子どもの「この問題がわからない」に、言ってはいけない一言
null子どもに勉強をがんばってほしい、成績上位を目指してほしい。勉強のモチベーションを維持してほしい。
そんなふうに、子どもに対する期待がふくらむと、いろんなことを言いたくなってしまうかもしれません。
過去に勉強が得意だった男性読者の皆さんは、こんな一言を投げかけてしまったことはありませんか?
「なんでこんな問題ができないんだよ。お父さんが学生の頃は、こんなのすぐできたけどなあ」
『お父さんのための言いかえ図鑑 家族関係がすっきりポジティブに変わる』著者の大野さんによれば、「もっと勉強をがんばってほしい」「子どもにやる気を出して欲しい」という思いで言ったのだとしたら、上記の言葉は「逆効果」だといいます。
子どもにとっては自分の能力を過小評価されている、ダメ出しされていると感じ、勉強の意欲の低下につながる可能性さえあるようです。
もし「父親の威厳を保ちたい」という、別の目的があったとしても、過去の自慢ではその目的が達成することはなさそうです。
子どもの勉強を見るときに大切なことは?
nullそれでは「問題の解き方がわからない」と言われたときには、どんなふうに向き合うのがいいのでしょうか。
子どもがわからない問題は「一緒に考える」「一緒学ぶ」
大野さんによれば、「勉強をがんばってほしい」という目的にたちかえると、子どもがわからない問題があったときには「一緒に考える」「一緒に学ぶ」言葉があると、子どもの受け止め方が変わるとのことです。
【こう言い換える】
・どこがわからないの?
・わからなくなったところまで一緒に戻ってみよう
子どもから質問を受けたとき、過去の自慢話やダメ出しで応答せずに、同じ目線で問題と向き合って、質問しやすい関係性を築いておけるといいですね。
そんなつもりはなかった…妻に向けた「悪気のない一言」に要注意
null『お父さんのための言いかえ図鑑 家族関係がすっきりポジティブに変わる』は、家庭の中でよくある夫婦の会話のシチュエーションを例にあげながら、お父さんが何気なく口にしてしまいがちなNGワードを紹介する本です。
その言葉を家族がどう受け止め、ひずみを生んでしまうのか、どんなふうに言い換えたら、お互いがもっと気持ちよく会話ができるのかがわかりやすく解説されています。
親子関係においては、親は「自分の話を聞いてほしい」という思いが先立ってしまうこともあるかもしれませんが、向き合って子どもの話を「聞く」ことが大切とのことです。これは、さまざまな人間関係に通ずる点かもしれません。
イラスト/かとうとおる
『お父さんのための言いかえ図鑑 家族関係がすっきりポジティブに変わる』(著/大野萌子・笠間書院、1,870円・税込)
家庭内で不適切な発言していませんか!?
言い方ひとつで夫婦・親子のコミュニケーションが楽になる!
累計61万部突破の“言いかえ”著者が贈る、
仕事も家庭も大事にしたいビジネスパーソン必読の会話本。
大野萌子(おおの・もえこ)
公認心理師。2級キャリアコンサルティング技能士。産業カウンセラー。
(一社)日本メンタルアップ支援機構代表理事、企業内カウンセラーとして長年の現場経験を生かし、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント教育を得意とする。官公庁・企業・大学などで講演・研修を6万人以上に実施。シリーズ51万部を突破した『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)、『10代のうちに知っておきたい言葉と心の切りかえ術 日常の“あの場面”をどう乗りきればいいかを学ぶ、話し方教室』(笠間書院)ほか著書、『世界一受けたい授業』などメディア出演多数。
上記内容は本書刊行時のものです。