新鮮な「米糠(ぬか)」はアーモンド風味で美味しい!
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寒の時期に水揚げされ脂がのった魚を塩漬けにして、 糠床で半年も熟成させた保存食「こんか漬け」。
氷見の、古くから続く小さな水産加工会社さんで、 我が家の米糠を使って仕込んでいただくご縁が数年前から続いている。
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ふわっふわな米糠は、新鮮なうちに食べると甘みがある。アーモンドパウダーのような味わいで、とっても食べやすい。
玄米(茶色いお米)を白米にする過程で出る米糠は、 お米の表皮の部分で栄養をたっぷり含んでいる。 廃棄するなんてもったいないけれど、食べたり有効利用するとなると難しいのも現実。
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そんな米糠を、富山の伝統的な保存食に使ってもらえる事は、だから余計に嬉しいのだ。
糠床で発酵させた樽が開かれるのは、毎年だいたい7月中旬。本来なら梅雨明けに重なり、夏本番という時期だ。
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食欲が減退する時期だからこそ、塩がきいて発酵の薫り漂う「こんか漬け」が、 身体に染み入るというわけだ。 今年も新物が届いた。
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まずは、サッと焦げ目がつくくらいに焼いていただく。
発酵の独特の香りと酸味、旨味が融合して、 複雑な味わいを醸し出す。
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これを、白い炊き立てご飯にのせるだけで、もうご馳走だ。 ハレの食卓ではないけれど、でも、日常の食事としてしみじみとご馳走に感じる。
しょっぱさがまたいい。 最近はとかく減塩がもてはやされるけれど、 梅干しだってこういう保存食だって、決め手は塩加減だと思う。
暑い日だからこそ、このしょっぱさが身体を支えてくれる。
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白いご飯だけでなく、炒飯もお勧め。 卵とネギの何てことない味わいが、豊潤な炒飯に格上げされる。
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こんか漬けは、そのまま食べてももちろん美味しい。 切っただけのこんか漬けに、少しまろやかになるオリーブオイルを回しかけて。
そういえば納豆にオリーブオイルもよく合うなぁと思い出した。 日本の発酵食品との相性がとにかくいい。
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最後は洋風で。
炙ったこんか漬けを、カリッと焼いたバケットにのせる。 バターを添えたら飛び上がる程の美味しさ!
教えていただいた食べ方だけれど、こんな組み合わせも合うだなんて、 こんか漬けの奥深さを感じる。
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ただし、娘は「こんか漬け」には見向きもしない。
一度おそるおそる食べてみたら、今まで食べた事がない味わいに顔をしかめていた。まぁ逆にこの美味しさがわかったら、それはそれで末恐ろしい気もする。
いつの日か、こんか漬けと日本酒で一杯やろう。
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こんか×バケットには、 得意の(?)鍋ごとトマトソースのスパゲッティをメインに用意した。 合わせるお酒は、キリリと冷えた白ワイン一択!
米糠を通して感じる食のご縁に、幸せを感じる食卓となった。
今年の田んぼ。水不足が心配ですが…
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さて田んぼは、初夏を迎えて青々と育った稲がまぶしいくらい。
今年は(も?)梅雨入りが遅く梅雨明けは早く、水不足が心配されている。 でも、この冬たっぷり降った北アルプスの雪は、ゆっくりゆっくり溶けて川となり田んぼに注がれるだろう。 きっと、そんなに心配しなくても大丈夫。だと思いたい。
田んぼになみなみと水を貯めたい時期なので、朝晩の水管理はしっかりと。
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ところで気になるのは、田んぼの一角に立てられたこのお札。 一体誰が立てているのだろう? 地主さん?神主さん?
ずっと気になっていたので、地域の長老的な方に質問してみた。
答えは地鎮祭だそう。 6月中旬、地域の田んぼを守る「むしまつり」とも呼ばれているこの祭りは、 地域の神社の氏子が主体となって豊作を願い、田んぼにお札を立てかけるそう。
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昔はたくさんのお札が立てかけられたそうだが、今は数本のみ。 適当な田んぼを選んで氏子さん達が立てるそう。
はっきりした期間はわからないけれど、7月中旬には外されるようだ。 また1つ勉強になった。
地域の行事の多くが米作りに結びついている事を知ると、 ますます米作りに対する誇りを感じられます!
濱田律子
愛知県生まれ、千葉(スイカの名産地・富里)育ち。大学卒業後カナダへ。バンクーバー、カムループス、バンフと移り住み、10年間現地の旅行会社で働く。カナダの永住権を取得したにもかかわらず、見ず知らずの富山県黒部市で農家に転身。米作りをしながら、旦那とココ(娘)と3人で日々の暮らしを楽しんでいます。