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娘(13歳)の手も借りる米農家の繁忙期。庭のヨモギを食卓に!【お米農家のヨメごはん#77】

こんにちは! 富山県の黒部市というところで、お米だけを作っている小さな小さな農家の濱田律子です。旦那とココ(娘・13歳)と3人で、地道に真面目にコツコツとお米を作りながら、仕事に子育てにドタバタもがきつつも楽しく暮らす。そんな私たちの、食卓周りの日常を皆さんにお伝えする連載77回目。

今回は、その辺に生えているヨモギを摘んで作ったオヤツと、育苗と並行して行う、トラクター作業についてお伝えしたいと思います。

今だけの楽しみ「ヨモギ」を食卓に!

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こちら、我が家の作業所。
昔むかしは豚舎だったそうだが、地主さんのご厚意で20年近く前にお借りした。 朽ち果てかけていた建物を補強改修して、作業所として今も使わせていただいている。

広くて天井も高い建物は、多くの農機具や資材を保管するのに最適。とても助かっている、のだが……。
敷地がとにかく広大で、春から秋にかけての草刈りと、冬の除雪には四苦八苦。

青々と美しい緑のほとんどは草なのだが、実はこの時期だけ楽しめるヨモギも生えている。

作業所の外。 私はせっせとヨモギを摘む。 草の中で、ひときわ眩しく輝いているのがヨモギの新芽。

摘むのは、まだ生えてきたばかりのこの柔らかい部分。
ヨモギの香り、晴れわたる空、心地よい風、目の前は海、遠くに山も見える。 最高のヨモギ摘み日和だ。

たくさん摘んだ。
すぐに家に戻って、さて何を作ろうか。

サッと茹でて(新鮮なのでアク抜きは必要ないと思う)、 水分を絞ってからフードプロセッサーにかける。
この状態で小分けにして冷凍しておけば、いつでもヨモギが使える。

まずはやっぱりお団子だろうか。 白玉粉と米粉とヨモギを水でこねて、丸めていく。

沸騰したお湯に投入して、しばらくたつと浮いてくる。 もう少しだけ茹でて、中まで火が通った頃合いに冷水にとる。

きな粉と餡子を添えたら、ヨモギ薫るお団子の出来上がり!
最初に、私ひとりで味見。うん、美味しい。 摘みたて茹でたてのお団子だ、間違いない。

これなら大丈夫と作業所へも差し入れ。お手伝いの方に喜んでいただけた。
福利厚生というほど立派なものではないけれど、でも、少しでも気持ちよく作業していただけたら。

それには美味しいオヤツは欠かせないと思うので、できる時だけ手作りオヤツを用意している。

取っておいた葉っぱで、夜は天婦羅に。

一緒に揚げたのはコゴミ。 ヨモギもコゴミも下処理不要、そのまま揚げられるのが嬉しい。 1日しっかり働いた身体に、春の味覚が染み入った。

ちなみにこの日、作業所内では2回目の播種作業が行われていた。
播種(はしゅ=種まき)は、ご覧の通りフレコン入りの土をクレーンで吊ったり、 水の入ったタンクをいくつも用意したりと、大がかりな作業。 広い作業所で本当に助かっている。

すっかり播種作業に慣れた娘、この日も当然のように手伝ってくれていた(注:お小遣い目当て)。

一緒に作業する方々は、娘もよく知っている人ばかり。 娘がまだ赤ちゃんの頃からの付き合いをしている人が多く、 皆が娘の成長を見守ってくれている。
親の私たち2人だけでなく、周りの多くの人が娘を育ててくれている。そう感じるひと時だ。

朝5時からトラクターに乗る日々

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さて田んぼでは、 朝から晩までトラクターを動かしている。
写真に撮っても絶景だが、実際はもっともっと雄大な眺めだ。こんな景色を見ながら農作業できるのだから、少々大変でも頑張れる! 頑張りたい、頑張ろう……。
つい五段活用したくなるほど、でも実際は体力的に厳しい。

トラクターはのんびり動いているので(スピードが出せないのです)、傍から見ると重労働には見えない。冷暖房完備のキャビンだし、ポッドキャスト聞きまくりでただ座っているだけ。

……なようでいて実際は、その座っているだけという長時間の拘束が、腰に肩に目にくるようだ。

乾いた田んぼを耕起したら、今度は水を引き入れる。水と土を混ぜる荒くりという工程。さらに田植え前に、田んぼ表面を均一にならす代かきをする。

同じ田んぼに3回トラクターが入るわけで、この3回の作業こそが田植えの良し悪しを左右する大事な大事な工程だ。

この時期は、朝5時からトラクターに乗る日々。 田植えに向けてのラストスパートです!


濱田律子

愛知県生まれ、千葉(スイカの名産地・富里)育ち。大学卒業後カナダへ。バンクーバー、カムループス、バンフと移り住み、10年間現地の旅行会社で働く。カナダの永住権を取得したにもかかわらず、見ず知らずの富山県黒部市で農家に転身。米作りをしながら、旦那とココ(娘)と3人で日々の暮らしを楽しんでいます。

濱田ファームのHPはこちらから。

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