だれもが夢中になる、藤子・F・不二雄ワールド!
null2011年9月にオープンした『藤子・F・不二雄ミュージアム』は、その名のとおり1996年に亡くなったまんが家、藤子・F・不二雄先生の作品を楽しめるミュージアム。
設立のきっかけは、夫人の「かつて子どもたちだったファンの方へ恩返しをしたい」という強い想いだったそう。
そのためか、展示内容は大人も心から楽しめるように、いや、むしろ大人のほうが面白く感じる部分が満載!
施設内の目印になる案内板やトイレのサインデザイン、ちょっとした注意事項など目を凝らして見た人だけがわかる“小ネタ”で埋め尽くされています。
もちろん、お子さんも楽しく過ごせるような設備も充実。未就学児対象のキッズスペースや授乳室もあり、小さな子ども連れでも安心して利用できます。
ミュージアムのある川崎市は、かつて藤子・F・不二雄先生(以下、F先生)が暮らしていた土地。
最寄り駅の「登戸駅」からミュージアムまでは、『ドラえもん』や『キテレツ大百科』などF先生にゆかりのある4種類のラッピングバスが運行しています。どのバスに乗れるかは、そのときのお楽しみ! 外装だけでなく、降車ボタンや吊革などもかわいいので要チェックですよ。
ちなみに、ミュージアムは日時指定の完全予約制。ですから、極度な混雑もなく快適に鑑賞することができます。
また、入館時に渡される音声ガイド「おはなしデンワ」は、なんと大人用とこども用で音声内容が異なっています。ぜひ親子で聴き比べてみてください。
さて、館内に入ってみましょう。
展示室1は『ドラえもん』『パーマン』『キテレツ大百科』などの原画が展示されている常設コーナー。
展示台に引き出し風のディスプレイがついており、その中には『パーマン』のマスクなど作品にまつわるアイテムが展示されています。
展示室2は、テーマに合わせた展示を行う企画展示室。
2019年1月15日までは「『キテレツ大百科』×『ドラえもん』〜江戸時代の発明と未来のひみつ道具~」なる、『キテレツ大百科』を中心とした展覧会を開催。
『キテレツ大百科』に登場した発明品と、それに似た『ドラえもん』のひみつ道具を比較して展示するという一風変わった企画展です。
とってもかわいい直筆の“コロ助”は必見ですよ!
このほか、『藤子・F・不二雄ミュージアム』だけでしか観られないオリジナル作品を上映する「Fシアター」や、切り絵作品(!)をベースに制作された動物たちのオブジェがある「どうぶつたちの部屋」など、趣向をこらした部屋が並びます。
とくに筆者がお気に入りなのは、F先生の仕事場を再現した「先生の部屋」。
机をよく見てみると、科学誌や図鑑が山積み。F先生は、「子どもたちにこそ、子どもだましはよくない」という持論のもと、しっかりと資料を読み込んで作品に活かしていたそうです。
マニアックなキャラクターも登場! 屋上も楽しさいっぱい
null屋外の見どころも充実しています。
屋上スペースの「はらっぱ」には、『ドラえもん』と空き地の土管をはじめ、F先生が生んだキャラたちが大集合!
芝生の上に“パーマン”が寝そべっていたり、『ドラえもん』のなかでも人気の回「きこりの泉」に登場する“きれいなジャイアン”が展示されていたりと、キャラクターを探すだけでも1日過ごせそうです。
オリジナリティあふれるショップとカフェもお忘れなく!
nullそして、『藤子・F・不二雄ミュージアム』のすごいところは、カフェとショップの気合の入れ方です。“ふつうの食べもの”や“ふつうのお土産”が一切存在しないのです!
「ミュージアムカフェ」は、作品にちなんだオリジナルのメニューだけ。店内は窓の外に屋上庭園が広がり、開放感がたっぷりです。
企画展に合わせた“コロ助スパゲティ”『コロネーゼ』(1,200円)は、肉・卵・アルコールを使わず、大豆肉を用いたベジタリアンでも食べられるポロネーゼ風のパスタ。
ほかにもキュートなメニューばかりで、全部食べるために通いつめたくなるほどです。
また、「ミュージアムショップ」もツボをつくものばかり。
一度お別れしてしまったドラえもんが、野比家に帰ってくるきっかけになった「ウソ800」モチーフの『ウソ800缶入りクッキー』。食べ終わったあとの缶は、小物入れなどに使えそう。
「ウソ800」は、てんとう虫コミックスだと7巻の最初のお話に登場します。
こちらは、連載開始当時のずんぐりむっくりしたドラえもんの『初期ドラぬいぐるみ』。現在のドラえもんと見比べると、かなり雰囲気が変わっているのがわかります。
F先生好きの人へのプレゼントに最適ですね!
親子で1日中楽しめる『藤子・F不二雄ミュージアム』。ぜひ、お子さんと一緒に訪れてみてください!
【施設情報】
神奈川県川崎市多摩区長尾2-8-1
開館時間:10:00~18:00
休館日:火曜日、展示替機関、年末年始
最寄り駅:JR南武線「登戸駅」より川崎市バスによる直行便で9分
マンガ好きなら一度は訪れたい美術館
null近年では、『藤子・F・不二雄ミュージアム』のほかにも、マンガを取り扱う美術館や図書館などが増えてきています。単行本だけでなく、直筆原稿や当時の掲載雑誌などを見られる場合も! 興味のある方は、ぜひ足を運んでみてください。
『明治大学 現代マンガ図書館』
『明治大学 米沢嘉博記念図書館』
明治大学が運営する日本最大級の蔵書数をほこるマンガ専門の2つの図書館。どちらも企画展などを積極的に開催。開設予定の『明治大学 東京国際マンガ図書館』(仮称)に受け入れられる予定。
『杉並アニメーションミュージアム』
日本のアニメーションを体系づけて知ることができる、日本初のアニメ専門ミュージアム。名作の上映も行われている。
『弥生美術館』
絵本や雑誌、イラストレーターなどの展覧会に加え、近年は陸奥A子や滝田ゆうなど、マンガ家にまつわる展覧会を積極的に開催。多くの竹久夢二作品を所蔵する、隣接の『竹久夢二美術館』も楽しい。
『さいたま市立漫画会館』
明治~昭和時代の風刺漫画家・北沢楽天の邸宅跡に作られた、日本初のまんが美術館。北沢楽天の業績や当時の写真などを展示。
『青梅赤塚不二夫会館』
元外科医院のレトロな建物をリノベーションした、ギャグ漫画家・赤塚不二夫の絵や写真を展示する会館。直筆原稿などを展示するほか、グッズも充実。
『長谷川町子美術館』
『サザエさん』の作者である長谷川町子の美術館。マンガの原画だけでなく、彼女が集めていた美術品コレクションも展示。夏に毎年開催される「アニメ サザエさん展」は、マンガとアニメの違いなどもわかる楽しい展覧会。
(※ 情報は2018年2月現在のものです)