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「ピーマンの肉詰め」ピーマンをこう切れば“小麦粉いらず”だった!【お米農家のヨメごはん】

こんにちは! 富山県の黒部市というところで、お米だけを作っている小さな小さな農家の濱田律子です。旦那とココ(娘・17歳)と3人で、地道に真面目にコツコツとお米を作りながら、仕事に子育てにドタバタもがきつつも楽しく暮らす。そんな私たちの、食卓周りの日常を皆さんにお伝えする連載163回目。

前回に引き続き夏野菜を使ったお料理、今回はピーマンの肉詰めと、もうすぐ稲刈り! 稲刈り準備についてお伝えしたいと思います。

ピーマンの「切り方」が大事!

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夏野菜が冷蔵庫から溢れがちな、嬉しい季節。
大量消費レシピなどを参考にしながら、せっせとお料理している。前回はズッキーニについて書いたけれど、今回はピーマン。

ピーマン料理の王様は、個人的には肉詰めだと思っている。けれどもこれまで、実は一度も作った事がなかった。何だか面倒くさそうな気がしていたからだ。

肉だねはそのままハンバーグで焼けばそれだけで美味しいのに、わざわざピーマンに詰めるだなんて! しかも中身が剥がれ出してこないように、小麦粉を振る必要があるだなんて!!

合いびき肉・玉ねぎのみじん切り・卵・小麦粉・塩胡椒をよーーく混ぜ合わせながら、このままハンバーグとして食べたい気持ちをグッと堪える。

いずれにしても、手でよく練るようにして混ぜるのがポイント。最近は手が汚れるのを敬遠して、ポリ袋を使うレシピを見かける事も多い。けれども私の場合、つい力が入りすぎて袋が破れ、イライラする場面が容易に想像できる。ので、最初から手を使う事にしている。

そもそもこの手の感触って、けっこう大事だと思う。肉の脂が溶けて、ねっとりする手触りを感じるまで混ぜるのだ。

そうしてから、ハンバーグにはせず初志貫徹、というと大げさだが、ピーマンに詰めた。

ピーマンを斜めに切れば、中身が出てこないというコツをどこかで目にした事がある。恐らく、SNSのレシピ投稿だろう。切り方を変えるだけで小麦粉をふらなくていいだなんて、なんて素晴らしいのだ!……後で調べたら、元は料理家・コウケンテツさんのレシピだった。さすがプロの技!

肉の面の方からフライパンで焼き色を付けて、ひっくり返す。あとは、水を入れて蓋をして蒸し焼き。

醤油をかけるだけでも、小さい子どもならケチャップでもいいだろう。この時は醤油と味醂、酒を合わせた甘辛いソースにして、片栗粉で少しとろみをつけた。

この作り方なら、私でもまた気が向いた時に気軽に作れそう。実は今回、大量に作って半分は冷凍しておいた。いつかおかずに困った時に活躍してくれそうだ、心強い。

「お墓参り」で考えた、一人娘の将来

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さて夏休みが既に終わってしまった娘だが、後半は宿題に追われて大変そうだった。

あまり友達と遊びに出かける事もなく、家に籠ってばかりだった娘。と一緒に、お盆はお墓参りへ。

ご近所なのでこうして、田んぼを見ながら歩いて行ける。

何年たってもこの、お墓の大きさに慣れない私。お盆の前に綺麗に石を磨き上げるのは、旦那さんの仕事だ。そうしてお墓を前に、いろいろ考える。この先この、大きなお墓を誰が守り継いでいくのだろうか、と。

田舎にはまだ本家とか分家とか長男とか嫁とか、いろいろ保守的な考えが根強く残っている。だからこそこういうお墓参りという風習も、しっかりと受け継がれているのだろう。それはそれで本当に素晴らしいと思う。でも。

本家の長男の旦那さんと私との間には、子どもは娘1人。将来、お墓の管理を娘にお願いするのは忍びない。
正直に書くと、お墓に縛られず自由に生きてほしいと思うのだ。

そんな、お墓のこれからと娘の将来の人生を考えた、暑い熱いお盆休みとなった。

稲刈りの準備、真っ最中です!

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さて残暑が厳しい日が続いているが、田んぼはもう少しで収穫の秋を迎える。

稲刈り準備の真っ最中の作業所では、乾燥調製(刈り取った籾を乾燥→選別→玄米にする作業)に使うたくさんの農機具の掃除と整備に大忙しだ。

作業所の中は強烈な日差しがない分だけ暑さはマシかと思いきや、風も入らず過酷な環境になっている。こうして、空調服と呼ばれるファン付きベストを着ているものの、熱風が回り続けるだけでなかなかしんどいようだ。

乾燥調製で使う農機具はたくさんあるのだが、中でも乾燥機が一番の大物。大きさも高さも埃っぽさも暗さも暑さも、他の農機具の掃除とは一線を画す。

高所恐怖症の旦那さん、足がもつれないよう注意しながら乾燥機の天井へ。

そこからこの箱の内部に入り込み、1年で溜まった埃などなどのゴミを掃除する。コンバインで刈り取った籾を張り込んで、貯蔵に適した水分量に乾燥させる大事な工程だ。手は抜けない。

我が家には4台の乾燥機がある。

全てきれいに掃除をして試運転をして、準備万端で稲刈りを迎えたいと思います!

濱田律子
濱田律子

愛知県生まれ、千葉(スイカの名産地・富里)育ち。大学卒業後カナダへ。バンクーバー、カムループス、バンフと移り住み、10年間現地の旅行会社で働く。カナダの永住権を取得したにも係わらず、見ず知らずの富山県黒部市で農家に転身。米作りをしながら、旦那とココ(娘)と3人で日々の暮らしを楽しんでいます。黒部の専業米農家『濱田ファーム』はこちら。

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