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日本にいるのになぜ英語を学ぶの?英語学習の意外なメリットとは「話せるようになる」だけじゃない!【東大生の学び方#3】

日本語だけで事足りる生活を送る中で、「なんのために英語を勉強するのか」という疑問を抱いたことがある人も少なくないと思います。

今回は、『読んだら勉強したくなる東大生の学び方』(著/西岡壱誠・笹間書院)の中から、学生が気づきにくい、英語学習の意外なメリットについてお届けします。

英語を通じて「異なる価値観」に触れることができる

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読んだら勉強したくなる東大生の学び方』の著者である西岡さんはかつて、英語学習に苦手意識を抱いていたと著書の中で振り返っています。

海外に行かないから英語なんて勉強しなくていい、とまで考えていた西岡さんですが、英語学習を通じて、英語を読める・聞けるようになる以外のメリットを見出していったといいます。

『読んだら勉強したくなる東大生の学び方』より

英語学習のメリットの1つが、言葉を通じて日本とは異なる価値観に触れられることです。

西岡さんは、一例として「formal(フォーマル)」という単語を取り上げています。

日本では、「フォーマルな服装=スーツや礼装」「フォーマルな場=式典やパーティー」というようなイメージを抱いている方も多いと思いますが、英語のニュアンスは少し異なるようです。

formal(フォーマル)」は、「」を示す「form(フォーム)」の形容詞。言葉のイメージとしては「その場に応じた形になっていること」です。

つまり「フォーマルな格好」とは「その場の形式に則っていること」です。単にスーツや礼服というわけでなく、ウィンブルドンでのテニス観戦、華やかなパーティー、格調高いレストランでの食事……など、それぞれの場に応じた「フォーマル」がある、ということになります。

ちなみに、英語には「form」を含んだ単語がいくつもあります。「format(書式)」「formation(形態)」「formula(公式) 」「perform(実行する)」「transform(形を変える)」などなど。

英語圏においても、さまざまな場面で「形式」「型」が意識されていることが見えてきます。

英語学習で日本語の理解も深まっていく!

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西岡さんは著書の中で、外国語の学習は、その言葉を使っている人たちの価値観に触れ、ひいては、母国語の文化をより深く理解することにもつながっていくといいます。

言語と文化は表裏一体と言われていますが、外国語を吸収することは、異なる文化を持つ人たちの価値観に触れることでもあるんですね。

余談ではありますが、この『読んだら勉強したくなる東大生の学び方』を読んでいたら、筆者の大学時代の記憶がよみがえってきました。筆者は、大学時代に外国語学部だったのですが、別の言語を話すときに、別の人格に豹変する人が何人もいました。

母国語と異なる言葉を学び、活用することで、その文化に身を置く「未知の自分」を発見する瞬間もあるのかもしれないな、とも思った次第です。

「なぜ勉強するのか?」に向き合った1冊

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著者の西岡さんが「何で勉強しなければならないんですか?」という質問に、愚直に向き合って答えを考えたという『読んだら勉強したくなる東大生の学び方』。

現役の学生だけでなく、慌ただしい日々を送る大人にとっても、学びの意欲が刺激される1冊です。冬のおこもり読書の1冊にセレクトしてみてはいかがでしょうか。

 

イラスト/白井 匠


【参考書籍】

『読んだら勉強したくなる東大生の学び方』(著:西岡 壱誠・笠間書院、1,760円・税込)

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西岡 壱誠 (にしおか いっせい)

東大生、株式会社カルペ・ディエム代表、日曜劇場「ドラゴン桜」監修。1996年生まれ。偏差値35から東大を目指し、3年目に合格を果たす。在学中の2020年に株式会社カルペ・ディエム(https://carpe-di-em.jp/)を設立、代表に就任。全国の高校で「リアルドラゴン桜プロジェクト」を実施し、高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。テレビ番組「100%!アピールちゃん」(TBS系)では、タレントの小倉優子氏の早稲田大学受験をサポート。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営し、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。著書『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』『「伝える力」と「地頭力」がいっきに高まる 東大作文』『「考える技術」と「地頭力」がいっきに身につく 東大思考』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計45万部のベストセラー。

北川和子
北川和子

自治体HP、プレスリリース、コラム、広告制作などWEBを中心に幅広いジャンルで執筆中。『kufura』では夫婦・親子のアンケート記事やビジネスマナーの取材記事を担当している。3児の母で、子ども乗せ自転車の累計走行距離は約2万キロ。地域の末端から家族と社会について日々考察を重ねている。

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