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「親友探し」よりも「仲間づくり」を!60歳でわかってきた孤独との付き合い方って…

年齢を重ねてくると、友人や家族との付き合い方も変化します。60歳を迎えるヘア&メイクアップアーティストの山本浩未さんは、親友なんて無理につくらなくてもいいんじゃない?と言います。ほどよい距離感の「趣味の仲間」をいくつも持つ……など、山本さん流の「孤独」との付き合い方を教えていただきました。

60歳という年齢を迎えたからわかる暮らしのエッセンスが詰まった一冊『60歳ひとりぐらし 毎日楽しい理由』(小学館)よりご紹介します。

ひとりの時間は「孤独」じゃなくて宝物

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私は広島県の高校を卒業し、ヘアメイクアップアーティストを目指して上京したときから今までずっと、ひとりぐらしをしています。もう40年以上!

寂しい……と思ったことはもちろんありますが、ひとりを楽しみ、ひとりを満喫してきました。なんでも自分で考え、自分で決めて、やってきた。好きなことや楽しいことにチャレンジするポジティブなことはもちろんですし、逆に体調やメンタルの不調や家の内外でのトラブルのようなネガティブなことについても当然、自分で考えて、選んで、決めてきました。

撮影/玉井俊行

ひとりの時間は、自分の考えや自分らしい感性を強く育て、客観的に自分を見ることができるような気がしています。そうやって自分の考えがクリアになってくると、自分の好きなもの、得意なこと、人に喜ばれること、心落ち着くことに敏感になるんです。

「ひとり=孤独」ではなく、「ひとり=自分の好きや得意が見つかりやすくなる」。私が多趣味で、あちこちに趣味の仲間がいるのも、ひとりの時間を満喫しているからかもしれません。

60歳という年齢は、子育てから解放されたり仕事から離れたり、気がつけば周りに誰もいなくなって、「私は孤独なんじゃないか……」って不安に思う時もあるかも。でも、ネガティブな孤独なんかじゃなく、自分の「好き」 にもう一度向き合えるとも捉えられるじゃないですか。私も、これから改めて、自分の好きなもの、得意なことを探すひとりの時間をたいせつにしていきたいと思っています。

60代をワクワクした気持ちで、「ひとり」を楽しむことができれば、自分の好きや得意への感度が高まり、外の世界への興味や関心も湧いてくる。私は年を重ねて人との付き合い方が変わってきました。全部が誰かと一緒でなくて大丈夫。気の合う仲間と過ごすのは楽しいけど、ひとりの時間も好き、でなくてはならない。自分だけの好きにできる時間や空間が必要だな、と。

ひとりの時間を不安に思うのではなく、逆に、ひとりの時間は自分の世界を広げていくための地ならしの時間。いい地ならしをするために、心が安定するようなひとり時間を持ちたいと思うのです。

親友探しよりも仲間づくり

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なかなかに、人づき合いが難しくなってきました。いい人なんだけど、嫌な気分になっちゃうとか、面倒くさいな……って思っちゃう友達、いませんか?

それでも友達がいなくなったら寂しいし、なんとなく断りきれずつき合ってる、なんてこともあるかもしれません。私はよく「友達が多そう」って言われますが、友達っていうか仲間が多いです。

撮影/玉井俊行

趣味の仲間、例えば宝塚とか中国茶、京都で町中華食べる仲間とか。仕事でもたくさんいます。その人たちとは、共通の趣味を共に楽しむサークル仲間のような関係。ほどよい距離感でお互い自分の都合で行動するから、あまりストレスを感じません。

「友達が少ない」「親友がいない」っていう大人世代の悩みをよく耳にします。 暴論かもしれませんが、親友なんて無理につくらなくていいんじゃない? って。

60歳以降、たいせつにしたいのは、共通の趣味や嗜好を楽しむことだけに集中して、ほかの多くを求め過ぎない、広げ過ぎない。好きなことや楽しいことをその時々で共有できる仲間たち。

そしてね、自分で俯瞰で客観的に見ることができれば、親友は自分自身。ひとりの時間は、もうひとりの自分と対話する時間と考えてみればどうでしょう。

自分がどうすれば心地よくいられるか、わかると思うのです。

・・・

山本浩未さんは、とにかく多趣味! 舞台を観に海外に弾丸旅行に行ったり、京都で大好きな器を手に入れてみたり……仕事を越えて、いつも仲間と楽しそうに時間を過ごしている印象です。

ただそこには、周りの友人たちとほどよい距離感で「サークル仲間のように」付き合う、という山本さんなりのルールがある、と。「親友探しより仲間づくり」という考え方、これから歳を重ねていく私たちにとっても、人間関係を考える上で大きなヒントになりそうです。


 

『60歳ひとりぐらし 毎日楽しい理由
家族がいてもいなくても、自分=ひとりで楽しめるヒント』
(山本浩未/著 1,650円・税込 小学館)

「自分を心地よくできるのは自分だけ!」という山本浩未さん。ホルモンに翻弄されたという50代を経てたどりついた、自身の心地よい暮らし方の工夫を、わかりやすく教えてくれる一冊。

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