持ち寄り食事会に「紅茶と桃のケーキ」を!
null最近は、我が家にお客様をお迎えする機会が少なくなってきた。流しそうめん大会や餅つき大会など、大会と銘打って行うイベントの企画も、自ら率先して行う事もほとんどない。
歳のせいなのか、仕事の忙しさのせいなのか。どちらも理由にしたくない言い訳だけれど、体も心も思うように動かない。
無理をしては本末転倒、でもやっぱり、生活に楽しみがないと寂しいのも事実。
こういう時は、持ち寄り少人数、気の合う友人たちとの食事会が一番だ。久しぶりに我が家に集合!となり、さて、何を作ろうかと考えたけれど、やっぱり私に期待されているのはデザートだろう。
お料理上手な人が多い集いなので、私はお料理ではなくデザートを担当する事が多い。今回は、夏らしい桃を使った紅茶のショートケーキを作る事にした。
お菓子作りで使う紅茶は、アールグレイ一択。ベルガモットの香りがふんわり香る。ティーバッグの袋から出してそのまま使うと口当たりが悪いので、小さなすり鉢ですり潰す。
スポンジケーキ生地に茶葉を混ぜ込んだら、焼き上げる前からもう、紅茶が香って幸せな気分になる。
オーブンの中でふんわり膨らむと、さらに幸せ倍増。もう食べる前から幸せなのだから、お菓子作りはやめられない。
しっかり冷ましたらデコレーション。回転台は、実家から譲り受けたかなりの年代物。
スポンジケーキを均等にスライスできる便利道具は、私が新たにお迎えしたもの。他にもっと便利そうなものもあるけれど、いろんな用途に使えるアクリルルーラーを選択。
仕上げは紅茶を加えた生クリームと、桃、の缶詰。
この時期は断然、今が旬の桃がお勧めだけれど、この時はまだ地元産の桃が出回っていなかったのだ。1年を通して味わえる缶詰を、有難く使わせてもらった。
紅茶と桃は間違いない組み合わせ。他に、無花果やマスカットも美味しそう。
紅茶を加えたからか、うまく生クリームが泡立たず。ゆるめのクリームになったので、凝ったデコレーションは無しで。余った桃と、庭の草木を散らして飾り付け。
ちょっと甘い仕上がりになったのが反省点。でも、夏らしいケーキで喜ばれたので良しとしよう。
何より、久しぶりの持ち寄り食事会。
約束の時間になると、次から次へとふら~っと人が集まり、美味しそうな物がテーブルに並ぶ。自分では作ろうとも思わないようなものに出会えるのは、持ち寄りの醍醐味だろう。
これ何? どうやって作るの? など会話も弾む。
そしてお決まり(?)の演奏。
最近あまり参加できていないが、以前はよくバンド活動でキーボードを担当していた。その時のレパートリーから、何曲か演奏。でも皆とにかく酔っぱらっていて、演奏する方も聴く方もしっちゃかめっちゃか状態。それもまた良し。
ビートルズなどの定番曲もあれば、今回はモーツアルト「レクイエム」のコーラスまで歌う者も!食卓に、生の音楽がある幸せよ。
カナダから日本へ帰ってきて、見ず知らずの富山にやってきて20年近く。こうして気の合う仲間と集える時間を、これからも大切にしていきたい。
さてさて夏休み真最中、高校1年生の娘。ここぞとばかりに夜更かしをして寝坊をしてと、正しい(?)夏休みを過ごしている。そんな日々でも、部活に宿題に自分のやりたい事にと、それなりに充実してそうだ。
思い返せば、小学生の頃の長い夏休みは本当に大変だった。持て余すエネルギーを何とか放出させようと、海へ行ったりプールへ行ったり図書館で涼んだり。あちこちのお祭りに出かけては屋台をのぞき、打ち上げ花火を見上げたり。
あの頃は精一杯だったけれど、振り返ってみると本当にあっという間だ。夏休みという行事が我が家からなくなるのも、あと少しだろう。
少しずつ、娘がこの家からいなくなる時の事を考え始めている。進学や将来の事を、視野に入れる時期に入りつつある。
それは嬉しい事でもあり、でも少し寂しい事でもあり、でもでもやはり嬉しい事なのだ。お互い自立して、協力し合い、尊重し合うのは、家族でも他人でも一緒の事。
これまでも娘の意思を尊重してきたつもりだけれど、これからもそうでありたい。
「米づくり」を学ぶ小学生との交流
nullさて夏休みに入る前の事。社会科の学習で米づくりを学ぶ、神奈川県のとある小学校の先生から連絡があった。実際にどんな工夫や苦労をしているのか、農家に直接聞きたいと1人の子どもが言ってきたそう。
我が家のホームページを見つけて「ここに電話したい!」と。その熱意をしっかり受け止めた先生から、メールがあり電話でもやり取りをして、クラスの子ども達からZoomで質問を受ける事にした。
言い出しっぺの子はしっかり台本も作ってくれて、挨拶に続き質問コーナーが始まった。手がいっぱいあがり、いろいろな質問を受けた。
実際に子どもたちは1年を通して田んぼでお米を作っていて、この日も中干しという作業をしたそうだ。田植えや稲刈りに加えて、中干しまで体験する学校があるのかと驚いた。
そんなわけで質問も、「どうしたら収穫量が上がるか」「お米から異物をどう取り除くのか」等など、
具体的な質問が多く私たちがタジタジになった(苦笑)。
中には、「裏技はあるのか」という子どもらしい質問も出てきて思わず微笑んでしまった。あっという間にZoomでの楽しい時間は終わった。少しは子どもたちの役に立てただろうか。
ただお米を作っているだけではない、こういうご縁がこそがただただ嬉しい。私たちにもまだまだ、できる事があるのかもしれない。その子どもたちの田んぼが豊作で秋を迎えられますように。もちろん私たちの田んぼも、豊作でありますように。
(写真は、子ども向け図書館用書籍に、写真提供の協力をさせていただいた書籍です)
愛知県生まれ、千葉(スイカの名産地・富里)育ち。大学卒業後カナダへ。バンクーバー、カムループス、バンフと移り住み、10年間現地の旅行会社で働く。カナダの永住権を取得したにも係わらず、見ず知らずの富山県黒部市で農家に転身。米作りをしながら、旦那とココ(娘)と3人で日々の暮らしを楽しんでいます。黒部の専業米農家『濱田ファーム』はこちら。