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子連れパパが人に言われて「モヤモヤした一言」は?ママに向けられた言葉と異なる点は…

子連れ外出中、見知らぬ人から声をかけられた経験を持つ方は多いのではないでしょうか。子どもの存在は、人とのコミュニケーションの扉を開いてくれることがありますよね。

「かわいいね」「何歳?」「今が一番いいね」など、そのほとんどの言葉は好意的なものかもしれませんが、時々、モヤモヤとした気持ちになる言葉を投げかけられることもあるようです。

他人から言われた言葉にモヤモヤした経験を持つ男性は17%!対する女性は…

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以前、『kurura』編集部が「決めつけないで!子連れ外出中、他人に言われて『驚き、悩んだひと言』は?ママ114人に聞きました」で子育て中の女性にアンケートをとったところ、69.3%が他人から言われた言葉に驚き悩んだ経験を持っており、様々な体験談が寄せられました。

今回は、子育て中の男性323人に対してアンケートを実施しました。

お子さんを連れて外出している際に、他人から何かを言われて驚いたり、モヤモヤした経験について聞いてみたところ、55人(17.0%)の男性が「ある」と回答。

女性と比べると経験率は4分の1と低かったのですが、子連れの男性は、具体的にどのような言葉に対して違和感を覚えたのでしょうか。

皆さんの経験談をご紹介したうえで、女性に向けられた言葉との違いについても分析してみました。

子どもの泣き声に向けられた「厳しい眼差し」にモヤモヤ

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今回のアンケートで男性が子連れ中に、他人から言われて違和感を覚えた言葉の中で、最も多かったのが子どもの泣き声に対するものでした。

「電車の中で子どもが泣いたら『次の駅で降りろ!』と怒鳴ってきた年配の男性。あんた子どもいねえのか、とイラついた」(50歳・営業・販売/子10歳・13歳以上)

「以前、『泣いている子どもがうるさいから隣の駅でおりろ』と言われた」(50歳・その他/子13歳以上)

「泣き止まないため、注意された」(41歳・その他/子3歳)

「エレベーターの中などでぐずって泣いている子どもに対して、迷惑そうな顔でにらまれた」(33歳・公務員/子2歳)

公共公共の場で子どもが機嫌よくいるよう配慮をすることは周囲の人のためにも大切なマナーとされています。中には子どもの声に過敏な人もいるからです。

一方で、日本では見知らぬ子どもの泣き声に対して不寛容との声も耳にします。子どもの声への厳しい眼差しは子育て家庭が孤立感を覚える1つの要因となっているのかもしれません。

「アドバイス」や「注意」の内容にモヤモヤ…

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続いては、他人から受けた指摘やアドバイスに関するものです。

「電車で、『子どもは元気だから座らなくていい』と言われた」(52歳・金融関係/子10歳・ 13歳以上)

「コロナの影響で緊急事態宣言が出ているとき、誰もいない公園で遊ばせていたら、クレーム的なものを言われたこと」(45歳・公務員/子3歳・7歳)

その人の言い方にもよるのかもしれませんが、愛のある“おせっかい”と、世間の常識を振りかざす“注意”とでは、言われたほうの心持ちがずいぶん異なるようです。

子どもの容姿に関すること

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子どもの容姿について言われたことで、違和感を覚えた経験を持つ男性の声です。

「知らない人に『似すぎですね』と言われた」(38歳・研究・開発/子5歳・7歳)

「容姿を小馬鹿にするような発言をされて、内心腹が立った」(36歳・ 公務員/子3歳)

「息子があまりにも自分に似ているので、『正真正銘のあなたの子なのね』と言われたとき」(47歳・営業・販売/子6歳・12歳)

「女の子なのに『かわいいね僕いくつ?』と言われた」(41歳・その他/子3歳・5歳・7歳)

子どもに対する言葉は、自分にむけられた言葉以上に過敏に反応してしまうこともあるのではないでしょうか。その中でも容姿に関する言葉については、なかなか忘れられない言葉となることもあるようです。

子どもの話し声を断罪されるとちょっと悲しい…

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子どもの話し声を「うるさい」と言われ、子育て中の男性がモヤモヤを感じた声です。

