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大変なだけじゃない!「子育てをして世界が広がった」と感じること

独身時代は当たり前のように楽しんでいたことでも、子どもが生まれると途端にハードルが高くなることはたくさんあります。そのことに寂しさや窮屈さを感じる人も多いと思いますが、その一方で子どもがいたからこそ広がった人間関係や趣味などもあるのではないでしょうか? 

そこで『kufura』では子どものいる男女367人に、「子育てをするなかで世界が広がったと感じること」に関するアンケート調査を実施。こちらをもとに、子どもがいて広がった新しい世界に関するエピソードを紹介します。

サッカーやピアノ…今まで知らなかった趣味にハマる!

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最も多かったエピソードは「子どもの趣味や習い事を通じて、自分もその趣味や習い事にハマってしまった」というもの。現在の親世代が子どもの頃、当時の親はあくまでも“親”としての役割を果たすことに必死で、一緒に楽しむことは少なかったように感じます。しかし現代は親としての役割を果たしつつも、子どもと同じ目線で楽しむ。そんなケースが多いようです。

「子どもがサッカーをやり始めて、サッカー観戦やスポーツ観戦の楽しさにはまりました!」(41歳女性/その他/子ども9歳、11歳)

「子どもがプラレールにハマって、一緒にやっていたら自分もいつの間にかハマってしまい、 今では子どもより夢中になっている」(29歳女性/主婦/子ども4歳)

「恐竜好きな息子のおかげで古生代の魅力を知ることが出来るようになった」(45歳女性/主婦/子ども5歳、13歳)

「子どもの好きな推しを一緒に推している」(47歳女性/その他/子ども18歳以上)

「子どもがピアノを習っていたがやめてしまい、使わないピアノを自分が弾いているうちに、趣味になった」(46歳男性/研究・開発/子ども14歳、17歳)

確かに最後の回答のように、子どもは成長すると好きな趣味や習い事も変わってしまい、一緒にハマっていた親が置き去りにされてしまうこともあります。

ちなみに筆者の息子はもともと大の電車好きで、小さい頃は特急の名前がほぼすべて言えました。その後、小学生になるとまったく興味を示さなくなり特急の名前はすべて忘れてしまいましたが、筆者はまだ覚えています……。

子ども抜きでも友達!信頼し合えるママ友やパパ友ができた

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現在子育て真っ最中で、子どもを通じてママ友・パパ友ができた人は多いと思います。しかし子どもが成長して親の出番がなくなっても、そこで知り合ったママ友・パパ友との交流は続くのでしょうか? ケースバイケースだと思いますが、手が離れてもずっと仲がいいという人は珍しくないようです。

「中学時代の子どもの友達の母親と交流するようになり、今でも定期的に3~4人でお茶をしています」(57歳女性/その他/子ども18歳以上)

「幼稚園で仲良くなったママ友とは、バレーを18年以上楽しく続けてできています」(52歳女性/主婦/子ども18歳以上)

「職場の人と子どもの話もするようになり、仲が深まった」(49歳女性/主婦/子ども15歳、18歳以上)

「子どもが仲良くしている友達のママと気が合い、ママ友同士仲良くなった。家庭環境も似ているので、一緒に旅行など行くにもスムーズに決められた」(52歳女性/総務・人事・事務/子ども18歳以上)

50歳以上になると子どもがかなり大きくなっている人が多いと思いますが、そういった方々からの「今でも仲良し」という意見が多数ありました。大人になるとなかなか新しい友達がつくりにくくなるので、そういった縁は大切にしたいものです。

自分が親になったからこそ分かる、親の気持ちや親への感謝

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子どもができて親になり、初めて自分の親のことが理解できるもの。自分が子ども時代に親にとったふるまいや行動などを振り返る人もいれば、親にしてもらったことやされたことを思い出す人も。子育てはそんなキッカケも与えてくれます。

「子育てをすることによって、親への感謝の気持ちが増した」(40歳男性/その他/子ども6歳、10歳)

「独身の時は騒ぐ子どもをうるさいと思っていたけれど、今は状況がよくわかるので優しく見守れる」(41歳女性/その他/子ども9歳、12歳)

「子育てをするようになって初めて親の気持ちがわかるようになった」(49歳男性/営業・販売/子ども4歳、7歳)

「複雑な家庭環境で育った私が親になった今、幸せなことに健全な子育てができている。のびやかに過ごしている子どもを見ていると、自分自身が幸せな子ども時代をやり直せているような気持ちになり、過去の傷が少しずつ癒えているのを感じている」(42歳女性/主婦/子ども9歳)

「子育てを通して、自分と自分の親との関係性を振り返るきっかけになっている」(36歳女性/主婦/子ども5歳)

また、自分が子育てを経験したことで、電車や店内などでさわいでいる子どもやその両親に対しての印象が180°変わった、という声も多数寄せられました。子育てに限らずですが、相手を深く知ることでこそ、優しくなれる場合も多いのかもしれませんね。

その他、こんな風に「世界が広がった」という人も!

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そのほか、子どもが生まれたことによって価値観が変わったという人も多数いました。その内容は些細なことから、人生が大きく変わることまでさまざま。やはり子どもの存在や言動を通じて、何かしらの気づきがあるようです。

「子どもが怖がるから私が虫を退治せざるを得なくなった。少し強くなった気がする」(24歳女性/その他/子ども4歳)

「我が子が生まれてから、お金を大事にするようになりました」(49歳男性/その他/子ども18歳以上)

「40歳後半から大学院に行ったが、これは子どもの大学受験を機に一緒にセンター試験の勉強をした成果であり、感謝している。親が子どもに負けてはならないという意地があったのかもしれない 」(63歳男性/会社経営・役員/子ども18歳以上)

「子どもと散歩をしていると、子どもならではの視線や感じ方等、自分が気づかなかった事や忘れてしまっていた感情等を感じさせられて楽しい」(39歳女性/主婦/子ども5歳)

「それまでは平常心で見られてた残酷なニュースにすごく心が痛むようになったし、小さなことで感動できるようになった」(46歳女性/主婦/子ども18歳以上)

子どもが生まれてからというもの、幼児虐待や痛ましいニュースを見ると、それまで以上に心が痛んだり、怒りがわいたりする……こういったエピソードは、確かによく耳にします。また逆に、自分の子と同じくらいの子どもが一生懸命頑張っていると、自分も親のような気持ちで感情移入してしまうことも。

例えば幼稚園の運動会の徒競走で、転んでも起き上がって一生懸命走っている子どもがいれば、園内全体で大きな拍手がおこる。これもまた、子どもがいる親としては“あるある”でしょう。

「子どもはあっという間に大きくなる」「子育てを楽しめるのは今のうち」そんなことを口にする人は多いですが、現在進行形で必死に子育てをしている人にそこまで考える余裕はありませんよね。つい子どもがいるからできないことにばかり目が行きがちになるのも当たり前。

でも……振り返ってみるとそれ以上に、子どもがいたからこそ得られる経験や財産もたくさんあるのかも? ぜひ子どもと一緒に、今だからこそ体験できる新しい世界をみつけ、できればそれを楽しんでみてください。

高山恵
高山恵

東京都出身、千葉県在住。短大の春休みより某編集部のライター見習いになり、気が付いたら2022年にフリーライター歴25年を迎えていた。現在は雑誌『DIME』(小学館)、『LDK』(晋遊舎)などで取材・執筆を行うほか、『kufura』などWEB媒体にも携わる。

執筆ジャンルは、アウトドアや子育てなどさまざま。フードコーディネーターの資格も持つ。

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