと楽しんでみてくださいね。

【施設情報】

ちいさな硝子の本の博物館

東京都墨田区吾妻橋1-19-8 矢崎ビル1F

開館時間:

水曜〜日曜/10:00~19:00
祝日の月曜・火曜/11:00~18:00

休館日:月曜(祝日の場合は営業、翌火曜休)

最寄り駅:都営地下鉄浅草線「本所吾妻橋駅」下車、徒歩3分

すみだのちいさなミュージアムを巡ろう

江戸時代から“ものづくり”が盛んだった墨田区は、その産業をアピールするため、「ちいさな博物館」(Museum)、「工房ショップ」(Manufacturing shop)、「マイスター」(Meister)をバックアップする「すみだ3M(スリーエム)運動」を独自に行っています。

そのため墨田区には、今回ご紹介した『ちいさな硝子の本の博物館』をはじめ、工場や作業場、民家などの一部を利用した小さな博物館が20以上もあるのです。どの博物館も30分もあればたっぷり満喫できるので、お子さんも集中力が途切れずに楽しむことができるはず。

ここでは、そのなかからおすすめの博物館を6つピックアップしました。施設によっては、手作り体験やワークショップを行なっているところもありますよ。

藍染博物館

3世代120年以上にわたって藍染め製品を作り続けている工房が営む、藍染をテーマにした博物館。
浴衣やのれん、半纏(はんてん)といった作品のほか、染料の入った桶(おけ)など制作に使用される道具などを見学することができます。事前予約で藍染体験も可能です。

江戸小紋・江戸更紗博物館

江戸時代から続く伝統工芸「江戸小紋」を作る工房が営む博物館。
江戸時代から伝わる小紋の見本帳や、布を染める型紙などのほか、染の工程写真もパネルで展示。巧みな技で染め抜かれた小紋の美しさもたっぷり堪能できます。毎週月曜には予約制の製作体験も行なっています。

名刺と紙製品の博物館〜SAKURA TERRACE〜

紙製品の総合メーカー・山櫻のショールーム『サクラテラス』内にある、名刺と紙製品のミュージアム。
昭和初期から現代までの名刺箱や名刺製造に関する機械、そしてさまざまな紙製品が展示されています。不定期で企画展やワークショップなども開催。

袋物博物館

がま口やバッグなど袋物小物の専門店が開いたミュージアム。江戸時代の小銭入れや札入れ、手動ミシンなどの製作機械を展示しています。

折箱博物館「木具輪」(きぐりん)

大正12年創業の折箱メーカーが営む博物館。
エゾ松やシナの木の経木(木を薄くスライスしたもの)で作られた折箱や木箱など、約100点が展示されています。取っ手のついた箱や多角形の箱など、ちいさな箱に職人の細かい技をしっかりと感じることができます。

金庫と鍵の博物館』 ※予約制

旧日本軍が暗号表を保管するために製造したという世界に1台しかない金庫、イギリスやアメリカの大型倉庫、鎌倉時代の錠など、さまざまな金庫と鍵が並ぶ博物館。
情報や財産を守るための先人たちの苦労が、その技術からひしひしと伝わってきます。

 

※画像の転載は一切禁止させていただきます

(※情報は2018年5月現在のものです)

 

【参考】

すみだ3M(スリーエム)運動

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