「映画館で子どもがトイレと小さい声でしゃべったら、後ろの人が『うるせー』とイスを蹴った」(37歳・企画・マーケティング/子8歳)

「バスの中で息子がちょっと大きな声で話していたら、隣に座っていたおばさんが『うるさい』とマジ切れしてきた。子どもがビックリして泣いてしまった」(50歳・その他/子6歳)

「バスの中で『子どもと話をするな』と言われモヤモヤ」(44歳・総務・人事・事務/子13歳以上)

「『騒がしい』と言ってくるおじいさん」(32歳・営業・販売/子10歳)

公共の場において子どもが目に余る行動をした場合、保護者が注意したりあやしたりすることはもちろん大切。とはいえ、“いつも全力”“元気いっぱい”の特性を持つ子どもと、その親を断罪するような周囲の視線は、子育て中の親の自尊感情を損なったり、委縮させる可能性もあるのではないでしょうか。

「ママへの言葉」と「パパへの言葉」の大きな違いは…

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ここまで子連れの男性がモヤモヤした言葉をご紹介しました。

回答内容は、子どもの“泣く”“騒ぐ”といった今まさにとっている行動に対して投げかけられた言葉が目立っています。

これは、以前『kufura』にて調査した、子育て中の女性に向けられた内容とずいぶん異なっていました。

具体的には、以下のような違いです。

・父親の場合、年配の女性に育児方法への指摘・非難の言葉をかけられてモヤモヤしたという回答が少ない
・父親の場合、「親が~すべき」といった価値観の押し付けの言葉をかけられたという回答が少ない

子育て中の女性は、見知らぬ人から育児方法を頭ごなしに否定されたことや、一瞬を切り取って怒られた経験に傷ついたというかたが多く見られました。

男性の4倍!女性のほうが「他人からの言葉」に悩む経験が多い理由

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さらに、2つのアンケート結果を比べると、他人から言われた言葉に驚き悩んだ経験を持つ女性の割合は、男性の約4倍と圧倒的に多くなっています。

考えられる理由の一つは、子連れで出かけて“見知らぬ人”と接する頻度が女性のほうが多いこと。

少し前になりますが、3年前に『kufura』が共働き家庭にアンケートをとったところ、子どもを連れて人とのふれあいが多い場所に出向く機会は、圧倒的に母親のほうが多いという結果になっていました。

例えば、保育施設の送り迎え(母親84.0%/父親10.5%)、病院の診察(母親86.5%/父親11.5%)、外遊び(母親63.0%/父親」33.0%)というふうに。

子どもをあやしながら外を歩く機会が多ければ、その分、声をかけられる頻度もあがると推測できます。

もう1つ考えられるのは、“世間”から向けられる母親・父親への眼差しの違いです。

女性の場合は、育児をして当たり前とされるため、どうしても欠点が目が留まりやすくなると推測できます。いわば“減点方式”です。対する男性の場合には、ある一定の層の層からは“育児に参加している”という時点で評価される傾向があることは否めません。

もう少し突き詰めると、今回、男性がモヤモヤとした言葉としてあげていた「うるさい」「騒がしい」という他人からの言動は、日常的に子育てをする親(多くの場合、母親)が常態的に意識している可能性のある言葉、とも考えられます。

まとめ

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以上、今回は子育て中の男性が他人から言われてモヤモヤした言葉についてお届けしました。

もしかしたら記事を読んだことで、「子育て中の親にむやみに話しかけない方がいいのかな」と思ったかたもいらっしゃるかもしれません。相手の気に障るかもしれない、相手は迷惑かもしれない、という思いやりによって。

それでも、優しい言葉が届かず、厳しい言葉だけが子育て中の家庭に届くことは、避けたいもの。

『kufura』編集部が実施した別のアンケートでは、子育て中の親が他人から言われて救われたような気持ちになった言葉もたくさんあることがわかっています。

その内容は、ねぎらう言葉、悩みに寄り添う言葉、子どもの行動を受け止める言葉など、多岐にわたっていたことを最後に記しておきます。

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