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超簡単なのに「ごちそう感」が出る「豚とキャベツの煮込み」は田植え前の多忙な我が家の救世主【お米農家のヨメごはん】

こんにちは! 富山県の黒部市というところで、お米だけを作っている小さな小さな農家の濱田律子です。旦那とココ(娘・16歳)と3人で、地道に真面目にコツコツとお米を作りながら、仕事に子育てにドタバタもがきつつも楽しく暮らす。そんな私たちの、食卓周りの日常を皆さんにお伝えする連載155回目。

今回は、忙しい日々でもちょっとご馳走感ある週末の夜ごはんと、田植えに向けて苗を育てる作業についてお伝えしたいと思います。

材料は「お肉と玉ねぎとキャベツ」だけ!

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どうにもこうにも忙しい。
春作業は、田植え前の今が一番の忙しさだ。できる事ならば仕事に専念させてもらって、ご飯作りは遠慮したい。だからといって、外食に行くのもお惣菜を買いに行くのも面倒。

家にある材料(生協の週1宅配を利用)だけで、何とかやり繰りしたい。

簡単にできて美味しくて、週末は少しごちそう感があって、ワインがちょっぴり進むお料理で。

というわけで、豚肩ロースの煮込み料理に決定!

材料は、お肉と玉ねぎとキャベツ。あとは、ニンニクとローリエと塩胡椒だけ。

まずは、豚肩ロースにしっかり目に塩胡椒。お鍋にオリーブオイルを温めたらお肉を投入して、焼き色をつける。

この焦げ目が、煮込みに深い味わいを出してくれる。

 

ニンニクと、くし形に切った玉ねぎを入れて、ざく切りのキャベツを最後にかぶせるようにのせる。

そしてローリエを1枚。

蓋をして蒸し焼きに。

無水鍋だからこそできる調理法。琺瑯鍋でもいいけれど、私にはもう重くて持てない。最近はもっぱら、無水鍋を愛用している。

お肉に火が通り、野菜がクタッとするまで15分くらいだろうか。最後に塩胡椒して完成。書いていてもビックリ、本当にお手軽!

お皿に盛りつけ。
パセリをふって、粒マスタードを添えればごちそう感がでる(気がする)!

週末の夕暮れ時、ワインとパンとでゆっくりした食卓。まだまだ続く春作業を駆け抜ける為にも、こんな時間は絶対不可欠。

お風呂に入って早めに寝たら、また翌日から頑張れそう。

田植えに向けて苗を育てる「育苗」で大忙し!

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さてこの時期の忙しさの大きな要因は、育苗(いくびょう=苗を育てる)だ。

前回もお伝えした通り、田植えに向けて苗を育てる作業がずっと続いている。播種(はしゅ=種まき))した苗箱は、作業所からビニールハウスに搬入され、こうして黒いシートで覆われる。

数日おいて温度をかけると、モヤシのような白い芽が出てくる。

そうしたら、ビニールハウス一面に広げていく。これが、かなりの重労働。

何せビニールハウスという温室の中での作業なので、とにかく暑い。おまけに、苗箱も微妙に重い。

加えてこの姿勢での作業だ、なかなか腰にくる。それでも娘(高2)は、淡々と黙々と苗箱を並べていく。文句も言わず、嫌な顔もせずに。

サラリーマン家庭で育った私の勝手なイメージなのだが、農家の家の子どもは農業を嫌がる傾向があると思っていた。汚い辛い儲からないと揶揄される農業を、敬遠するのかなと。

でも周りの農家さんやうちの娘もそうだが、農業に対する抵抗感はあまりないようだ。たとえお小遣い目当てだとしても、娘は嫌がらずにせっせとお手伝いしてくれる。

本当に助かる。けれどもこれも、あともう少しだけかもしれない。娘が家から旅立ったら、娘には頼れない。

ちょっと困るけれどでも、娘に頼らなくても大丈夫なように、私たちが仕事のやり方や人手の確保を考えなくてはいけない。

その時はもう、すぐそこまでやってきている。

さて苗箱を並べ終わったら、遮光用の白いシートで覆う。急激に強い日差しをあてて、苗が驚かないようにする為だ。

2,3日でシートを取り払うとそこには、青々とした苗が姿を現す。

この光景には毎年、本当に感動してしまう。

苗1本1本に水滴がまとう美しさに、心が洗われるようだ。

水やりと温度管理で気持ちが張りつめる日々だけれど、苗が田んぼに巣立っていくまでしっかりと育て上げます!

濱田律子
濱田律子

愛知県生まれ、千葉(スイカの名産地・富里)育ち。大学卒業後カナダへ。バンクーバー、カムループス、バンフと移り住み、10年間現地の旅行会社で働く。カナダの永住権を取得したにも係わらず、見ず知らずの富山県黒部市で農家に転身。米作りをしながら、旦那とココ(娘)と3人で日々の暮らしを楽しんでいます。黒部の専業米農家『濱田ファーム』はこちら。

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