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娘(12歳)が自立して生きていけるようにする事、それが子育て【お米農家のヨメごはん#50】

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こんにちは。富山県の黒部市というところで、お米だけを作っている小さな小さな農家の濱田律子です。旦那とココ(娘・12歳)と3人で、地道に真面目にコツコツとお米を作りながら、仕事に子育てにドタバタもがきつつも楽しく暮らしている、そんな私たちの食卓周りの日常を、皆さんにお伝えする連載の50回目。
今回は、今年は少し早い山の恵み・山菜のお話と、育苗と同時進行中のトラクター作業についてお伝えしたいと思います。

この時期は、山菜の話題で持ちきりの富山

コゴミをいただいた。

この時期は、山菜の話題で持ちきりの富山。 そう、富山は海の幸という印象が強いかもしれないし、 確かにホタルイカが美味しい季節だけれど、 富山という名前の通り、実は山の恵みも豊富なところだ。

フキノトウから始まり、タラの芽・コシアブラ・わらび・うど等々。ワサビやセリもある。 皆さん、山菜を求めて嬉々として山に入っていく。 そうして時に、私のところへおすそ分けがやってくる。

下処理が大変なものが多い山菜は、 手間や時間の事を考えると尻込みしてしまうかもしれない。

でも、コゴミはアク抜きの必要がない。スジもガクもない。ざっと洗うだけだ。 苦みも程々で食べやすく、親しみやすい山菜の1つだろう。

何と言ってもこの美しさ!  圧倒的な自然の造形美に、ただただ、ため息がでる。 見ているだけでも幸せになれるけれど、もちろん、美味しくいただく。

洗ってサッと茹でるだけでもう食べられるという手軽さが、コゴミのいいところ。 野菜となんら変わらない。

鮮やかな緑色になったコゴミを、だし醤油に漬ける。 だし醤油は市販のものを使っても、自分で用意してもどちらでもいい。 私はいつも、愛用している茅乃舎だしのパックを少々のお湯につけて、 そこにお醤油を適量入れている。

漬け具合はお好みで。 鰹節を添えれば、おつまみにも箸休めにもなる一品があっという間に完成。 コゴミの味わいをしっかり堪能できる

少しの苦みも受け付けない娘には、マヨネーズ和えを。 お醤油の風味をきかせればパクパク食べる。

昆布締めも作った。

なんでも昆布で締める文化がある富山だからこその一品。 これはもう完全に酒の肴だ。

そして最後に、なんだかんだと一番好きな天婦羅。 山菜の旨味をギュッと凝縮して閉じ込めてくれる。 薄い衣でサッと揚げて、塩をパラリ。

野菜となんら変わりないと先に書いたけれど、 山の恵みでもある山菜は、やっぱりこの季節ならでは。 目でも舌でもしっかりと春を感じた。

1人の1人の人間が、寄り添って暮らす仲間

いよいよ中学生になった娘。

カメラマンの友人にお願いして、入学祝いと十三参りを兼ねて写真を撮ってもらった。 春の穏やかな日差しを浴びて、咲き誇る桜を見つめる娘はもう子どもではなく、1人の、自分の意思と考えを持った大人に見えた。

寂しくは、全然ない。 もっとゆっくり成長してほしいとも思わない。 自立して生きていけるようにする事、それが子育てだとずっと信じている。

もっともっといろんな人に会っていろんな経験をして、 自分の人生を充実したものにしていってほしい。

時に辛くて悲しい事もあるだろう。 それでももう、あまり家族に悩みや心配事を打ち明けないかもしれない。

私は親としてそんな時にどうするべきなのか。 自分から声をかけるのがいいのか、娘が助けを求めるまで放っておくのがいいのか。 正直、全くわからない。 何が正解なのかわからないし、きっと正解なんてない。

私たちは家族で、1人の1人の人間が寄り添って暮らす仲間だ。 お互い1日1日しっかり歩いていこう。生きていこう。 それが何となくいいような気がする。

1枚の田んぼには、3回トラクターが入る

ある晴れた日の夕暮れ時、田んぼでその日の仕事を終えたトラクターを見かけた。

春の2大作業は育苗と、このトラクター作業だ。 耕起(こうき=田んぼを起こす)→荒くり(あらくり=土と水を混ぜる)→代かき(しろかき=田んぼ表面を滑らかにする)と、 1枚の田んぼに3回トラクターが入る。

皆さんが想像するよりもずっと、時間がかかる作業だ。

トラクターは、耕しながら代をかきながらなので、速度を上げられないのだ。 傍から見るとのんびり作業しているように見えるけれど、 時間との戦いでかなり焦って作業している事もしばしば。

この日は、田んぼから見あげる山々も本当に綺麗だったけれど、すぐ反対側の、 日本海に沈む夕陽も心にグッとくる景色だった。 もう少し暖かくなったら、そして、仕事が落ち着いたら、 夕陽を見ながらビールを飲みたいな。


濱田律子

愛知県生まれ、千葉(スイカの名産地・富里)育ち。大学卒業後カナダへ。バンクーバー、カムループス、バンフと移り住み、10年間現地の旅行会社で働く。カナダの永住権を取得したにも係らず、見ず知らずの富山県黒部市で農家に転身。米作りをしながら、旦那とココ(娘)と3人で日々の暮らしを楽しんでいます。

濱田ファームのHPはこちらから。

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