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実はやっている人多数!「子ども乗せ自転車」危ない運転と起こりがちな事故

子どもを乗せて自転車をこいでいると、様々な“ヒヤリ”と遭遇することも。子どもの命を目的地まで安全に届けるために、どんなことに気をつけたらいいのでしょうか。

今回は、自転車の安全に関する研究をされている一般財団法人日本自転車普及協会の谷田貝一男さんに、子ども乗せ自転車で想定される事故とその対策についてうかがいました。
運転技術に自信のある方も、日ごろの運転を振り返りながら確認してみましょう!

進化する「子ども乗せ自転車」の影でリスクも…

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谷田貝さんによれば、子ども乗せ自転車の車輪はこの10年間で小さいものが主流となったことで、安定性が増し、転倒リスクは少なくなっているといいます。

一方で、繁華街や車道でのモニタリング調査を通じて感じることは、自転車の安定性が増したがゆえに、慎重さを欠く運転を頻繁に見かけるようになったこと、と谷田貝さんは話します。

それでは、やってしまいがちな自転車運転のNG例と、正しい運転方法について教えていただきましょう。

要注意運転1:「右折時の右側通行」は出会いがしらの事故リスク大

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「自転車は左側通行」というルールは多くの方がご存じだと思いますが、あわてているとき、通い慣れた道で、交差点での右折時に右側通行をしてしまった経験はありませんか?

「2015年に10箇所の交差点で1,545台の自転車を調べたところ、73.3%の自転車が、右折時に右側通行をしていました。右側通行での右折は、見通しが大変悪く左側通行の車両と交差点で出会いがしらの衝突事故のリスクが高まります」(谷田貝さん)

あわてているときには、どうしても“ショートカット”の方法を選択したくなりますが、信号機のない交差点では左側通行を保持して、大回りで右折することで事故のリスクを軽減できるとのことです。

要注意運転2:「信号待ちでつま先での停車」は転倒リスクあり

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子ども乗せ自転車は、普通の自転車より重いので、子どもを乗せた状態で停車の姿勢を保つためのバランス感覚を要します。

「つまさき立ちでの停車は、フラつきやすくなります。停車中の転倒を防ぐためには、サドルは両足のかかとが地面につく高さに調整する必要があります」(谷田貝さん)

夫婦で同じ自転車を使う場合、つど高さを調節するのが面倒なため、夫と自分、それぞれがちょうどいい高さの間くらいで使っている方も多いかもしれません。しかし、転倒を避けるためにも、使う人が最も安全な高さにしておきたいですね。

要注意運転3:「車道と歩道の段差で浅い角度で斜めに入る」と転倒のリスク大

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自転車は軽車両ですから、基本的には車道の左側を走行しますが、やむを得ず歩道に入ることがあると思います。

その際に注意したいのが、車道と歩道の段差での転倒です。

「車道から歩道に斜めに入ろうとするとき、段差でバランスを崩して転倒するリスクがあります。万が一、車が走行している車道に転倒すると、大事故に発展する可能性もあります。スピードを上げた状態で、段差を浅い角度で斜めに入らないように注意して下さい」(谷田貝さん)

3つの危険性が伴う運転の他にも、気をつけたい点があります。順にみていきましょう。

歩道で歩行者との事故が起これば、ほぼ100%自転車側の過失に…

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「最近の子ども乗せ自転車は安定性が増しているために、従来なら降りて押していたところでも、こぎ続ける自転車が多く見られるようになりました。

歩道、繁華街、スーパーマーケットや保育施設の前など、人通りの多い場所を走行する際に、歩行者や他の自転車との接触事故が起こりやすくなります。その場合、接触した相手にもけがを負わせてしまう可能性があります。できるだけ自転車を降りて手で押すか、地面を足でけりながらゆっくりと進むようにしましょう」(谷田貝さん)

ちなみに、歩道を走行する際に歩行者との事故が起これば、ほぼ100%自転車側の過失となるそう。高齢の方や、幼い子どもとの事故は、相手にとって致命傷となる可能性はゼロではありませんから、くれぐれも注意したいものです。

横断歩道での接触事故も多発中!押してわたるか、専用レーンで減速を

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「横断歩道において、減速せずに走行し、他の自転車や歩行者と接触して転倒する事故が頻繁に起こっています。運転技術を過信せず、人通りの多い歩道では歩行者に十分注意しながら減速したり、自転車を押してわたりましょう」(谷田貝さん)

単なる転倒であっても、子どもを乗せている場合は、深刻な事態を招く可能性も……。横断歩道では、用心に用心を重ねて通行した方がよさそうです。

 

以上、子ども乗せ自転車で想定される事故についてお届けしました。

走行中の事故のみならず、駐車するときにバランスを崩して転倒する可能性や、子どもを乗せたまま駐車した自転車が転倒する事故も起こっています。小さな命を守るために、通い慣れた道でも緊張感を持って運転したいものです。


【取材協力】

谷田貝一男(やたがいかずお)・・・一般財団法人日本自転車普及協会 / 自転車文化センター学芸員。各地の自転車通行環境や利用状況の調査を基にして事故発生原因と安全利用方法を検討し、その結果を講演や執筆等を通じて広報する活動を行っている。

※  本記事は2018年3月現在の情報です。

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