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娘(中3)のリクエストで一緒に作ったミートソースたっぷりのギリシャ料理「ムサカ」の味は…【お米農家のヨメごはん】

こんにちは! 富山県の黒部市というところで、お米だけを作っている小さな小さな農家の濱田律子です。旦那とココ(娘・15歳)と3人で、地道に真面目にコツコツとお米を作りながら、仕事に子育てにドタバタもがきつつも楽しく暮らす。そんな私たちの、食卓周りの日常を皆さんにお伝えする連載117回目。
今回は、カナダで暮らしていた頃によく食べたギリシャ料理と、久しぶりの農業視察の様子についてお伝えしたいと思います。

ギリシャ料理の「ムサカ」に挑戦!

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日本ではあまり見かける事がないギリシャ料理のレストラン。私がかつて暮らしていたカナダでは、ギリシャ料理はイタリア料理と同じように人気で、 小さな町にも必ずレストランがあった。

移民の国カナダは、グリークやイタリアンだけでなく、コリアンやメキシカン、インディアにベトナミーズと、いろんな料理に触れる事ができた。東京であればそれこそ世界各国のお料理を楽しめるだろうが、ここ富山だとなかなか厳しい。

だから自分で作ってしまうのが手っ取り早い。今回は久しぶりに、ギリシャ料理に挑戦してみた。

 

ギリシャ料理は、魚介や野菜がふんだんに使われ、ヨーグルトやチーズと合わせて作られる事が多い。スパイスは多用されず、塩胡椒やレモンなどシンプルな味付けで、日本人の口にもよく合うものが多い。

タラモサラタやカラマリ、スブラキなどは、日本でもよく知られている。

今回は、ムサカというギリシャ料理を代表する主菜を作ってみた。ミートソースとホワイトソースを重ねて焼いたラザニアのようなもので、 ナスやじゃがいもが入ったボリューム満点のお料理だ。

ミートソースは、ニンニク・ひき肉・玉ねぎを炒めて、トマト缶を加えて煮詰める。

シナモン・クローブ・ナツメグ・ローリエなどのスパイスと、塩胡椒で味付け。 ホワイトソースは、溶かしたバターに小麦粉を加えて牛乳でのばす。

ナスは縦に4等分くらいに切り、 オリーブオイルで両面に焼き色がつくくらい焼いて塩をふる。

ジャガイモも薄切りにして、フライパンでナス同様に焼く(またはレンジで柔らかくする)。 それぞれ材料の準備ができたら、あとは容器に重ねて焼くだけ。 まず、ジャガイモ全量を敷き詰める。

その上にミートソース半量を広げる。もうこれだけでも十分に美味しそうだけれど、さらにその上にナスの半量を重ねて、もう一度ミートソース→ナスの順に重ねる。

ナスとミートソースを2回に分けて重ねたが、手間なら1回にまとめて全量を重ねてもいい。

最後にホワイトソースを流し入れて、と、ここで娘が登場。実はこの写真を撮る前に一度、ムサカを焼いた事があった。 娘にとって、初めて食べるギリシャ料理。その美味しさに娘は驚き、すぐさまもう一回食べたい!とリクエストが入った。

それならばと週末、娘が休みの日に一緒に作る事にしたのだ。 自分で作ると、より美味しく感じられるだろうから。

中身を欲張ったからか、ホワイトソースが溢れ気味になったのはご愛敬。 最後に粉チーズをふってオーブンへ。 具材には既に火が通っているから、表面に美味しそうな焼き色がつけばOK。

220℃くらいのオーブンで、20分ほどで焼き上がり。あまりの熱さに天板ごと机の上に出してしまったが、とっても美味しそうに焼けた。

ムサカに合わせたのは、ギリシャのサラダ。トマト・キュウリ・紫玉ねぎに、フェタチーズを合わせたシンプルなサラダだ。

フェタチーズは、羊や山羊の乳から作られるフレッシュチーズ。 塩気があり、ホロッと砕ける食感が楽しい。カナダでは普通にスーパーで見かけるチーズだが、この辺りでは残念ながら手に入らない。ので、代用品として塩豆腐を使った。

木綿豆腐に塩をふってからペーパータオルで包み、冷蔵庫で寝かせたものだ。食感がフェタチーズっぽくなるし、何よりヘルシー。これはこれでお勧め。オリーブオイルとお酢、あとは塩胡椒というシンプルな味付けで。 そこへオリーブかケッパーを加えると、グッとギリシャ風になる。

さぁ、ムサカを切り分けて、いただきます!   やっぱりギリシャ料理、美味しいね。ギリシャにもいつか行ってみたいね。と、会話にも花が咲く。食卓で楽しめる海外旅行に、妄想は広がる。

11月とは思えないくらい暑く、 冷えた白ワインを飲みつつ家族で妄想旅行を楽しんだ日曜日となった。

「ファームツアー」に参加して考えたこと

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さて先日、久しぶりの農業視察に家族で出かけてきた。 千葉県木更津にあるKURKKU FIELDS(クルックフィールズ)は、 「育てる・作る・食べる・循環する」を感じながら、 サステナビリティや農業、食のあり方、自然と人間の関係などを考えなおそうという場所だ。

広大な敷地には有機無農薬栽培の畑が広がり、養鶏・酪農も行われている。 カフェやレストラン、チーズ工房もあり、アートや遊具が点在、宿泊する事もできる。

私たちはファームツアーに参加、たっぷり2時間近くかけて敷地を歩いた。 KURKKU FIELDSのコンセプトや思いを聞く事で、 共感したり自分たちの農業スタイルを考えさせられたり。

ビニールハウスでは、サニーレタスやルッコラ、ケールなど、たくさんの葉物野菜が育てられていた。 1枚1枚味見をしながら摘み取っていく。 これは甘みの中に苦みもあるね、これは辛みがあるねとか、それぞれの味の違いも楽しい。

牛舎では、生まれたばかりの水牛の赤ちゃんにも触れてきた。

乳牛の多くがどうしてホルスタインなのか、どうして乳を出す牝の牛ばかりいるのか等、 普段そんな事を全く考えずに牛乳を飲んでいる私たち。食べている物の大元を、もっと考えなくてはいけないという当たり前の事を突きつけられた。

米農家にとっての当たり前は、生活者の方にとっては全く未知の世界だろう。それをもう少し意識して、生活者の方にお米の世界をお伝えしながらお米をお届けしたい。

それこそが、直売をしている私たちのできる事。

その思いを改めて感じた今回の視察となりました!

濱田さん一家の『濱田ファーム』ホームページはこちらから。

濱田律子
濱田律子

愛知県生まれ、千葉(スイカの名産地・富里)育ち。大学卒業後カナダへ。バンクーバー、カムループス、バンフと移り住み、10年間現地の旅行会社で働く。カナダの永住権を取得したにも係わらず、見ず知らずの富山県黒部市で農家に転身。米作りをしながら、旦那とココ(娘)と3人で日々の暮らしを楽しんでいます。黒部の専業米農家『濱田ファーム』はこちら。

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