1:子どもの話にしっかり耳を傾ける
null「滅多なことでは行きたくないと言わない子なので、理由を本人から聞いた。特定の子とのトラブルが判明したので、同じクラスのママ友からも情報収集した上で、先生に相談し改善してもらった」(31歳/主婦)
「行きたくない理由を聞く。ぎりぎりまで説得してどうしてもダメならば休ませた」(36歳/主婦)
「話を聞いてどうしても嫌な日はあえて休ませて一緒に過ごす時間を作ったりした」(32歳/主婦)
子どもが登園を渋る場合、まずみなさんがしていたのは、子どもの話にしっかり耳を傾けることのようです。子どもを責めたり理由を問い詰めたりするのではなく、お子さんの気持ちを受け止めてあげたいですね。
2:何とか言い聞かせる
null「お友達と今日も遊んでおいでと言った」(29歳/営業・販売)
「毎日行くところだから、楽しいところだからと言い聞かせる。会社に行ってずーーーっと座ってるのとどっちがいい?と聞き選択させた」(43歳/公務員)
「先生が楽しみにしていると伝える」(44歳/主婦)
「家に居ても、ママお出かけして居ないから、幼稚園で先生とお友達と待っててって言いました」(44歳/主婦)
保育園や幼稚園に通うごく小さい子でも、その子なりにお母さんの言葉を理解しています。
「(園に)行きたくない!」「どうして行かなきゃならないの?」などと子どもが愚図った場合、「とにかく行かなきゃダメなの!」の一点張りではなく、幼稚園・保育園に行くメリットや理由を説明してあげてもいいのかもしれません。
3:先生に相談する
null「先生と相談して環境について見直す」(41歳/主婦)
「先生に協力していただき、行きたくないという気持ちを和らげるような言葉をかけてもらった」(53歳/主婦)
子どもが登園を渋るのは、単なる甘え、わがままではなく、何らかの心配やトラブルが背景にあることも。その場合は、園とも連携をとって問題解決に臨むことが必要です。
ただ、事情がよくわからないまま相談を持ちかけると、園や先生を責めるような口ぶりになりかねません。適切なサポートを受けるためにも、まずは子どもの話にしっかり耳を傾けることが大切だといえるでしょう。
4:子どもの気分を和らげたり高めたりする
null「頑張って行けたら、たくさん褒める」(41歳/その他)
「保育園が終わったら何しようか?と終ったあとのことを考えさせる」(34歳/主婦)
「帰りに公園いこうか~って、励まして気を紛らわして保育園に連れていってます」(28歳/主婦)
「行きたくない気持ちをまぎらせるように歌を歌ったりした」(37歳/その他)
いじめなどの深刻なトラブルが背景にない場合には、上記のように子どものネガティブな気持ちをやわらげてあげることも有効のようです。
朝に激しくイヤイヤしていた子が園で1日を過ごすことができたら、「よくがんばったね!」と抱きしめてあげたいですね。
5:とにかく連れて行く
null「最終的には無理やりに抱っこして連れて行った」(30歳/主婦)
「無理矢理、車に乗せて着いたら担任に連れていってもらう」(36歳/その他)
「とりあえずバスに乗せたらそのまま」(36歳/主婦)
お母さんが仕事をしている場合、子どもがどんなに泣いたりグズったりしても、幼稚園や保育園に無理矢理にでも連れて行くしかないことも。お母さんにとっても断腸の思いでしょうが、特に通い始めの頃は、子どもが環境に慣れることで解決するケースも多くあります。
専門家からのアドバイスは?
null実際にトラブルを経験したママたちからも参考になる意見が数多くあがりましたが、さらに専門家のアドバイスを! 幼児教育専門家で多くの著書を執筆されている立石美津子さんから、子どもの登園渋りへの対処法を教えていただきました。
(1)話を聞くときは子どもの言葉をオウム返しにしてみる
「子どもの気持ちに寄り添うコツは、話を聞くときに子どもの言葉をオウム返しにすること。ただ、“うんうん”とか“そうだね”と相槌を打つだけでなく、“幼稚園に行きたくないんだね”“おうちで遊びたいんだね”と子どもの言葉をリフレインしましょう。
そうやって、お母さんに自分の思いを受け止めてもらえるだけで、子どもの気持ちはやわらいでいきます。深刻なトラブルが背景になく、“何となく行きたくない”という甘えレベルの登園渋りであれば、お母さんから話を聞いてもらっているうちに気が済んで、問題が解消することも多いようです」
(2)幼稚園や保育園の遅刻は気にしない
「もちろん、お母さん自身が朝から出勤しなければならない場合は、悠長なこともいっていられませんが、親側のスケジュールの問題がなければ、できるだけ時間をかけて子どもの話を聞きましょう。
“そんなグズグズ言っていたら、幼稚園遅刻しちゃうわよ!”と急き立ててはいけません。前述のように、子どもの気持ちしだいで問題が解決することも多いので、せっかちになるよりも“園は少々遅刻してもかまわない”という気構えで、とことん子どもと向き合うのが賢明です」
(3)別れぎわは子どもにきちんとあいさつする
「泣いている子どもが一瞬、友達や玩具に気を取られてるすきに“今がチャンス!”と逃げるようにその場を去るお母さんもいますが、子どもが振り返った時、親の姿がないと子どもはショックを受けます。別れ際には、子どもの目を見て“ママはお仕事に行ってきます。●時には迎えにくるからね”と伝えましょう。
たとえ泣き止まなくても、子どもなりに頭の中では理解しています。毅然としてその場を立ち去りましょう。いつまでも居残ると、お母さんの姿が見えることでかえって泣き止みません。案外、親がいなくなった後はケロっとしている子も多いとのことですよ」
甘えん坊の子はもちろんのこと、しっかり者だと思われた子でも、突然「行きたくない!」とさわぎだすことはあります。お母さんとしては本当に一苦労ですが、これも成長のプロセスだととらえ、今回ご紹介した対処法を試してみてくださいね。
【取材協力】
立石美津子・・・聖心女子大卒。幼稚園・小学校・特別支援学校教諭免許を取得後20年間学習塾を経営、現在は著者・講演家として活動。自閉症児の母。著書は『1人でできる子になる テキトー母さん流 子育てのコツ』(日本実業出版社)、『子どもも親も幸せになる発達障害の子の育て方』(すばる舎)など多数。オフィシャルブログ オフィシャルサイト