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ゲーム三昧でイライラする前に…!国語講師が教える「夏休みに子どもの読書習慣をつける」方法

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新型コロナウイルスの感染拡大によりレジャー計画を立てにくい今年の夏。多くの家庭では、例年と比べてお子さんが自宅で過ごす時間が増えるのではないでしょうか。中には、家にいると子どもがゲームや動画視聴の時間が長くなる……と悩むお父さん・お母さんも多いようです。

今回は、『明日の自分が確実に変わる 10分読書』(集英社)の著者である吉田裕子さんに、子どもの読書習慣を身につけるために家庭で実践したいことについてお話をうかがいました。

塾の最難関大クラスで国語を教えている吉田さんは、塾や予備校に行かずに東京大学文科三類に現役合格し、学科首席で卒業した経歴の持ち主。そんな吉田さんが幼い頃から研磨してきた読書術は、著書に“吉田式読書”とまとめられており、日常を豊かにするヒントが詰まっています。

読書は「自分の想像力を使って自分で自分を楽しくする娯楽」

―今年の夏休みは室内で過ごす時間が増えそうですが、子育て中のお父さん、お母さんからは「室内で長く過ごしていると、ゲームやインターネットの動画視聴ばかりになってしまうのでは」という声が聞かれます。

吉田裕子さん(以下、吉田):ゲーム機器やスマートフォンなどのデジタルツールは適度に使うことができればいいと思いますが、それ以外にもいろんな楽しみの引き出しを持っておけるといいですよね。

―できれば、読書の時間も持ってほしいと、小学生を育てている私も常々思っているわけですが、読書ならではの魅力ってズバリなんでしょうか。

吉田:読書は、能動的に楽しめる娯楽です。もちろん、ゲームも能動的に楽しめるツールかもしれませんが、自分の主体性と想像力により”自分で自分を楽しくさせることができる”というところは、読書ならではの魅力です。また、他者への想像力を培うためにも有効だと思います。

子どもが選んできた本をけなすのは絶対NG!

―絵本を卒業したばかりの子の中には「字の本を読むのは大変」「マンガはいいけど本は嫌い」という子もいます。苦手意識を克服するためにできることはありますか?

吉田:まずは、お子さんに読みたい本を選ばせてあげることだと思います。

絵本に近いものでも、ギャグ路線のものでも、ゲームと連動しているライトノベルでも、アニメのノベライズ小説でも、歴史のコミックでも、最初はなんでもいいんです。

お子さんが選んできた本を見て「こんなに絵ばかりの本を選んで!」などと言わないことが大切です。

―あぁ、私この前、長男が人気コミックのノベライズ版を買ってきたときに「もうマンガで読んだのに、何がおもしろいの?」って言っちゃいました(反省)。子どもが自分で選んできた本の世界に没頭していたら、その本選びは成功だと思っていいんですね。

吉田:そうです。とにかく、本の形をしているものへの抵抗感を減らすことが大切です。

「絵本館」という出版社が作った「子どもを本好きにするには」というポスターがとても参考になりますよ。こんな5か条です。

(1) 本代としておこづかいをわたす

(2) 子どもといっしょに本屋に行く

(3) 親も子どもも自由に本をえらぶ

(4) 子どもがどんな本をえらんでもけっしてもんくを言わない

(5) そして買ってかえる

(絵本館「子どもを本好きにするには…」ポスターより)

―親としては「あの名作を読んで欲しい」という欲目もあるので、ちょっと耳が痛いです! 子どもが主体的に選ぶことが大切なんですね……。じゃあやっぱり、親が選んで買って本棚に置いていても、読んでくれない可能性があるんですね。

吉田:例えば、お子さんが影響を受けているユーチューバーやスポーツ選手がすすめていたら、読むかもしれませんが……。

もしくは、お父さん・お母さん自身が(義務感に駆られてではなく)、ものすごくおもしろいと思いながら夢中で読み進めていたなら、子どももつられて読んでみたいと思うのではないでしょうか。

―いずれにせよ、「小学生なら、この本くらい読んでおけ!」と強要はしないほうがよさそうですね……。

読書感想文の本、どうやって選ぶ?

―今年は臨時休校の影響で夏休みが短縮され、読書感想文がなくなったり自由提出という学校もあるようですが、提出する場合、本は自分で選ばせたほうがいいでしょうか。

吉田:読書感想文の本は、課題図書の中から選ぶ場合もあると思いますが、そうであっても、やはりお子さんに選ばせてあげて欲しいと思います。

読了後、最初から整った作文にまとめさせるのではなく、

・主人公との共通点

・おもしろかったところ

・自分が興味をもったこと

・ストーリーと関連する自分の体験

などを、箇条書きで自由に書き出させてみると、作文の内容がふくらみやすくなるのではないでしょうか。

 

以上、今回は子どもの読書習慣を身につけるために家庭でできることについてお届けしました。

吉田先生のお話を聞いてみて、親が「ゲームばっかりやっていないで字の本を読みなさい!」と熱血指導するよりも、子どもと本との出会いの機会をもうけつつ、同じ空間にいながらそれぞれ勝手に読書を楽しむ……という“ぬるま湯サポート”がいいのかな、と感じた次第です。

今年は思い切り旅行を楽しむということが難しそうなので、活字の世界を通じて違う世界に旅をできたらいいですね!


 

【取材協力】

吉田裕子

国語講師。塾やカルチャースクールなどで教える。NHK Eテレ「ニューベンゼミ」に国語の専門家として出演するなど、日本語・言葉遣いに関わる仕事多数。著著『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)は10万部を突破。他に『正しい日本語の使い方』『大人の文章術』(枻出版社)、『英語にできない日本の美しい言葉』(青春出版社)など。東京大学教養学部卒。

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