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今どきの「男の子らしさ」「女の子らしさ」どう考える?ママが戸惑うのはどんなシーン?

子どもが自己主張を始めるころから、乗り物やヒーローのおもちゃに男の子が集まり、女の子がお姫様の人形やキラキラしたおもちゃを持ち歩いている……というシーンがあらゆる場面で見受けられます。性別ごとに好みの傾向はあるのでしょうが、同時に「女の子だから」「男の子だから」という理由で親が何かを制限してもいいものか……と迷いを感じたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、男の子のお母さん、女の子のお母さんに「これでいいの?」と迷いを感じた経験について聞いてみました!

「男の子」「女の子」の育て方で迷った経験は?

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子どもを育てていると、自分の中に隠れていた価値観が浮かび上がってくる機会があるのではないでしょうか。その“気づき”は、子育ての醍醐味の一つでもありますが、「はたして、この価値観を子どもに引き継いでもいいものか」と葛藤するプロセスも発生するのではないでしょうか。

例えば、子どもが“性別ごとの傾向”に沿った行動をしていると安心するのに、“人と違う”という理由でちょっと心配になるというふうに。最近よく聞かれる“ジェンダーフリー” (従来の固定的な性別役割分担にとらわれないこと)という概念は頭でわかっていても、 “人と違う”と感じたとき、不安感が刺激されることがあるかもしれません。

そこで今回は、子育て中の187人の女性にアンケートを実施。“男の子の育て方”“女の子の育て方”について、「迷ったり困ったりした経験がある」と回答した31人の女性にその経験談について詳しく聞いてみました。

ランドセル、おもちゃ、キャラクター…子どもの選択にモヤモヤ

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まずは、子どもの選択をできるだけ尊重したいけれど、どうしたらいいか迷ってしまったという経験です。

「長男が赤色のランドセルを欲しがっている」(31歳・主婦/子2歳・4歳)

「次男がプリキュアのおもちゃが欲しいと言ったとき迷いましたが、結局買いませんでした」(40歳・主婦/子7歳・10歳)

赤色のランドセルを男の子が欲しがったという声は他にもありました。単に赤が好きだから赤のランドセルが欲しかったのかもしれません。とはいえ、靴や、文房具と違って、ことランドセルに関しては“赤は女子カラー”というイメージが強いゆえに、迷いも大きくなりますよね。結局、赤をあきらめさせた女性もいましたが、その理由の伝え方に対する迷いが感じられました。

「こうあって欲しい」という期待との折り合い

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続いて、仮に「男の子は活発」「女の子はおしとやか」というイメージを抱いていたとして、そのイメージとのギャップに戸惑う例です。

「男の子なので、活発であってほしいのですが、大人しすぎて困っています」(33歳・主婦/子7歳)

「男の子があまりも弱々しく、先を考えると不安で強くなってもらいたくて、どのように育てたらたくましくなるか悩む」(38歳・その他/子5歳)

「それぞれの性別の特性を生かしたいが、おしつけがましくなってしまう」(58歳・総務・人事・事務/子13歳以上)

「我が家の女子は料理を含めた家事系が全くできず、弟は家事全部できるが勉強、運動が全くできず、男女逆転状態なので、何かと困っている」(50歳・技術職/子13歳以上)

今回のアンケートでは男の子に関する記述が目立ちました。女の子は活発な子にもおしとやかな子にも比較的寛容であるのに対し、男の子には“活発さ”を求めてしまう……という声も。

「男の子なんだから」「女の子なんだから」と言いたくなる気持ち

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次は、子どもに「男の子(女の子)なんだから~しなさい」と言いたくなったときの経験談です。

「『男なんだから』などと言うと、高校生の息子が『女子ひいきだ』と言い返す。どのように対応したらよいか困っている」(47歳・主婦/子11歳・13歳以上)

「『男は女の人に優しくしなきゃいけない』とか、『女子なんだから座るときに足を広げない』とか。色々言ってしまいます」(47歳・主婦/子13歳以上)

「娘が『男の子に叩かれた』と訴えてきたとき、『男の子は暴れん坊だからね、しょうがないよ』と言おうとして、それでは女の子は叩かれても我慢しなさいという意味になると思い、慌てて言うのをやめた。『叩くのは悪いことだよね。ちゃんと訴えてきたのはえらいよ』と、娘の気持ちをなだめてあげるだけにした。男女関係なく、悪い事はダメだという考えを伝えていきたい」(41歳・主婦/子0歳・3歳・7歳・8歳)

体の構造や体力面で、男女間には“明らかな“違い”があります。また、性的な視線を向けられる頻度も男女間で差がある現実もあります。だからこそ、性別を理由にどこまで行動を制限したらいいのかは、親にとっては悩ましい点ではないでしょうか。

友達関係や遊び方を見て不安に…

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男の子が女の子と遊んだり、女の子が男の子と遊んだり……ということが日常になることで、心配する声もありました。

「我が家は男の子ですが、女の子たちと遊ぶ機会が多い」(49歳・主婦/子9歳)

「まわりに男しかおらず、学年の男子の数のほうが多いので、どうしても男の遊びや男の言葉になってしまう。年齢があがるにつれて、将来の女子同士のやり取りや関係をうまくこなしていけるのか、心配になる」(47歳・主婦/子9歳)

たとえ回答者の女性が「楽しければ、誰と遊んでもいい」と思っていたとしても、クラスメイトや友達間で果たしてそういう認識が共有されているのか、“変わり者”扱いされないか……という心配が垣間見られました。

母親だけが気を付けていても…周囲からの影響が心配

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「義母が『女の子なんだから』と口癖でよく言っているのを聞くと、いやな気持ちになる」(31歳・総務・人事・事務/子1歳・5歳・8歳)

子どもの“性別意識”というのは、母親だけでなく、周囲の環境からも大きな影響を受けます。

筆者は男の子を育てていますが、スポーツ指導の現場では子どもを鼓舞するために「男だろ!」という言葉が使われている場面を目にします。性別を利用した命令は、子どもに言うことを聞かせるために便利な言葉として機能することもあると感じています。

 

今回のアンケートでは、子育て中の女性の「どうしたらいいんだろう」という迷いが多く寄せられました。

男女間の違いを少しずつ学びながら、“その子らしさ”を尊重していけるのが理想的ではありますが、現実の環境は、まだ理想には追い付いていません。でも、それぞれの親が自分の言動を省みて、迷う過程にもきっと意味があるのではないでしょうか。

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