「保育園・学童への準備&送り迎え」はママが圧倒的に優勢!
日常生活のアンケートでは、育児にまつわる6つの項目で妻、夫、父母・義父母のうち誰が主に担っているのかについて質問しました。
まず、保育園と学校の準備と送り迎えに関する育児分担率は以下のようになっています。
【保育園・学校の準備】
・主に妻・・・89.5%
・主に夫・・・9.0%
・自分の親や義理の親など・・・1.5%
【保育園・学童の送り迎え】
・主に妻・・・84.0%
・主に夫・・・10.5%
・自分の親や義理の親など・・・5.5%
どちらも「主に妻」が8割を超え、9割に迫る勢いです。
夫は自分の身支度を済ませたら早めに出勤。妻は朝夕に子ども達のケアや送り迎えのできるような働き方、つまり時短勤務や残業なし勤務、パートタイムなどを選択している割合が高いと推測できます。
一方で習い事に関しては、パパの分担率が、わずかに増加しています。
【習い事の送り迎え】
・主に妻・・・84.0%
・主に夫・・・12.5%
・自分の親や義理の親など・・・3.5%
「夜や休日の習い事なら、送り迎えができる」というパパもいるのではないでしょうか。
「食事の見守り」はママが8割超!
続いて子どもの食事ですが、これも妻が担っている家庭が大多数という結果に。
【食事の見守り】
・主に妻・・・84.5%
・主に夫・・・12.0%
・自分の親や義理の親など・・・3.5%
84.5%ものママが食事の見守りを担当していました。本来、食事は楽しい時間であって然るべきですが、ひとりで担う場合、食事を作って、子どもに食べさせて、顔をふいて、片付けて……と、楽しむ余裕がないまま、ひとつひとつのタスクを “こなす”ようになってしまうこともあるでしょう。
「子どもとお風呂」はパパの得意分野!?
一方で、お風呂の分担はパパの比率がグンとアップします。
【子どもをお風呂に入れる】
・主に妻・・・60.0%
・主に夫・・・35.5%
・自分の親や義理の親など・・・4.5%
女性のほうが入浴時間が長い傾向がありますから、お風呂はパパ担当のほうがいろいろスムーズに進みそうですね。子どもが小さい頃は、手の大きい男性の方が安定感があっていいという女性の声もあります。
最後に寝かしつけです。
【寝かしつけ】
・主に妻・・・77.5%
・主に夫・・・19.5%
・自分の親や義理の親など・・・3.0%
5人に1人のパパが寝かしつけを担当しています。お風呂の35.5%より減っているので「お風呂はパパと一緒でも、寝るのはママと一緒がいい!」という子どもの顔が目に浮かびますね。
妻に集中するのは育児だけではなく…
今回のアンケート結果では、日常生活においての育児分担が、女性側に偏っている実態が見えてきましたが、国立社会保障・人口問題研究所が行った「第5回全国家庭動向調査」(2014年公表)によれば、育児だけでなく家事の大部分も妻が担っています。この調査は共働き以外の家庭も含んでいますが、家事の総量を100とした場合、妻が85.1、夫が14.9という比率です。
このような育児・家事分担率の格差が生まれる理由として、男性の長時間勤務や、女性が時短勤務や非正規の働き方を選択していることなどがあげられます。
つまり、「パパが一家の大黒柱として残業をがんばっているから、ママが仕事に加えて家事も育児もがんばる」ということ。
しかし、事態はそれほどシンプルではありません。
パパが早く帰ってきても「期待できない」という家庭も
“ワンオペ育児”と男性の長時間勤務はセットで語られますが、夫が早く帰宅する場合でも、あまり妻に期待されていないケースもあるのです。
実は、前出の調査では、「夫に育児を期待しない」と回答した妻の割合が、夫の帰宅時間が午後10時~11時の場合が5割。そして、午後5時~7時と早く帰宅する場合であっても、4割の妻が「期待しない」と回答しています。
夫側に育児の苦手意識があったり、夫婦それぞれにこれまでの人生で身に付いた性別役割などが背景にあると推測できます。
普段、より多くの時間を子どもと接している母親は、子どものことをよくわかっているという自負や責任感があり、「パパより自分が……」という思いも強いのかもしれません。
今回は、日常生活における夫婦の育児分担の調査についてお届けしました。一筋の光明としては、年を追うごとに少しずつ夫の分担率が増えていること。社会的な風潮として、家庭内や夫の会社(これ大事!)に育児の分担意識が浸透していけば、 “ワンオペ育児”から“シェア育児”が当たり前になっていく可能性もあるのではないでしょうか。
【参考】