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頑張ってきたのに…「もう習い事やめる!」と子どもに言われたら、どう対応する?

「習い事をやめたい」。こんな言葉が子どもの口から飛び出したら、皆さんはどんな対応をしますか? 「いつものこと」と様子を見るのか、叱って無理やり行かせるか、激励してごまかすか……。様々な向き合い方があるのではないでしょうか。

今回は、子どもに「習い事をやめたい」と言われた経験がある子育て中の女性に、そのときの対応方法について聞いてみました。

5割超の女性が子どもの「習い事やめたい」を経験!

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アンケートにご協力頂いたのは、子どもがいる20代~50代の女性200人(未就学児除く)。まず、「習い事をやめたい」と言われた経験について聞いたところ、以下のような結果になりました。

ある・・・ 53.0%

ない・・・47.0%

半数以上の女性が子どもが習い事へのやる気をなくした経験を持っていました。

続いて、「習い事をやめたい」と言われた経験がある女性106人に、そのときどんな対応をしたのか聞いてみました。

特に多くの回答が寄せられた上位5つの対応法や、その後のエピソードをご紹介します。

5位:落ち着いて子どもの話を聞く(7.5%)

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106人中8人が回答していたのが、子どもの話を聞いて気持ちの整理をさせる対応法でした。

「やめたい理由を聞いて、続けた場合のメリットとデメリットを話し合った。 『他にやりたいことがある』と言われ、そちらに力を入れるためやめた」(56歳・主婦)

「やめたい理由を聞いた。子どもが理由を自分で言ってる最中に『やっぱりいいや。やめない』と気が変わり、あっさりとやめたい発言を撤回」(49歳・その他)

「やめたい理由を聞き、具体的な目標を立てそれまではとりあえずがんばろうと答えた。本人も迷いがあったので、目標を近くに設定しやる気をだすことができた」(35歳・主婦)

気持ちの整理をしてみると、“やめたい”が一時的なものなのか、他にやりたいことがあるのか、言葉の真意が見えてくることもあるようです。

4位:やめるまでの「目標」を定める(10.4%)

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あえて手が届きそうな目標を設定して、達成後にやめるという選択を子どもに提示した家庭も。

「水泳をやめたいと言われたとき『最後の種目のバタフライが泳げるようになったらやめていいよ』と答えた。毎月の進級テストに合格しないと最後のバタフライまで進級できないので、テストに早く合格できるよう、一生懸命練習するようになった」(42歳・主婦)

「そろばんをやめたいと言われ、目標を立てて、目標達成したらやめようと伝えました。『仕方ないな』と言いながら頑張っています」(44歳・主婦)

「『次の目標ができるまで頑張ってみない?』と言ってしばらく続けた」(46歳・公務員)

ゴールが見えたことで、“やる気スイッチ”が入るケースもあるのかもしれません。その効果のほどは、かなり個人差がありそうですが……。

3位:もう少し続けて様子を見る(14.2%)

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“やめたい”気持ちが高ぶっているときには、一時的なものかどうか様子を見る方法も。

「『もう少し通ってみたら?』と言う。結局。10年間同じ習い事を続けてもうすぐ引退する」(50歳・技術職)

「今月だけやってみて、もう少し頑張れるのなら続けててみようと言った。嫌な時期を乗り越えたら楽しくなったみたいで続けている」(37歳・その他)

「数カ月様子を見てからやめた。本人にやる気の無さを感じたから」(49歳・主婦)

しばらくしたら“やめたい”という気持ちがおさまったケース、時間がたってもやっぱりやめたがっているケース、いずれのケースもありました。

2位:励まして続けさせる(18.9%)

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今回、2番目に多かったのは、それぞれの方法で激励・説得して子どもを奮起させた例です。

「水泳をやめると言われたが、『水の事故などで水泳を習っていたことで命が助かる場合もあるし、今は嫌でも頑張っていれば楽しいと思える日が来るよ』と言った。今でも続けていて、先日、大会で表彰された」(36歳・公務員)

「ピアノをやめたいと言われたら、なるべく褒めてのばすようにする。嫌々だけどとりあえず続けている」(36歳・デザイン関係)

「練習がいやになってバレエをやめたいと言ったとき、『自分でやりたいって言ったから始めたんだよね?』と習い初めたころの気持ちを思い出させた。どうしてもやめたいならやめても良いと思っていたが、『練習がんばる』と言って今も続けている」(42歳・その他)

このように、親に説得され、子ども自身がモチベーションを取り戻す例もありました。

1位:やめさせる(24.5%)

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今回のアンケートで最も多かったのは、子どもの様子を見て“やめさせた”という回答でした。

「長男が小さい頃、空手をやめたいと言った。理由は殴るのも殴られるのも嫌だからとのこと。なので、合気道に乗り換えた。嫌なものを無理にさせなくてよかったと感じている。世の中には選択肢が沢山あるのだから。根性論は戦中戦後の考え方であると個人的には思う。居場所は一つではない」(46歳・主婦)

「理由を聞いて納得したのでやめさせた。他の習い事ができて良かった」(52歳・主婦)

「本人からやりたいと言われて塾に入会したのに、『わかっていることをやっても無駄。わからないことをやりたい』と言われたことがあります。なので、やめさせました。やめて、自主学習をしました」(57歳・総務・人事・事務)

「『いやいや続けてもしかたないからいいよ。ただし、またやりたいと言っても入れないからね』と答えたら、やめた。その後、入りたいと思ったこともないようである」(36歳・総務・人事・事務)

「スイミングを遊びじゃなくなったからやめると言った。やめたい他の理由もあげながら、『なんで続かなくちゃいけないのか、理由を10個言って』と言われ、ここまで嫌ならあきらめてやめさせました」(51歳・主婦)

無理やり習いごとの場につれていっても、本人にやる気がなければ無駄になると考えるケースが多くみられました。イギリスのことわざを用いれば「馬を水辺に連れ行くことはできても、水を飲ませることはできない」といったところでしょうか。他には、別にやりたいことができたケース、受験を理由にしたケースなども見受けられました。

突き放したり、個別レッスンに変更…「習い事、やめたい」我が家の対応法

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今回のアンケートでは、以下のような回答もありました。

突き放したら、奮起して…

「『いやならお金もったいないし、そんな気持ちでやっても上達しないからやめちゃえばいいじゃん』というと、やめずに続けた」(43歳・主婦)

無理やり連れて行って納得させた

「スイミングに絶対行きたくないと暴れられたが無理やり行かせた。車に押し込んで連れていった。しばらくしたらあきらめたらしくその後は楽しく通っている」(42歳・その他)

先生を変えたらやる気が変わった

「先生を変えたかったので、マンツーマンレッスンに切り替えた。楽しく続けている」(44歳・総務・人事・事務)

このように、親が「やめていいよ」と言ったら子どもが続けることを選んだ、という例もありました。ひょっとしたら、子どもが「やめたい」と口に出すのは、本心のこともあるのでしょうが、自分のがんばりを誰かに認めてほしい気持ちが背景にあったり、目先の楽しさと天秤をかけたうえでの気の迷いが絡んでいるケースもあるようです。

 

「習い事、やめたい」の対応法にはマニュアルがないからこそ、親は悩み、“子どものため”という言葉でしばしば子どもを追い詰めてしまうこともあるかもしれません。でも、どんな対応をしようと、将来、子ども自身が「あのとき、やめてよかった」「続けてよかった」と感じたら、きっとそれは一つの正解。子どもの意思を尊重しながら、“そのときのベスト”を親子で探っていきたいものです。

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