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三世代同居について、じいじ・ばあばのリアルな声。「孫と暮らす」のは、実際どう?

子育て、介護、土地と家を守る、家賃の節約、家のしきたり……などなど、“三世代同居”の目的は家庭によって異なります。同時に家庭ごとに悩みも様々。今回は、おじいちゃん・おばあちゃんの視点から“三世代同居”でよかったこと、大変だったことを聞いてみました。

「孫と同居中」の祖父母は1割強と少数派!

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まず、孫がいる男女329人に孫との同居経験について聞いてみたところ、結果は以下のようになりました。

現在同居している・・・11.2%
以前同居していた・・・8.2%
同居したことがない・・・80.5%

さらに『平成29年版高齢社会白書(全体版)』も参照してみると、65歳以上の男女がいる世帯の中で、3世代世帯の割合は12.2%。

このように、孫と同居するシニア男女は少数派になっているようです。続いて、同居を経験した64人の男女に率直な感想を聞いてみます。

“よかったこと”“大変だったこと”について聞いてみました。

孫と同居して「よかったこと」

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孫との同居を通じて「よかった」という回答は、以下の理由に多く集まっていました。

3位・・・生活の張り合いがある(7人)

「日々の刺激になっている。張り合いがある」(63歳・男性/医師)

「一緒に遊ぼうと言ってくるので退屈しなくてかわいい」(68歳・女性/主婦)

2位・・・孫がかわいい(9人)

「とにかく『目に入れても痛くない』という言葉が実感できました。とても幸せな気持ちで過ごすことができ感謝しています」(69歳・男性/技術職)

「無心な姿が可愛い動きをみればストレス解消になった」(69歳・男性/その他)

1位・・・楽しい&うれしい(12人)

「毎日が楽しい」(67歳・男性/その他)

「毎日顔が見られて成長してるのがわかる喜びとうれしさ」(50歳・女性/その他)

「おいしい」「楽しい」「寂しい」を共有しあえる相手がいることで、生活の張り合いが出るという声や、孫の成長を見守る喜びの声が寄せられました。

孫と同居して「残念だったこと」

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続いて、孫との同居で残念に感じたことについて聞いてみました。結果としては、「残念だと感じたことはない」が19人と最多。具体的な項目については、以下の結果に回答が集まりました。

3位・・・孫の親との関係性を通じて(4人)

「いくらかわいがっても自分の子どもではないので決定権がない」(62歳・女性/その他)

「娘が育児を私に任せて楽をするので腹が立つ時がある」(50歳・女性/その他)

2位・・・騒がしいときもある(7人)

「毎日がうるさい」(67歳・その他/男性)

「毎日騒がしい」(63歳・医師/男性)

1位・・・自分の時間がない(8人)

「自由に使える自分の時間がなくなる」(65歳・女性/その他)

「自分の時間がディスターブ(編集部注:妨害・じゃま)される」(70歳・男性/その他)

三世代同居をするにあたり、玄関やリビング、台所を分けている家庭もありますが、総じて距離感が近すぎるゆえの悩みが集まっていました。また、子育てをサポートすべく、たくさんのお金と労力を“ギブ”しているにもかかわらず、“テイク”の量が少ないことに少々不満を感じている声も……。

孫が息子の子どもか娘の子どもか、祖父母と親の関係性は良好かどうかによっても家の中の雰囲気はずいぶん変わってくるのでしょう。孫の親にアンケートをとったら、また違った回答が集まってきそうですね。

以上、今回は、三世代同居の“よかったこと”“残念だったこと”のアンケート結果をご紹介しました。

“孤育て”がすすみ、親が担う責任が増大しているからこそ、祖父母をはじめとした親以外の大人が子育てにおいて大きな存在感を持つこともあります。祖父母は「子育てや家事のやり方に介入しすぎないこと」、親世代は「サポートを当たり前としないこと」の一線を守り、それぞれの世代が快適に感じられる心理的距離、物理的距離のバランスを探っていきたいものです。

 

【参考】

平成29年版高齢社会白書(全体版)- 内閣府

 

cstock.adobe.com

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