いろいろあるよ!駅弁
null「駅弁」は気軽に地方の名物を楽しむことができる宝籍。宝箱にも、実に様々なものがあります。中には20回以上食べているものも。私が何度も食べている駅弁の、ほんの一部を紹介します。
日常でよく食べる駅弁
null旅先だけでなく、普段も駅弁を食べています。ご飯として買ったり、飲みのアテに買ったり、都内で買えるものはよくリピートしています。
シウマイ弁当(崎陽軒)横浜駅

シウマイ弁当は大変よく知られている駅弁ですね。豚肉にホタテの貝柱を使ったシウマイは、昔ながらの製法で味がしっかり。ご飯は蒸気で炊かれていて、冷めていてもモチモチとした食感です。経木のお弁当箱を使っているので、ご飯やおかずの水分がほどよく吸収され、いつでもおいしい状態が保たれています。
関西シウマイ弁当(まねき食品)姫路駅

関西シウマイ弁当(まねき食品)姫路駅
崎陽軒とまねき食品がコラボし誕生したお弁当。見た目とサイズは「シウマイ弁当」とほぼ同じですが、関西のシウマイは、昆布と鰹節で旨みを引き出した関西出汁を使い、豚肉に刻みレンコンを混ぜています。ほかのおかずも味は関西で、素材もちょっとずつ違うのです。筍煮は「まねきのえきそば」のだしで煮ています。
鶏めし(花善)大舘駅

鶏めし(花善)大舘駅
甘辛く煮込んだ鶏肉と、秘伝のスープで炊き込んだあきたこまちのご飯が非常においしく、箸が止まりません。これはお酒を飲みながらというよりも、食事として一気に食べてしまいます。
海苔のりべん(福豆屋)郡山駅

海苔のりべん(福豆屋)郡山駅
見た目は普通の海苔弁なのですが、海苔はご飯の間に2層になっていて、昆布佃煮も入り、食べ飽きることがありません。おかずは卵焼きと焼鮭が、縦に詰め込まれているので、引き出すと大きくてびっくり!
初めて食べたときに感動した駅弁
nullどの駅弁も初めて食べた時はたいてい感動するのですが、その中でも具材や食べ方など、工夫されているなあ、と感動したものを選びました。現地に行かないと食べられないことで、ますます感動するのかもしれません。
母恋めし(母恋めし本舗)母恋駅

貝殻に入ったホッキ貝のおにぎりが、非常においしい! お箸がなく、手を汚さずに食べられるよう、1つ1つビニールの個包装になっています。燻製チーズやたまごは香りがよく、ビールにもよく合います。1日40個限定です。
百年の旅物語 かれい川(森の弁当やまだ屋)嘉例川駅


鹿児島県で最も古い木造駅舎「嘉例川駅」で土日祝の10時半~のみ売られている駅弁。おかずは野菜だけで作られているとは思えないほどボリュームあり。中でも「ガネ」(さつまいも)の天ぷらがすばらしいです。
私にとって駅弁とは……?
nullテレビやラジオに時々出演させていただくのですが、「あなたにとって駅弁とは?」とよく聞かれます。
簡潔に答えないとならないので、『駅弁は日本の守っていくべき文化、人生の愉しみ』と答えていますが、初めての駅弁の箱を開ける時は、まるで宝箱を開けるに等しいワクワク感がありますし、食べて感動した時は、「ここに来てよかったー!」とその土地自体が大好きになります。ほかにもいろいろと、駅弁には、ひとことでは表せない感情がたくさん詰まっているんですよね。
そんな想いが『ひとりで楽しむ鉄道旅 駅弁めぐり篇』でちょっとでも伝わればいいな、と思います。どうぞお楽しみください。

やすこーんさん
やすこーんさん
漫画家&文筆家。駅弁、駅そば、お酒、温泉を楽しむ鉄道ひとり旅が好き。
特に「駅弁」に関しては造詣が深く、食べた駅弁の数は2500個以上。掛け紙や容器のコレクターでもあり、テレビやラジオにも多数出演。代表作は『おんな鉄道ひとり旅』全2巻(小学館)、『メシ鉄!!!』全3巻(集英社)、『イラストで読む!鉄道知識と旅の基本鉄道イロハ」(イカロス出版 )、「食べて飲んで ひとりで楽しむ鉄道旅」(玄光社)ほか。東京都西荻窪在住17年、温泉ソムリエマスター、旅行地理検定3級。
『東洋経済オンライン』、『旅行読売』(旅行読売出版社)などで連載中。