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父に髪を切ってもらう娘(高2)。話が弾む二人の話題に母は…【お米農家のヨメごはん】

こんにちは!富山県の黒部市というところで、お米だけを作っている小さな小さな農家の濱田律子です。旦那とココ(娘・17歳)と3人で、地道に真面目にコツコツとお米を作りながら、仕事に子育てにドタバタもがきつつも楽しく暮らす。そんな私たちの、食卓周りの日常を皆さんにお伝えする連載159回目。

今回は、新茶をいただくホッとする時間と、娘と旦那さんの床屋さんごっこ(?)についてお伝えしたいと思います。

日本茶の愉しみ

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新茶の季節は、気候や地域によって違いはあるけれど、5月の初め頃から始まるだろうか。立春から数えて88日が過ぎた頃の八十八夜が、ちょうどその頃。

気温が上がって霜がほとんど降りなくなり、お茶農家さんにとって忙しい時期だと想像する。

新茶が新茶として扱われるのは、6〜7月ごろまでなんだそう。

というわけで今回は、この時期ならではの瑞々しい爽やかな香りを楽しめる新茶について書いてみたい。

我が家には、毎年かならず鹿児島の農家さんから新茶が届く。お茶は静岡や京都のイメージが強いけれど、生産量は鹿児島が全国1位だとか。毎年同じ時期に産地から届く新茶は、まるでボジョレー・ヌーヴォーのようだ。

ボジョレー・ヌーヴォーは、フランス・ブルゴーニュ地方のボジョレー地区で造られるワインの新酒(ヌーヴォー)の事。その年に収穫したブドウで造られるワインをいち早くいただき、新鮮なブドウのフレッシュでフルーティーな味わいを楽しむ。その日本版が、新茶のお便りのようだと常々感じていた。

爽やかですっきりとした味わいから徐々に熟成されていき、優しい茶葉の甘みがこっくりとした味わいになっていく。その変化もまた面白い。

お茶を入れるとなるとつい、茶葉の量とかお湯の温度など、いろいろ身構えてしまう私。
でも自分で楽しむだけなのだから、適度に適当に。

気をつけるのはお湯の温度くらい。沸騰したお湯を湯のみに移して、湯冷まししたお湯で入れる。

あとは、美味しいお茶請けと共にいただくだけ。

湯のみや急須などにこだわるのも楽しい。それだけで、かなり贅沢な気分になれる。

我が家には茶托はないのでコースターを使っているけれど、こういうもので雰囲気が大きく変わるのも面白い。

お茶は、もちろん冷たくしても美味しい。何とも言えない深い緑の色に氷を浮かべるだけで、涼しく感じる。

その時の気分や天候に応じて楽しめるのが、お茶の奥深さなのかもしれない。私の人生には茶道は縁がなかったけれど、お茶に思いを馳せるだけで少しだけ、その道の世界を垣間見れたような気がした。

ホッとしたい時も暑い日も、お茶が寄り添ってくれる事に感謝。何より、お茶農家さんに今年も美味しかったとお伝えしたい。

来年の新茶の季節も楽しみだ。

娘と父のこんなコミュニケーション

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さてさて雨の日々が続いていて、旦那さんの農作業はちょっと一休み中。娘も期末テストで、家にいる時間帯が多い。

そんな2人が、リビングで床屋さんごっこをしていた。

毛量が多くて暑い・乾かしづらい・うねるという悩みを一気に解決すべく、娘は内側の髪を刈り上げにしている。定期的にバリカンで整えているのだが、この日は旦那さんにやってもらっていた。

微笑ましい2人の姿。話題は2人の好きなアニメや映画の事など、会話が弾んでいた。

私とは興味の対象が違うので、2人の世界には入り込めない。ちょっと仲間はずれな気分。

だけれど、チチとムスメが仲良いとハハの私も何だか嬉しいのです!

濱田律子
濱田律子

愛知県生まれ、千葉(スイカの名産地・富里)育ち。大学卒業後カナダへ。バンクーバー、カムループス、バンフと移り住み、10年間現地の旅行会社で働く。カナダの永住権を取得したにも係わらず、見ず知らずの富山県黒部市で農家に転身。米作りをしながら、旦那とココ(娘)と3人で日々の暮らしを楽しんでいます。黒部の専業米農家『濱田ファーム』はこちら。

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