友達との遊び時間が増える「小学校中学年~高学年」
null祖父母が孫と定期的に会える距離に住んだり、「孫育て」に関わっている場合、ともに過ごす時間が少しずつ減り始める最初の節目が小学校の中学年~高学年にかけてでした。
「孫は小学校4年生ぐらいまでは月に2回は娘夫婦と一緒によく遊びに来たが、友達と一緒に遊びたいということで来る頻度が3カ月に1度くらいになり、ジジババと遊ぶよりも友達と遊ぶのが楽しい年ごろになったのかと思うと寂しく感じた。しかし、それだけ成長したのかと思うとうれしく思った」(76歳・その他・男性/孫年齢18歳・12歳)
「休みには良く遊びに来ていたのですが、8歳ごろから習い事があったり、友達と遊ぶことが増えて、遊びに来なくなっています」(76歳・主婦・女性/孫年齢18歳・15歳・12歳・10歳・8歳・6歳)
孫の行動範囲が広がり、四六時中目が離せない時期を過ぎた小学校高学年。留守番や近距離の移動ができるようになると、“遊び”や“生活”のために祖父母宅に訪れる機会が少しずつ減っていくようです。
勉強や部活で忙しくなる「中学校入学後」
null子どものライフスタイルが多忙になる、中学校入学後に交流が減ったケースです。
「孫が中学生になって自然に会話が減った」(71歳・主婦・女性/孫年齢18歳・16歳・14歳・12歳)
「中学生になって受験勉強が始まり、遊びに来る機会が大幅に減った」(74歳・その他・男性/孫年齢19歳・15歳)
部活に定期テストの勉強にと忙しい中学生。思春期の訪れとともに、家族との会話の時間が減る子もいるかもしれません。過去に子どもの多感な時期を見ている祖父母世代は「そういうもの」と割り切る声もありました。
自立期が近づく「高校入学後」
null家族からの自立期に差し掛かった高校生になると、こんな変化が訪れることも……。
「成長著しく、家族より友人への優先度が高くなった」(71歳・主婦・女性/孫年齢20歳・16歳・11歳)
「小さい頃はしょっちゅう我が家へ遊びに来てはジイジ、バアバとまつわりついていたが、友達ができると自然と遊びに来なくなり、自然な感じで離れていった。しかし最近、前ほどでもないが時々遊びに来るようになった。どうやらのんびりできるかららしい」(77歳・会社経営・役員・男性/孫年齢22歳・17歳・7歳・4歳)
「今までは母親の帰りの遅い場合夕食を作りに行っていたが自分たちで作れるようになり会いに行く機会が少なくなった」(82歳・主婦・女性/孫年齢20歳・16歳)
「夏休みは我が家で預かるのが恒例だったが、高校生になったら来なくなった」(73歳・主婦・女性/孫年齢18歳)
娘・息子夫婦の子育てをサポートしてきた祖父母世代は、孫が高校生になると食事の支度や見守りを依頼される機会がなくなっていくようです。
孫の「祖父母離れ」の実感がない理由としては「もとから距離感があった」の声
null小学校高学年、中学校入学、高校入学と、孫の世界が広がっていく過程で、祖父母だけでなく家族と一定の距離感を取る子も多いと思いますが、今回のアンケートでは「“祖父母離れ”の実感がない」という声もありました。
「孫は遠くに離れて住んでいてなかなか会うことができないので、孫離れなど実感がない」(82歳・主婦・女性/孫年齢30歳・24歳・22歳)
「まだ“じいちゃん”となついて来るので、実感がない」(74歳・その他・男性/ 孫年齢23歳・22歳・21歳・15歳)
「近くに住んでいるが、付かず離れず」(63歳・主婦・女性/孫年齢19歳)
「正月にいつも会うが、関係は変わらない」(74歳・その他・男性/孫年齢21歳・18歳・12歳・9歳・8歳)
遠方に住んでいる、子ども家族とはつかず・離れずの関係を保っている、大きくなっても孫がなついている……といった声がありました。
以上、祖父母世代が孫の“祖父母離れ”を感じたエピソードについてお届けしました。
「子育てはあっという間」。こんな言葉が聞かれますが、それを実感するのは、子育ての“繁忙期”がひと段落した後だと思います。いつ終わるか知れない慌ただしい育児期が、やがて落ち着いた日常になっていくことを経験している祖父母世代は「孫が育つのはあっという間」ということを、肌で感じている人が多いようで、孫の成長については“うれしい”という声が多く含まれていたのが印象的でした。