これって、赤ちゃんにとって嬉しいのはもちろん、ママにとっても効果的。読めば読むほど、愛しい我が子への愛情が深まっていくのですから。ちょっと疲れちゃった時や、育児に対して不安に思っている時、保育園に預けて離れている時間が増えた時、我が子を抱きしめて「ああ、可愛い……」。そう思える幸せはママたち自身が一番わかっていますよね。
この連載では、『絵本ナビ』編集長の磯崎園子が、月に2テーマずつ、おすすめの絵本を絵本ナビのユーザーレビューと共にご紹介していきます。今回のテーマは「我が子がさらに可愛くなっちゃう絵本」です。
思わず「うちの子に似てる!」と言ってしまう絵本『どんどこ ももんちゃん』
その秘密は、赤ちゃんが本来持っている「かわいさ」「あかるさ」「力強さ」を端的にストレートに見せてくれるから、かもしれません。「赤ちゃんにはこんな可愛さがあるんだ」ってことを教えてくれるのも、また絵本だったりするのです。
『どんどこ ももんちゃん』(童心社)作/とよた かずひこ
大きな頭におむつ一枚。ピンクのほっぺにつぶらな瞳。
思わず「うちの子に似てる!」と言いたくなる、愛らしいおかおの赤ちゃんがももんちゃん。
この絵本の主人公です。
どんどこどんどこ、どんどこどんどこ。
ももんちゃんは急いでどこかに向かっています。
どんどこどんどこ、どんどこどんどこ。
ひとりで橋を渡り、坂道をのぼり、やっとたどり着いた山の上では大きなくまさんがとおせんぼ。
すると、「どーーん!」 ももんちゃんはくまさんを投げ飛ばし(⁉)、ひたすらどんどこ進みます
「どちっ」あら、たいへん!ころんで頭をぶつけちゃった。
でも、ぐっとがまん。
ももんちゃんが急いで先でまっていたのは…?
最後は「そうだったのね」と誰もがにっこり安心。簡潔で大胆な展開と、声に出して気持ちのいいリズミカルな言葉に乗って、あっという間に最後のシーンまでひきこまれてしまうママにも赤ちゃんにも大人気の「ももんちゃん あそぼう」シリーズの代表作品です。
ももんちゃんの人気の秘密は、繰り返し読めば読むほど楽しくて、読めば読むほどももんちゃんが可愛くなってしまうところ。理由はたくさんあるのでしょう。豊かな表情、ユーモラスなお話、個性的なキャラクターのおともだち、言葉の響き…。でも、一番の魅力はやっぱりももんちゃんの明るさとたくましさ。読んでいるママがスカッとするほど力強いのです。いつだって不安と隣合わせのママには、とっても効果的。いつの間にか表情だって明るくしてくれます。
そんなママに読んでもらう「ももんちゃんの世界」。子どもたちにとっても、きっと嬉しくてたまらない時間のはずです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
※『絵本ナビ』より引用
【読者の声(『絵本ナビ』より)】
小1男児もハマった、ももんちゃんの魅力
ほんのりピンクで、柔らかくて、コロンとしていて、甘い匂いがして…… 赤ちゃんって、桃に似ていませんか? シンプルな線で描かれたももんちゃんには、 そんな赤ちゃんの可愛いエッセンスがぎゅーっと詰まっている気がします。 数年前、本屋さんで「ももんちゃん」を目にして、一目ぼれ。 リズム感のある文章と愉快な展開に 立ち読みながら「アハッ」と声を出して笑ってしまいました。 息子達には幼いだろうな、と自分の楽しみで「ももんちゃんシリーズ」をチェックしてきましたが、やっぱり大好きで、先日、ついに我が家の本棚へ。 意外にも、1年生の次男が「どーん」で大ウケし「もう1回!」 ももんちゃんの魅力はタダモノではないと確信しました。 成長したらしたで、育児はあれこれ大変だけどこの絵本を読むとふっと気持ちがほぐれ、力が湧いてきます。生意気な口もきくようになった子ども達の、桃のような赤ちゃんだった頃の記憶が呼び覚まされて、お母さんであることのシアワセをかみしめることができるから。 よーし、今日もかかってこい! 歩き始めた年頃のお子さんへの読み聞かせにはもちろんですが、意外とお兄ちゃん・お姉ちゃんや、お母さんにもおすすめです。 (ランタナさん 40代・ママ 男の子8歳、男の子6歳)
おかあさんへのプレゼントにもいいかも。
最後のページのももんちゃんに、あまりにズキューンときて、息子の為というより、自分の為に買ってしまった、この絵本。 嬉しいことに、息子のくいつきもよかった。 ももんちゃんがドチっとするところで、なぜか爆笑。 大きなくまさんを小さなももんちゃんが、どーんとしてしまう時は不思議そうな顔。 いつも、いろんなことを考えてる顔をして聞いています。 そして、お母さんのところに、最後かけよって、トンとする姿。 このページだけで、心がホッとして 頑張れるママさんってたくさんいるとおもう。 1歳児ぐらいのお母さんへの、ちょっとしたプレゼントにもどうかな? (さかな73さん 30代・ママ 男の子1歳)
ころーんて寝てる子はだれですか?
「ころんちゃんです」
ああ、なんて可愛いのでしょう。
ころんちゃんは、ころーん、ころーん。
まん丸な体と短い手足でころがります。
小さな指で足の指を一生懸命つかんで、くるん、ころん。
上手だね。
もういっかい、ころーん。
…ごん!
ああー、頭ぶつけちゃった! 痛いよね、痛いよね。
でも大丈夫。ママがここにいるよ。
赤ちゃんの可愛さって、笑顔だけじゃないですよね。
寝ている時も、おっぱい飲んでいる時も可愛いけど、
こんな風に、ころんころんってしている時の可愛さったら…。
そして、思いっきり泣いた時の顔だって…。
こんな発見が出来るのは、子育て中のママの特権かも?
いえいえ、ママだけの可愛さにしておくのはもったいない!
だからこその、この絵本。
子どもたちだって、赤ちゃんに触れる機会がない人だって、我が子がすっかり大きくなってしまった方だって、松成真理子さんの描く、やわらかくてまんまるなころんちゃんには無条件に降参してしまうはず。
「ああ、可愛い…」
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
※『絵本ナビ』より引用
今回おすすめしたこの2冊。気になった本がありましたら、ぜひ読んでみてくださいね。
【参考】