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塩をまぶすだけの「塩豚」さえ作っておけば!わが家の「スープ」レシピはこんな風に【お米農家のヨメごはん】

こんにちは! 富山県の黒部市というところで、お米だけを作っている小さな小さな農家の濱田律子です。旦那とココ(娘・17歳)と3人で、地道に真面目にコツコツとお米を作りながら、仕事に子育てにドタバタもがきつつも楽しく暮らす。そんな私たちの、食卓周りの日常を皆さんにお伝えする連載168回目。

今回は、我が家で常備している塩豚を使ったスープと、この時期もやる事いっぱい!秋の草刈りについてお伝えしたいと思います。

「塩豚」が我が家の冷蔵庫のレギュラー

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我が家の冷蔵庫に常に入っているもの、牛乳や卵、バターはもちろんだけれど、とにかく外せないのがこの、塩豚。

豚バラの塊肉に塩を多めにまぶしてラップでしっかり巻いて、冷蔵庫で寝かせている。

数日ほどで熟成していき、お肉の旨味がしっかり引き出される。1週間以上たつと、パンチェッタのようにもなる。

今回はこの塩豚を使って、肌寒くなってきたこの季節にぴったりのスープを仕込んだ。

といっても特別に作るわけではなく、冷蔵庫にあるお野菜を塩豚と一緒に煮込むだけ。

この時は、ネギ・サツマイモ・キャベツ・シメジを使用。

適当に水を入れて火にかけるだけ。本当にそれだけ。あればローリエを入れてもいい(この時は切らしていた)。

味付けは、塩豚の塩加減を見ながら少しの塩と、多めにガリッと挽いた胡椒のみ。

たったこれだけで、本当に美味しいスープになる。しかも食べ応え満点。

ご飯にもパンにも合うし、どちらもなくても大丈夫。身体もあったまるし心も満たされる。

こういうお料理こそ、家庭ならでは。たくさん作っておけば好きなだけおかわりもできる。

もう一種類も冷蔵庫にあるお野菜、キャベツと玉ねぎで。この時はローリエがあったので、1枚ぱらりと投入。それ以外は塩胡椒だけ。

お勧めは、1日目は塩胡椒だけ。翌日からホールトマトを加えたり、味噌風味にする事。

最後はカレーもお勧め。バリエーションを楽しめる。

この時はスライスしたレモンを添えて、サッパリと。

グッと冷え込んで体調を崩した時でも、酸味のきいたスープなら身体が受けつける事もあるだろう。

塩豚と冷蔵庫にあるお野菜を組み合わせたスープ、これからもっともっと寒くなる季節にいろいろ楽しもうと思う。

秋の田んぼは「草刈り」の時期

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さて田んぼでは。

稲刈りが終わって乾燥調製(刈り取った籾を乾燥させて籾殻を取り除き玄米にする作業)も全て終えて、新米お届けも一段落。その間2カ月ほど。

あっという間に田んぼの畔(あぜ)は、雑草が生い茂った状態に……。こんな秋晴れの日を狙って、草刈りに励んでいる。

米作りは、ただ単に田植えと稲刈りだけではない。

田植えまでには、苗を育て田んぼをトラクターで耕す期間が2カ月ほどある。稲刈りの後も、乾燥調製や秋起こしなどがある。何より田植えと稲刈りの間はこうして、草刈りばかりしている。

こういう、世間ではあまり知られていない、地味で地道な作業の連続の上で米作りは成り立っている。

この連載を通して、そんな地味で地道な作業についてもたくさん書いてきた。米作りの、華々しい表側も地味な裏側も、どちらも皆さまにお伝えしたいという思いで。

お米の価格が安い割に設備投資が必要な米農家になる事は、就農した20年前にたくさんの方から反対された。

そんな新米農家だった30代の私たちは、無我夢中で米作りを続け生活者の皆さまに直接お米をお届けする直売も積極的に取り組んだ。

あれから時が流れ、去年から収まらない米騒動で振り回されつつ50代半ばになろうとしている。

日々の農作業や直売対応に、体も心も悲鳴を上げているけれど、それでも「米」専業農家としての人生はもう少し続いていくはず。

日本人の主食であるお米を作っている事、それが私たちの誇りでありモチベーションだ。

田舎の小さな米農家の連載を通して米作りの様子をお届けしてきたけれど、長らくお付き合いいただいたこの連載も、残すところあと1回のみ。

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

濱田律子
濱田律子

愛知県生まれ、千葉(スイカの名産地・富里)育ち。大学卒業後カナダへ。バンクーバー、カムループス、バンフと移り住み、10年間現地の旅行会社で働く。カナダの永住権を取得したにも係わらず、見ず知らずの富山県黒部市で農家に転身。米作りをしながら、旦那とココ(娘)と3人で日々の暮らしを楽しんでいます。黒部の専業米農家『濱田ファーム』はこちら。

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